ものづくり補助金平成28年度製造業福井県

地元農産物を使った羽二重餅の、製造安定化に向けた機械装置の導入

新珠製菓株式会社

成果トレー詰め機により従来の手作業による人員をゼロに削減

この事例のポイント

  • 羽二重餅の包装工程は手作業に頼っており、人手が多く必要だった。
  • 羽二重餅の分割から包装まで一連の流れをつなぐ機械による自動化を進めた。
  • トレー詰め機により従来の手作業による人員をゼロに削減。分割から包装までの一貫自動化により、生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名新珠製菓株式会社
所在地福井県 越前市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数31人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

新珠製菓は1970年に越前市の菓子業者が集まって設立された会社である。主力の羽二重餅は売上全体の7割を占め、県内の学校給食にも採用されている。ネット通販「楽天」の羽二重餅部門で1位の実績がある。職人が3時間以上練り上げる熟練の技で他社との差別化を図っていたが、類似品が多く競争が激化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能羽二重餅の包装工程は手作業に頼っており、人手が多く必要だった。
  • 生産能力熟練の職人による練り上げに依存しており、生産量を増やしにくい状況だった。
  • 新製品・新技術類似品が増え競争が激化するなか、独自性のある商品の開発が求められていた。

やったこと

羽二重餅の分割から包装まで一連の流れをつなぐ機械による自動化を進めた。練り上げた生地のかたまりを一個ずつに分割する工程では、生地の状態や温度などの条件を再現し、メーカーと共同で何度もテストを行って分割と整列の機械化を実現した。ロボット対応型のトレーを京都のトレーメーカーと共同で新たに制作し、トレー供給とトレー詰めをロボットで行えるようにした。包装機は最高包装能力135rpmをもつ自動供給機付きの羽二重餅自動包装機を導入し、包装フィルムメーカーと検証を重ねてロボット対応のフィルムに更新した。

  • 加工機羽二重餅自動包装機自動供給機付き、最高包装能力135rpm分割・整列用の自動化機械
  • ロボットトレー供給・トレー詰め用ロボット

新しい製品・サービス:ロボット対応型トレーおよびロボット対応の包装フィルムを用いた羽二重餅の一貫生産と、地域材料を使った多品種の商品。

事業の効果

  • トレー詰め機により従来の手作業による人員をゼロに削減
  • 1時間あたり約2割の生産性向上
  • 1人あたり約5割の生産性向上

分割から包装までの一貫自動化により、生産性が大きく向上した。1時間あたり約2割、1人あたり約5割の向上が得られ、熟練を要する作業の自動化で人員配置の効率化と製造ロス率の減少が進み、原価低減にもつながった。機械の導入で独自性のある商品開発に人員と時間を充てられるようになり、地域材料を使った多品種生産も加速した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性職人が3時間以上練り上げる熟練の味で差別化しているが類似品が多いと記載あり、ネット通販1位と販売力を強みとして挙げている。
  • 4
    課題の認識と解決類似品増加による競争激化を課題として認識し、自動化で生産性を1時間あたり約2割、1人あたり約5割向上させたと具体的に記載している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1時間あたり約2割、1人あたり約5割の生産性向上という数字が成果として示されており、実績ベースで目標の実現性が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制メーカーや包装フィルムメーカー、トレーメーカーと共同で検証した経緯は書かれているが、社内の人材や事務処理体制については記載がない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からの人気商品羽二重餅が売上の7割を占め、ネット通販で1位の実績があると書かれており、既存事業との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    職人が3時間以上練り上げる熟練の味で差別化しているが類似品が多いと記載あり、ネット通販1位と販売力を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    類似品増加による競争激化を課題として認識し、自動化で生産性を1時間あたり約2割、1人あたり約5割向上させたと具体的に記載している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間あたり約2割、1人あたり約5割の生産性向上という数字が成果として示されており、実績ベースで目標の実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    メーカーや包装フィルムメーカー、トレーメーカーと共同で検証した経緯は書かれているが、社内の人材や事務処理体制については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熟練の味による差別化、地域材料商品のアイテム増加、北陸新幹線開通による土産需要増という顧客・需要の見通しが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    メーカーと何度もテストを行い検証しながら機械化を進めた経緯と、今後の展望として生産性向上や製造ロス率減少が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    同じ羽二重餅分野で類似品が多いとされ、差別化のため地域材料を使った多品種生産に取り組んでいることが書かれている。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    地元農産物や地域材料を用いた商品の開発、学校給食への採用など地域経済への寄与がうかがえるが、雇用創出などの具体的記述は薄い。

  • 費用対効果4

    生産性が1時間あたり約2割、1人あたり約5割向上し、製造ロス率減少と原価コストダウンに貢献したと数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    分割から包装・箱詰めまでロボットで連結した一貫自動化と、ロボット対応型トレーや包装フィルムの共同開発が具体的に書かれている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    北陸新幹線開通による土産需要増に触れているが、日本経済の構造転換という観点での記述はない。

  • 地域経済への波及4

    福井の伝統菓子である羽二重餅を地域材料の黄金の梅や東浦みかんと組み合わせ、県内の学校給食にも採用されている点が書かれている。

今後の展望

北陸新幹線の開通で土産品の需要増が見込まれ、地域材料商品の新規開発とネット通販の強化により売上の拡大が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。