ものづくり補助金平成27年度製造業和歌山県

老舗の伝統技法と機械化の組み合わせにより醸造酢の生産性向上を図り、海外輸出を促進

合名会社 丸正酢醸造元

成果圧搾工程の所要時間 14日→2日

この事例のポイント

  • 醸造酢の圧搾工程は人力で1日に2度程度しか行えず、もろみから酢を搾りきるまで約2週間かかっていた。
  • もろみから酢を搾りきるための自動圧濾圧搾機を導入し、圧搾工程の短時間化を図った。
  • 圧搾工程の所要時間 14日→2日。圧搾工程が大幅に短縮され、生産スピードが飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名合名会社 丸正酢醸造元
所在地和歌山県 東牟婁郡那智勝浦町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数10人
設立1879年

事業の背景

創業は1879年で、酢醸造の老舗として約140年にわたり醸造酢や調味酢、ポン酢を製造してきた。2007年にモンドセレクションで最高金賞を受賞したことを機にテレビや雑誌で取り上げられ、国内の百貨店や通信販売に加え海外からの引き合いも増えた。現在は海外輸出が年間売上の15%程度を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力醸造酢の圧搾工程は人力で1日に2度程度しか行えず、もろみから酢を搾りきるまで約2週間かかっていた。
  • 納期・工程海外からの一度に大量の注文に対して、手作業の古式醸造法では期間内に納めることが難しかった。
  • 生産能力味と品質を保つため醸造工程は手作業のままで生産効率を上げにくく、圧搾工程が唯一の改善余地だった。

やったこと

もろみから酢を搾りきるための自動圧濾圧搾機を導入し、圧搾工程の短時間化を図った。従来の人力による「しぼり槽」での作業に代わり、空気圧による自動加圧で1日〜2日程度で搾りきれるようになった。導入当初は余分な「えぐみ」まで搾り出すのではという懸念があったが、半年程度微調整を繰り返し、納得のいく味に仕上げた。夏場も2日程度で搾り終えられるため、暑さによる味の変化も避けられるようになった。

加工機自動圧濾圧搾機

新しい製品・サービス:すべて和歌山県産の原料で搾り上げたお酢や甘酒の製造を検討している。

事業の効果

  • 圧搾工程の所要時間 14日→2日

圧搾工程が大幅に短縮され、生産スピードが飛躍的に向上した。搾りきるまでの時間が短くなったことで商品の鮮度が従来より保たれ、品質も向上した。もろみから酢を回収する際の回収率も向上している。生産効率と品質が上がったことで、海外からのまとまった受注にも対応できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の古式醸造と手作業へのこだわりが語られ、事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外輸出が年間売上の15%程度を占め、伏流水や低農薬原料など自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    海外からの大量注文に納められない課題を認識し、圧搾工程の機械化で2週間の作業を1〜2日に短縮する計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    圧搾時間の短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の数値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の企業であることは記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    古式醸造の味わいが最大の強みで、モンドセレクション最高金賞や海外からの引き合いなど、選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    充填工程の自動化や和歌山県産の新製品など今後の展開は示されるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    古式醸造酢を手作業で木桶仕込みする方式で、同分野で高水準の品質を目指す取組であることが示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    海外輸出の拡大は示されるが、地域経済への波及や雇用創出といった国が補助する積極的理由は記載されていない。

  • 費用対効果2

    生産スピードや回収率の向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    那智勝浦の水源や熊野杉などの地域資源を活かした製品であることは読み取れるが、地域の雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

充填工程の自動化も検討しており、品質を保ったまま輸送できることが期待される。販路面ではヨーロッパ諸国やアメリカ、カナダ、オーストラリアへの海外販路拡大を狙い、展示会や商談会で営業活動を行う予定である。

  • 目標:従来は1日に2度程度の人力による締め作業だった。

事業者の声

お客様の要望に応えることが大事

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。