ものづくり補助金平成27年度製造業香川県

独自の製造技術を発展させた日本酒開発

川鶴酒造株式会社

成果作業人員 3名→1名

この事例のポイント

  • 洗米工程で洗米精度がばらつき、糖化と発酵のバランスが崩れて鈍重な甘口の味わいになっていた。
  • 洗米工程では、気泡式洗米機を連続洗米型に改良する洗米機コメクリーンSK-150Vを導入した。
  • 作業人員 3名→1名。洗米精度が安定し、ドライで軽やかな味わいの特定名称酒を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名川鶴酒造株式会社
所在地香川県 観音寺市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数16人
設立1937年

事業の背景

近年、高付加価値商品である「特定名称酒」が国内外で注目され、減少傾向にあった日本酒の製造量が平成25年度にプラスへ転じた。当社でも同様の傾向があり、特定名称酒である高付加価値商品の海外輸出が増えている。一方、海外では当社にない新しい味わいが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度洗米工程で洗米精度がばらつき、糖化と発酵のバランスが崩れて鈍重な甘口の味わいになっていた。
  • 品質・精度発酵工程で酵母の環境を把握する成分分析が1試料約60分かかり、毎日行えていなかった。
  • 品質・精度上槽後の貯蔵から充填までの温度によって品質が劣化していた。

やったこと

洗米工程では、気泡式洗米機を連続洗米型に改良する洗米機コメクリーンSK-150Vを導入した。これにより必要な作業人員が3名から1名に減り、糠成分を除去したクリーンで均一な蒸米を安定して製造できるようになり、ドライで軽やかな味わいの特定名称酒を製造できるようになった。発酵工程では、SD分析システムを導入し、毎日短時間で正確な成分分析と酵母の環境把握ができるようにした。加熱殺菌後は、熱交換急速冷却装置と冷却タンクで殺菌後の酒を速やかに30度以下に冷却し、3度以下の低温貯蔵を実現した。導入した4設備は、発注、設置・調整、評価を経て本格稼働させた。

加工機洗米機コメクリーンSK-150V
検査測定SD分析システム
その他冷却タンク
その他熱交換急速冷却装置

新しい製品・サービス:外国人の嗜好や飲用スタイルに合わせた新しい味わいの特定名称酒

事業の効果

  • 作業人員 3名→1名

洗米精度が安定し、ドライで軽やかな味わいの特定名称酒を製造できるようになった。作業人員は3名から1名に削減された。毎日の成分分析により酵母の健全発酵と糖化バランスを安定させ、冷却タンクでの低温貯蔵により鮮度を維持して貯蔵できるようになった。米国への輸出を開始し、売上拡大、雇用創出、長時間労働の是正、地域経済の活性化につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治24年創業以来の酒造り精神と特定名称酒への注力が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本酒の輸出増、米国が清酒の最大市場であることを示し、自社の技術力を活かして米国向け特定名称酒を開発すると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    洗米精度のバラつきや発酵時の成分分析が毎日できない課題を挙げ、4設備で解決を図ったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1年後の経常利益伸び率3%、5年後59%という数値目標が明記されている。

  • 事業を進める体制2

    季節雇用の職人を社員体制に変えると書かれているが、事務処理能力や補助事業の遂行体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    外国人の嗜好や飲用スタイルに合わせた特定名称酒という顧客ターゲットは書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入ステップ(発注、設置、評価、本格稼働)は示されているが、中長期の課題検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高付加価値の特定名称酒を開発し、外国人の嗜好に合う新しい味わいを目指すと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    日本酒製造量の回復や雇用の場の確保に触れているが、波及効果の具体的な規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    作業人員が3名から1名に削減されたとあるが、投入額に対する付加価値額の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析システムや冷却タンクを導入しているが、デジタル技術によるサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    輸出増加の傾向に触れているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    地域経済の活性化や雇用の創出に尽力すると書かれているが、地域特性を活かした具体的な内容は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

外国人の嗜好に合わせた特定名称酒を開発・安定生産し、米国市場へ事業を発展させる。1年後の経常利益の伸び率は3%、5年後には59%を見込んでいる。季節雇用だった酒造技術職人を社員体制に変え、技術の継承と経営資源の蓄積を図る。

事業者の声

川の流れの如く、素直な気持ちで呑み手に感動を

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。