ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

梅甘納豆など「種なし梅」シリーズの商品化

株式会社不動農園

この事例のポイント

  • 高価格帯の売上が減る一方で低価格品が増え、利益率が低下しており、新たな商品開発が求められていた。
  • 種抜き機、食品乾燥機、ピロー包装機を導入した。
  • 種なし梅シリーズの第一弾を発売し、種抜き梅干しの商談を進められた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社不動農園
所在地和歌山県 田辺市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数16人
資本金500万円
設立1988年

事業の背景

紀州南高梅の産地である田辺市上芳養地区で親子3代にわたり梅の栽培から味付けまで一貫して行ってきた。梅干しの低価格品が市場に広がって需要を拡大した一方、高価格帯の売上は減少し、原材料費や製造コストの上昇で利益率は低下傾向にある。同社は味付けを10種類販売してきたが売上拡大と新規開拓に苦戦していた。消費者からは梅味のスナック菓子などを購入したいという声もあり、簡単な種なし商品へのニーズも高まり、既存取引先からの問い合わせも増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高価格帯の売上が減る一方で低価格品が増え、利益率が低下しており、新たな商品開発が求められていた。
  • 人手・技能種なし梅を手作業で作ると生産量が限られ、人件費もかかる。
  • 品質・精度天日干しでは天候や気温で干し上がりの品質にばらつきがあり、品質とリードタイムの安定のために乾燥機が必要だった。
  • 生産能力個袋への充填が手作業のため、おやつ感覚の商品力を支える個袋包装を自動化する必要があった。

やったこと

種抜き機、食品乾燥機、ピロー包装機を導入した。試作品として味付けした梅干しを機械で種抜きし、食品乾燥機で干し梅にして、ピロー包装機で個袋に包装し、取引先にサンプルとして配布した。配布の反応を受けて味付けをさらに改良した。導入後は個袋の「種ぬき干し梅」と容器と個袋の「種ぬき梅はちみつ漬」を種なし梅シリーズの第一弾として発売した。

  • 加工機種抜き機食品乾燥機ピロー包装機

新しい製品・サービス:種なし梅シリーズ(個袋の種ぬき干し梅、容器と個袋の種ぬき梅はちみつ漬)

事業の効果

種なし梅シリーズの第一弾を発売し、種抜き梅干しの商談を進められた。品質と生産量(リードタイム)が安定した。種なし梅の引き合いが数件あり、スーパーや道の駅などで販売を始めている。一方、菓子市場へ進出するには新たな製造許可と原料・人員・スペースの確保が次の課題になっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性低価格品の台頭を受け、おやつ感覚の商品で新市場を狙う方針。田辺梅林の良質な梅と一貫生産が強みとして示されている。
  • 4
    課題の認識と解決高価格帯の売上減や利益率低下を課題として認識し、種抜き機・乾燥機・包装機で人件費や品質バラつきを解決する計画。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け消費者の「梅干しは食べないが梅味のお菓子は買う」という声や種なしへの需要を根拠に、ターゲットと選ばれる理由を整理している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、引き合い数件など定性的な見通しにとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    梅干しの製造販売という既存事業の延長で、種なし梅シリーズを中期計画として着手し、過去からの引き合いにも応えている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    低価格品の台頭を受け、おやつ感覚の商品で新市場を狙う方針。田辺梅林の良質な梅と一貫生産が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    高価格帯の売上減や利益率低下を課題として認識し、種抜き機・乾燥機・包装機で人件費や品質バラつきを解決する計画。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、引き合い数件など定性的な見通しにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    試作品の配布や改良を進めた経緯があり、既存の製造・販売体制で導入機械を運用している。体制の具体的な人数記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費者の「梅干しは食べないが梅味のお菓子は買う」という声や種なしへの需要を根拠に、ターゲットと選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    試作、サンプル配布、味付けの再改良を経て第一弾を発売し、スーパーや道の駅での販売開始までの流れが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    梅干しの市場で低価格品が増える中、おやつ感覚の種なし梅という高付加価値の差別化を図る点が示されている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    産地の維持・発展や後継者不足、雇用問題に向き合い地域社会に貢献する取組を考えていると記載されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    地域の梅産地の振興に触れているが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの言及は薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    紀州南高梅の産地である上芳養地区の特性を活かし、梅の魅力を全国に発信して消費拡大につなげる取組が示されている。

今後の展望

菓子市場への新たな進出には原料・人員・スペースの確保が必要。産地の維持・発展のため、後継者不足や雇用問題にも向き合い、地域社会に貢献する取り組みを考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。