ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

腸内フローラ改善と予防医療に貢献する新規バイオ発酵食品の開発

野村乳業 株式会社

この事例のポイント

  • 既存の発酵食品は腸内フローラの改善に十分な効果を発揮しているとは言い難い。
  • 自社の特殊発酵技術を活用するため、発酵タンクおよび小型充填機を導入した。
  • バイオ発酵技術により、人体に有用な生命力の強い乳酸菌やビフィズス菌を高確率で腸に届け、腸内フローラを強力に改善することが期待できる革新的な発酵食品を開発することができた。

事業者のプロフィール

事業者名野村乳業 株式会社
所在地広島県 府中町
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1897年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の発酵食品は腸内フローラの改善に十分な効果を発揮しているとは言い難い。
  • 新製品・新技術市場では既存の発酵食品に満足しておらず、腸内フローラの改善を身体で実感できる革新的なバイオ発酵食品が強く求められている。
  • 新製品・新技術国際競争力のある発酵食品を開発し提供することが、既存の概念を超えた新しい市場を形成する上で重要である。

やったこと

自社の特殊発酵技術を活用するため、発酵タンクおよび小型充填機を導入した。人工胃液と人工胆汁で消化液耐性試験を行い、消化液に強い乳酸菌やビフィズス菌を選択した。発酵食品のベースとなる食品素材を選び、乳酸菌数2,000億以上/食、カロリーは野菜ベース40kcal・乳果汁ベース50kcal以下、乳酸酸度は野菜ベース0.35~0.55%・乳果汁ベース0.7~1.0%、発酵時間20時間以下、ブラインドテストで適合する風味・外観を目標に試作した。安全性試験、保存試験、継続摂取による実感試験を行い、腸内フローラへの影響を検証した。

加工機発酵タンク
加工機小型充填機

新しい製品・サービス:プロバイオティクス野菜発酵飲料

事業の効果

バイオ発酵技術により、人体に有用な生命力の強い乳酸菌やビフィズス菌を高確率で腸に届け、腸内フローラを強力に改善することが期待できる革新的な発酵食品を開発することができた。消化液耐性能力の強い微生物を選択でき、発酵食品の食品素材選択と試作では概ね技術目標値を達成した。腸内フローラへの影響検証と安全性試験でも概ね技術目標値を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存の乳酸菌・発酵技術を生かす方向はうかがえるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存市場の発酵食品への不満や競合品との対比試験に触れ、外部環境と強みの関係はある程度読み取れるが、自社の経営資源の詳細は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    既存発酵食品の効果不足という課題認識と製品開発の目的は明確だが、高付加価値化・成長につながる数値的な計画は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    乳酸菌数2,000億以上/食、カロリー、乳酸酸度、発酵時間20時間以下など具体的な目標値が示され、概ね達成したと記載がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員11人と記載はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の確保については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    腸内フローラ改善という製品価値と、国内販売の販売経路候補は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    国内販売と海外展開の二通りを計画すると示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存市場に十分な効果の発酵食品が存在しないとし、消化液耐性や腸内フローラ改善を実感できる従来にない製品という高付加価値性が示されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    世界的な健康意識の高まりや海外展開への言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助事業の投入額と付加価値額の増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    発酵食品による健康分野の新市場形成への期待は書かれているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    広島県府中町の事業者であることは分かるが、地域特性を生かした雇用や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では機能性情報を消費者に伝えやすい販売手法を優先し、通信販売、宅配業者、社外通信販売会社、会員制組織、こだわりスーパーとの取り組みを進める。海外では現地で販売力のある企業と組んで展開する。海外ではコストアップへの理解を得ることが課題である。

  • 目標:乳酸菌数2,000億以上/食(目標)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。