ものづくり補助金平成28年度製造業長野県

有望商品の業務用パックの試作開発及び販路拡大のための工程機械化

有限会社酢屋亀本店

この事例のポイント

  • 充填工程の生産性が低く、業務用の受注に対応しきれなかった。
  • 平成28年度補正ものづくり補助金を活用し、自動温度調整機能付きの甘酒糖化タンクと小型秤充填機を導入した。
  • 甘酒の糖度を35%に安定させ、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社酢屋亀本店
所在地長野県 長野市
業種食料品製造業
従業員数44人
資本金1,040万円
設立1902年

事業の背景

酢屋亀本店は1902年創業の味噌醸造蔵で、味噌・味噌加工品・漬物を主力商品としている。二十数年前から販売している糀甘酒は人気商品になり、甘酒をベースにした糀だれも評価が高かった。食品製造メーカーや食品商社数十社が顧客で、食品製造メーカーにはOEM商品を供給している。健康志向の高まりで機能性の高い発酵食品の市場も拡大傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力充填工程の生産性が低く、業務用の受注に対応しきれなかった。
  • 品質・精度原料となる甘酒の品質が安定しにくかった。
  • 新製品・新技術甘酒をベースにした業務用の糀だれの量産体制が整っていなかった。

やったこと

平成28年度補正ものづくり補助金を活用し、自動温度調整機能付きの甘酒糖化タンクと小型秤充填機を導入した。これにより原料となる甘酒の糖度を35%に安定させ、品質向上を図った。また充填工程の生産性と精度を大幅に向上させ、業務用の受注に質・量ともに対応できるようにした。塩糀だれと醤油糀だれの業務用パックの開発と工程機械化に取り組んだ。

加工機自動温度調整機能付き甘酒糖化タンク
加工機小型秤充填機

新しい製品・サービス:甘酒をベースにした塩糀だれと醤油糀だれの業務用パック

事業の効果

甘酒の糖度を35%に安定させ、品質が向上した。充填工程の生産性と精度が大幅に向上し、業務用の受注に質・量ともに対応できるようになった。今後は既存顧客への営業に加え新規顧客の開拓にも力を入れ、量産化を目指している。事業化直後のため飛躍的な成果はまだ見られないが、発酵食の認知と定着により成果が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    二十数年前から甘酒を販売し人気商品になったとあり、味噌醸造の伝統と商品開発の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    発酵食品の市場拡大傾向と、企画力・商品開発力という自社の強みを挙げ、競争優位の根拠が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    業務用受注に対応できたが、課題認識と高付加価値化の定量的な計画は示されず、実効性は一部にとどまる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げの目標値は記載がなく、量産化を目指すという定性的な表現のみ。

  • 事業を進める体制3

    市場の確保・販売・既存顧客への営業と新規開拓に言及しているが、事業遂行の人材や体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    健康志向の発酵食品として「飲む点滴」と位置付け、塩糀だれ・醤油糀だれの用途と顧客(食品製造メーカー等)が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の営業や量産化の方向性は触れられているが、スケジュールや課題解決方法の具体的記述はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    甘酒や糀だれは健康志向で注目されるが、普及度の数値比較はなく、高価格化の記述もない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    発酵食品市場の拡大と地域の味噌産地である点にとどまり、雇用創出など国が補助する理由は乏しい。

  • 費用対効果2

    充填工程の生産性・精度が大幅向上したとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    発酵食品の市場拡大に触れるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見られない。

  • 地域経済への波及4

    長野市の地域の天然水や信州味噌の産地を活かした商品開発であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化を始めて飛躍的な成果はまだ見られないが、発酵食が認知され、調味料としての甘酒加工品が料飲店や一般家庭に定着すれば成果が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。