ものづくり補助金平成28年度製造業宮城県

伝統的な清酒の山廃造りの高品質化と効率的な増産体制強化による海外等への販路拡大

萩野酒造株式会社

成果製造期間 1カ月→2カ月

この事例のポイント

  • 山廃仕込みの『日輪田』は製造期間が短く、需要を満たせていなかった。
  • 酒造りの全工程を見直し、放冷・酒母・火入れ・貯蔵の各工程の改善を図った。
  • 製造期間 1カ月→2カ月。製造期間が従来の1カ月から2カ月まで伸び、加熱殺菌回数を2回から1回にしたことでフレッシュ感が増した。

事業者のプロフィール

事業者名萩野酒造株式会社
所在地宮城県
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
設立1840年

事業の背景

萩野酒造株式会社は1840年(天保11年)創業の老舗酒蔵で、地場の良質な米と栗駒山の伏流水を使い、『萩の鶴』を地元で長く愛されてきた。2002年(平成14年)に発売した全量純米造りの『日輪田』は純米酒以上の食中酒に特化した製品群で、国内に加え、シンガポール、香港、台湾などアジアでも好評を得ていた。『日輪田』は自然微生物類を用いた山廃仕込みが強みで、透明感のある酸味が特徴だが、製造期間の制約から需要に応えきれていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力山廃仕込みの『日輪田』は製造期間が短く、需要を満たせていなかった。
  • 納期・工程雑菌の混入を防ぐため製造は真冬の厳寒期だけに限られていた。

やったこと

酒造りの全工程を見直し、放冷・酒母・火入れ・貯蔵の各工程の改善を図った。『日輪田』専用の製造場となる屋内大型冷蔵設備一式を導入した。原料米の衛生的な放冷処理が行える放冷機を導入した。高品質な加熱殺菌及び冷却処理を可能とするパストライザー・クーラーを導入した。これらの機械や装置の導入により、徹底した温度管理による衛生環境の良い製造場を常設した。

その他屋内大型冷蔵設備一式
加工機放冷機
加工機パストライザー・クーラー

新しい製品・サービス:全量純米造りの『日輪田』

事業の効果

  • 製造期間 1カ月→2カ月
  • 加熱殺菌回数 2回→1回

製造期間が従来の1カ月から2カ月まで伸び、加熱殺菌回数を2回から1回にしたことでフレッシュ感が増した。増産と品質向上を同時に図れ、温度管理が徹底された衛生環境の良い製造場が常設された。冷蔵製造設備は貯蔵庫としても活用できる点も大きな効果とされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1840年創業で、2002年発売の『萩の鶴』と全量純米造りの『日輪田』を展開し、山廃仕込みの伝統を軸にした一貫した事業展開が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内外で注目される自然派製品として、シンガポール・香港・台湾など海外でも好評を博していると具体的な市場名が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    製造期間が真冬の厳寒期のみという課題を認識し、製造期間を1カ月から2カ月に伸ばす改善を行ったと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造期間が1カ月から2カ月に伸びた数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    製造部部長の佐藤善之氏がコメントしているが、人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    透明感のある酸味が特徴の食中酒として、欧米のワイン文化に通じる点など製品の価値と選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    屋内大型冷蔵設備や放冷機などの導入内容は書かれているが、導入スケジュールや課題の解決方法の詳細はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    全量純米造りの食中酒に特化した製品群で展開しており、同分野の中での差別化がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    海外展開や地域の米・伏流水の活用はうかがえるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    製造期間の延長や加熱殺菌回数の削減は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度管理による衛生環境の向上は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外のアジア圏での販売拡大はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及3

    地場の良質な米と栗駒山の伏流水を使い、地元で長く愛されてきたとあり、地域特性を活かした事業が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。