ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

医療用チューブの高い生産性を武器にした海外需要の獲得

広陵化学工業株式会社

成果月産生産キャパシティ 75万本→120万本

この事例のポイント

  • 射出成形機から取出しロボットがチューブを掴みコンベア上に置く際に倒れるトラブルが発生し、検査カメラで的確にチェックできなかった。
  • 最新型の射出成形機と取出しロボットを導入し、生産性を大幅に向上させた。
  • 月産生産キャパシティ 75万本→120万本。射出成形機と取出しロボットの導入により生産性が大幅に向上し、月産120万個体制を確立できた。

事業者のプロフィール

事業者名広陵化学工業株式会社
所在地奈良県 奈良県北葛城郡広陵町
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数70人
資本金9,000万円
設立1969年

事業の背景

1963年の創業以来、食品容器と臨床用器材の分野で事業を行ってきた。平成27年末、当製品のユーザーである大手医療機器メーカーから、ヨーロッパ、北米に加えて中国、ブラジル、メキシコでの拡販のために供給力を強化してほしいという要望があった。試算では全販売量に占める海外向けの構成比が現状の1.5倍程度に拡大でき、当製品は今後海外向けを中心に販売数量の大幅な拡大が期待できるとされた。当製品の生産キャパシティを月産75万本から120万本に拡大するため、本事業に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度射出成形機から取出しロボットがチューブを掴みコンベア上に置く際に倒れるトラブルが発生し、検査カメラで的確にチェックできなかった。
  • 納期・工程医療機器メーカーからのバリデーション(製造工程や方法が正しいかを検証する一連の業務)が細かく求められ、多くの時間を費やした。

やったこと

最新型の射出成形機と取出しロボットを導入し、生産性を大幅に向上させた。検査作業を自動化するためにコンベア式画像検査装置を導入し、1時間に9,000個以上の検査が可能となり、不良項目を100%の確率で検知し排除できるようになった。取出しロボットがチューブを置く時の速度を若干落とし、徐々に加速させることで、コンベア上で倒れる問題を解決した。コンベア式画像検査装置の速度を変化・調整することでも対応した。滅菌液分注工程では、適量の滅菌液が確実に分注されることを担保するため、不具合品の検知と排除が確実に行われる滅菌液分注装置を導入した。これらにより月産120万個体制を確立することができた。

加工機射出成形機
ロボット取出しロボット
検査測定コンベア式画像検査装置
その他滅菌液分注装置

事業の効果

  • 月産生産キャパシティ 75万本→120万本
  • 当製品売上高(平成28年実績対比) 1倍→1.6倍

射出成形機と取出しロボットの導入により生産性が大幅に向上し、月産120万個体制を確立できた。コンベア式画像検査装置の導入で検査が自動化され、1時間に9,000個以上の検査が可能になり、不良項目を100%の確率で検知し排除できるようになった。滅菌液分注装置により、不具合品の検知と排除が確実に行われるようになった。これらにより海外市場獲得に向けた準備が整い、平成33年に当製品の売上高1.6倍を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の食品容器・臨床用器材分野の取組と、価値創造型メーカーへの転換という方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ユーザーからの海外拡販の供給力強化要望と、海外向け構成比が現状の1.5倍程度に拡大できるとの試算が示され、外部環境と強みに基づく優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題①②を挙げ、取出しロボットや画像検査装置の導入、月産75万本から120万本への生産能力拡大という解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産75万本から120万本への拡大、1時間9,000個以上の検査、売上高1.6倍(平成33年見込み)という数値目標が示されている。付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員70名、ファブレス事業で専門企業と連携する体制がうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドライケミストリー検査用チューブの高い生産性と品質保証力を差別的優位性とし、ユーザーの要望を根拠に海外市場の需要を示している。

  • 事業化までの道筋3

    課題とその解決策は示されているが、中長期の検証や遂行スケジュールの詳細は限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ドライケミストリー検査用の樹脂製チューブとキャップという分野で、月産120万個体制を確立し高い生産性を強みとしている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外需要獲得による売上増と経営基盤強化への期待はうかがえるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は具体的に読み取れない。

  • 費用対効果3

    売上増と高い利益貢献が試算で確認されたとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    コンベア式画像検査装置や滅菌液分注装置の導入による自動化は示されるが、地域やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は読み取りにくい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外市場や医療分野の需要増への期待が記されているが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県広陵町の企業として記載はあるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の具体的な記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アフリカ、東南アジア、南米など水事情の悪い発展途上国での需要増、地震などの被災地や在宅医療での需要増への期待がある。平成33年には当製品の売上高が平成28年実績の1.6倍になる見込みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。