ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

IoT(Internet of Things)導入設備による製造原価改善と設備 稼働状況の集中把握によるノウハウの数値化データの集成

マルタカゴム工業株式会社

この事例のポイント

  • 原材料のロスを正確に把握できておらず、実必要量と実使用量に差異が生じていたため、歩留まりを高めることが課題だった。
  • 現在の生産設備は数値制御技術が進み、制御方法が管理しやすくなっていることを活用した。
  • 設備毎の稼働や製品との相性などのデータ集積により、暗黙知が見える化され効率的な生産計画立案が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名マルタカゴム工業株式会社
所在地静岡県 磐田市
業種ゴム製品製造業(タイヤ・チューブ製造業 以外)
技術分野機械制御
資本金1.28億円
設立1979年

事業の背景

同社は1979年に浜松市で個人創業し、1982年に法人設立したゴム製品製造企業で、自動車・家電・楽器用のゴム部品を供給している。原材料のゴムは100%化学合成で石油由来のため、原油価格や需要の変動に加えゴム原料価格の影響を強く受ける。2013年にベトナム現地法人開設ライセンスを取得し、2014年8月から生産を開始していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力原材料のロスを正確に把握できておらず、実必要量と実使用量に差異が生じていたため、歩留まりを高めることが課題だった。
  • 人手・技能成形時の微調整は熟練者の勘と経験に頼っており、技術ノウハウの反映が人力に頼る状態だった。
  • 人手・技能海外にも生産拠点を広げる中で、現地駐在員だけでは生産工程の管理・統括が賄いきれず、国内外グループ全体の総合的な管理体制の構築が課題だった。

やったこと

現在の生産設備は数値制御技術が進み、制御方法が管理しやすくなっていることを活用した。IoTシステムを導入して設備の稼働状況を集中把握し、設備毎の稼働や製品との相性などのデータを集積した。従来は技術者に依存していたノウハウを数値化・集積して最適な設定を確立し、展開を目指した。IoTによる常時監視システムを構築し、製造工程でのデータ化・可視化を図った。

ソフトIoTシステム

事業の効果

設備毎の稼働や製品との相性などのデータ集積により、暗黙知が見える化され効率的な生産計画立案が可能になった。設備の常時監視により突発事項へ対応でき、経費と時間のロスが減った。使用原材料のデータ化により個別製品製造時のロスが軽減された。社内設備(海外工場含む)のIoT化により、生産稼働状況の把握や技術の均一化などの生産性向上が今後見込める。製品のトレーサビリティへの要求が高い顧客に安心感を与え、顧客満足度の向上と受注拡大を図る考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として暗黙知の可視化や技能継承の活動が触れられるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ベトナム現地法人や顧客ニーズ優先の体制に触れるが、市場動向と自社の強み・弱みの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    原材料ロスの把握不足や熟練者の勘への依存という課題は示されているが、高付加価値化への道筋は具体性が薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歩留まり改善や生産性向上を目指すとあるが、数値目標や付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内の取組として国内外のグループ管理体制の構築が課題とされているが、人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客のトレーサビリティ要求への対応や顧客満足度向上の狙いは読めるが、ターゲットとニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として国内外への取組拡大が述べられるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ゴム部品の高い評価には触れるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外含むグループ全体の管理強化や生産性向上の波及がうかがえるが、国が支援する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    ロス軽減や経費・時間のロス減少が挙げられるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによるデータ化と常時監視を導入しサプライチェーンでのトレーサビリティ向上を図るとあり、技術活用の方向性は読める。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    IoT活用による生産性向上は読み取れるが、成長分野への進出や構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    浜松・磐田の地域企業であることは読めるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

IoTシステムによる常時監視を構築・活用し、国内外のノウハウ蓄積による好循環のフィードバックが行える体制を目指す。顧客満足度と競争力を高め、更なる受注拡大を図りたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。