ものづくり補助金平成27年度製造業島根県

高周波加熱装置による竹平板化のリードタイム短縮とデザイン性の向上

株式会社ウッドスタイル

成果成功率 50%→65%

この事例のポイント

  • 竹を平板にする工程は難しく時間がかかり、丸一日の作業でも10本も処理できなかった。
  • 既存のプレス機と組み合わせて高周波加熱装置RH-15を導入した。
  • 成功率 50%→65%。高周波加熱装置の導入により、竹の平板化にかかるリードタイムが従来の三分の一になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ウッドスタイル
所在地島根県 松江市
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,材料製造プロセス
従業員数10人
資本金2,158万円
設立2004年

事業の背景

株式会社ウッドスタイルは2004年に設立され、家具の製造販売やリフォームを手がけている。竹は3、4年で成竹になるエコな素材で、世界でここだけにしかない竹の平板化技術を2015年に特許取得し、内装工事の素材やトレー、名刺入れなどに加工して販売してきた。一方で住環境の変化により家具にお金を掛ける人が減り、大都市や海外でしか家具が売れにくい時代になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力竹を平板にする工程は難しく時間がかかり、丸一日の作業でも10本も処理できなかった。
  • 品質・精度加工の成功率は約50%にとどまっていた。
  • その他竹は伐採する季節によって品質にムラがあり、冬に伐採した水分量の少ない竹しか原料として使えなかった。

やったこと

既存のプレス機と組み合わせて高周波加熱装置RH-15を導入した。従来のホットプレス方式は竹の外側から熱を伝えていたが、高周波加熱装置は竹の内部からも加熱するため急速に加熱できる。装置の大きさと時間、プレス時間を調整する試作を重ね、リードタイムの短縮と成功率の向上を図った。また、冬以外の季節に採取した竹も原料として使える可能性を広げた。

新しい製品・サービス:竹の平板化素材を使った付加価値の高いオリジナル家具

事業の効果

  • 成功率 50%→65%
  • リードタイム 100%→33.3%

高周波加熱装置の導入により、竹の平板化にかかるリードタイムが従来の三分の一になった。成功率も約65%程度に上昇し、一年を通して安定した原料供給が見込めるようになった。これにより商品開発を進めやすくなり、多様な展開に弾みがつくと期待されている。海外の展示会では反応も良く、高い技術力を生かした新製品の展開にも手応えを感じている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.5 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及島根県松江市の竹資源を活かし、高付加価値のオリジナル家具や竹製品を生み出し、地域の竹文化の発信につなげている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性世界でここだけの竹平板化技術を持ち、ミラノ見本市出展やヴィトラのデザイン美術館収蔵など海外での評価を強みとして活かしている。
  • 4
    課題の認識と解決竹平板化の成功率約50%・丸一日10本未満という課題を認識し、高周波加熱装置導入で工期を3分の1、成功率65%に改善している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標成功率向上や大都市・海外での販売は述べられるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は本文中に示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    2004年設立の家具会社が竹に注目し、2015年に特許取得、島根県と共同開発と、事業の延長線上で竹平板化に継続的に取り組んでいる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    世界でここだけの竹平板化技術を持ち、ミラノ見本市出展やヴィトラのデザイン美術館収蔵など海外での評価を強みとして活かしている。

  • 課題の認識と解決4

    竹平板化の成功率約50%・丸一日10本未満という課題を認識し、高周波加熱装置導入で工期を3分の1、成功率65%に改善している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    成功率向上や大都市・海外での販売は述べられるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は本文中に示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員10名の会社で、既存プレス機との組み合わせや島根県との共同開発実績があり、補助事業を遂行する体制は整っていると読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    竹の珍しさや平らな竹の美しさにデザイナーが注目し、海外見本市で反応が良いなど、顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    季節による竹の品質ムラという課題を、新設備で通年の原料供給につなげる方針が示され、今後の調整や地元森林組合へのプロセス販売も視野に入れている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    竹の平板化は世界でここだけの技術で、一般に普及していない分野であり、ヨーロッパでは珍しい素材として希少性が高い。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    竹林の拡大防止や里山再生という社会問題の解決に加え、森林組合へのプロセス販売など地域の波及効果が見込まれる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    高周波加熱装置という新技術で竹の内部から加熱する工程を実現し、地域資源の活用という地域イノベーションに貢献し得る。

政策面5.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及5

    島根県松江市の竹資源を活かし、高付加価値のオリジナル家具や竹製品を生み出し、地域の竹文化の発信につなげている。

今後の展望

今後は本格的に海外へ展開する予定で、プロダクトデザイナーの喜多俊之さんと組んで付加価値の高いオリジナル家具を製作する。成果がまとまった段階では、地元の森林組合などにプロセスをまるごと販売して活用してもらうことも視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。