ものづくり補助金平成27年度製造業山口県

地方創生に貢献する最新連続充填ラインの確立

丸三食品株式会社

成果レモン皮裁断時間 120分→10分

この事例のポイント

  • 「レモスコ」は発売以来販売数が順調に伸び、生産が追いつかない状況になっていた。
  • 調合工程では、レモン皮をサイコロ状にカットする専用丸を備えたスライサーを導入し、レモン皮20kgの裁断時間を2時間から約10分に短縮した。
  • レモン皮裁断時間 120分→10分。調合工程のレモン皮裁断時間が大幅に短縮し、充填工程は連続充填ラインとして確立された。

事業者のプロフィール

事業者名丸三食品株式会社
所在地山口県
業種食料品製造業
技術分野機械制御

事業の背景

当社は他社から委託を受けて製品を開発・製造するOEM型の食品製造業である。主力のOEM商品「レモスコ」は、広島レモンの果汁と皮をJA広島果実連から購入し、当社が前処理、調合、充填を行って委託元が販売している。「レモスコ」は発売以来販売数を伸ばし、今後の販路拡大も見据えて大幅な生産能力増強が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力「レモスコ」は発売以来販売数が順調に伸び、生産が追いつかない状況になっていた。
  • 生産能力調合工程でレモン皮20kgの裁断に2時間を要していた。
  • 品質・精度レモン皮などの微細な固形物が多く含まれるため、充填量にバラツキが生じていた。
  • 人手・技能中栓打ち込み・外栓装着を手作業で一つずつ行っていた。
  • 生産能力充填工程の多くがベルトコンベア等を使った連続ラインではなく、手作業で行われていた。

やったこと

調合工程では、レモン皮をサイコロ状にカットする専用丸を備えたスライサーを導入し、レモン皮20kgの裁断時間を2時間から約10分に短縮した。充填工程では、ボトル自動充填装置を導入して充填精度を高め、内容量の微調整を不要にした。また、中栓打ち込み・外栓装着、キャップシール装着とラベル貼りを機械化し、各栓を瓶の口に置くだけで作業が完了する体制にした。これらにより、充填工程の作業を独立したバッチ処理から連続充填ラインへ移行した。全自動の大型設備ではなく、多品種中量生産に適した設備を選んだ。

  • 加工機レモン皮裁断用スライサーサイコロ状カット用専用丸付きボトル自動充填装置
  • その他中栓打ち込み・外栓装着・キャップシール装着・ラベル貼りの機械化設備連続充填ライン

事業の効果

  • レモン皮裁断時間 120分→10分
  • 生産性 1倍→4倍

調合工程のレモン皮裁断時間が大幅に短縮し、充填工程は連続充填ラインとして確立された。充填精度が上がり、固形物による充填量のバラツキも解消された。中栓打ち込みやキャップ装着、ラベル貼りの機械化により作業効率が向上し、手作業を減らせた。生産性は大幅に向上し、引き下げられた製造原価は農家からの購入価格への反映にも充てられる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標生産性4倍向上を実現し増産体制に入る予定と数字で示され、裁断時間2時間から約10分への短縮も記載されている。
  • 4
    課題の認識と解決調合のレモン皮20kg裁断に2時間を要する課題を明示し、約10分への短縮や連続充填ラインで解決する計画が具体的に書かれている。
  • 4
    費用対効果生産性4倍向上という効果が示されるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は記載されていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性生産が追いつかず増強が必要とあるが、これまでの取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    生産が追いつかず増強が必要とあるが、これまでの取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    OEM商品「レモスコ」の販売が順調で今後の販路拡大を見据えるとあり、需要の強みは読み取れるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    調合のレモン皮20kg裁断に2時間を要する課題を明示し、約10分への短縮や連続充填ラインで解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性4倍向上を実現し増産体制に入る予定と数字で示され、裁断時間2時間から約10分への短縮も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    生産受託型の製造業で設備導入を担うことはうかがえるが、人材や事務処理体制の確保については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    「レモスコ」は広島レモンと藻塩等を使う今までにない味覚の調味料と説明され、顧客ターゲットや選ばれる理由は一部読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    充填作業の課題解決や生産余力の他商品への活用を述べるが、中長期の検証やスケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    独自の味覚のホットソースとあり、高付加価値化の方向は読み取れるが、価格や水準に関する具体的記述は薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    未利用の B級・C級農産物を買い取り商品化し農家の所得向上に貢献するとあり、地域波及の理由は読み取れるが定量性は薄い。

  • 費用対効果4

    生産性4倍向上という効果が示されるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    連続充填ラインや機械化による効率化はあるが、先端デジタル技術の活用や新ビジネスモデルの記述は限定的。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    広島レモンや上蒲刈島の藻塩など地域資源を活かす点は読み取れるが、地域経済成長への牽引効果は具体的ではない。

今後の展望

現時点では生産余力があるため、その余力を別ラインで行っている3商品(えごまドレッシング、イタリアンドレッシング、豆乳マヨネーズ)の充填作業に振り向け、工場全体の生産性向上につなげる考えである。また、製造原価の引き下げを生かして地域農家の所得向上に貢献し、市場に出荷できないB級・C級等の未利用農産物を買い取って商品化する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。