ものづくり補助金平成28年度製造業新潟県

新除たんぱく技術による早期腎疾患患者向けの低タンパクごはんの開発

株式会社バイオテックジャパン

成果糸状菌抽出液の生産力 1倍→30倍

この事例のポイント

  • 食味は良いが、乳酸発酵独特の匂いがある。
  • 糸状菌が生成するプロテアーゼやアミラーゼなどの発酵物が異臭の低減と旨みの向上に効果があることを発見し、糸状菌と乳酸菌を使ったお米の低タンパク質化の基礎技術を確立した。
  • 糸状菌抽出液の生産力 1倍→30倍。乳酸発酵の匂いが軽減され、食味・香りも良好な試作品ができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バイオテックジャパン
所在地新潟県 阿賀野市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,バイオ
設立1994年

事業の背景

1994年創業の植物性乳酸菌の専門企業で、世界トップクラスの3,000株以上の菌株を保有し、菓子や漬物メーカーなどから菌の開発を受託している。高齢化や腎臓病患者の増加により、タンパク質の摂取制限が必要な人が増えている。タンパク質を分解する酵素製剤を使えばお米のタンパク質を分解できることが発表され、各社が競って低たんぱくごはんを開発するようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度食味は良いが、乳酸発酵独特の匂いがある。
  • コスト・採算タンパク質の分解に多量の乳酸菌培養液を必要とし、コストが高い構造になっている。

やったこと

糸状菌が生成するプロテアーゼやアミラーゼなどの発酵物が異臭の低減と旨みの向上に効果があることを発見し、糸状菌と乳酸菌を使ったお米の低タンパク質化の基礎技術を確立した。糸状菌を培養して抽出液を量産するため、糸状菌活用の生産設備を整備した。殺菌処理ができるオートクレーブや異物除去に使う高速冷却遠心機など計6種を購入した。これにより、食味と香りが良好な試作品ができた。

その他オートクレーブ
加工機高速冷却遠心機
その他糸状菌活用の生産設備(計6種のうち上記以外)

新しい製品・サービス:糸状菌を用いた新たな『低たんぱくごはん』

事業の効果

  • 糸状菌抽出液の生産力 1倍→30倍
  • タンパク質分解に使う乳酸菌使用量 1倍(これまで比)→0.2倍(これまで比)

乳酸発酵の匂いが軽減され、食味・香りも良好な試作品ができた。糸状菌抽出液の生産力が約30倍に向上し、お米のタンパク質分解に使う乳酸菌使用量を1/5に減らしてコストを削減した。『低たんぱくごはん』は卸売を通じて病院や介護施設へ販売し、自社サイトでも一般消費者に販売している。展示会や学会で病院や介護施設の関係者に商品を直接知ってもらえる機会も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    乳酸菌を中心とした植物性乳酸菌の開発受託や自社製品の製造販売が述べられ、低たんぱくごはんの開発は既存事業の延長として読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    腎臓病患者の増加や高齢化による低たんぱく需要が背景にあり、競合各社も参入する中での位置づけは読めるが、自社の強みの詳細は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    食味の課題と乳酸発酵の匂い、多量の乳酸菌培養液によるコスト高という課題を明示し、糸状菌の活用で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    乳酸菌使用量を1/5に減らし、生産力が約30倍に向上したとの数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発を担う専門研究員の存在は示されるが、補助事業を遂行する人員や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    腎臓病患者や病院・介護施設向けに販売し、自宅療養患者からの引き合いが多いなど、顧客ターゲットとニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    糸状菌抽出液の量産に向けてオートクレーブや高速冷却遠心機を導入する方針は読めるが、中長期のスケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    低たんぱく食品は各社が開発に参入する分野とあり、一般的な普及度は高いと読めるが、高付加価値化の具体的な水準は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    腎臓病患者や病院食向けの健康需要に応える製品で、病院や介護施設への販売が述べられるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    乳酸菌使用量を1/5に減らしコストを削減し、生産力が約30倍に向上したと書かれ、投入に対する効果の一端は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    糸状菌と乳酸菌を用いた新技術は読めるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述はわずかにうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化や腎臓病患者の増加に対応する健康食品分野への進出は読めるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    新潟県阿賀野市の企業として地域の特性に言及はあるが、地域の雇用や経済成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。