ものづくり補助金平成29年度製造業栃木県

革新的ベンド技術の確立とIoTを駆使した生産システムの構築

オグラ金属株式会社

この事例のポイント

  • ベンド加工では付加価値を生まない準備段取り作業が約85%を占めていた。
  • IoTに対応した高性能のハイブリッドドライブベンダー(アマダ製HG1703)を導入し、長尺部品のベンド加工に用いた。
  • 段取り作業の改善により段取時間は目標70%以上削減に対し79%削減を達成し、生産性は目標30%以上向上に対し47%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名オグラ金属株式会社
所在地栃木県 足利市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御,機械制御
従業員数330人
資本金9,900万円
設立1938年

事業の背景

当社は自動車、アミューズメント、住建・住設、環境商品、鉄道車両の各部品で、鉄・アルミ・ステンレスの金属加工を行っている。難加工品や短納期品、大型で高精度が求められる品は国内生産が主流である。IT化やロボット化の進展で半導体製造装置の需要が高まり、当社が受注する大型筐体は年々増加傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ベンド加工では付加価値を生まない準備段取り作業が約85%を占めていた。
  • コスト・採算日報作成やパソコンへの入力など間接作業の割合が高く、労務費の削減と労働生産性の向上が課題だった。
  • 人手・技能高度なベンド作業は熟練者にしかできず、技術の継承が難しかった。
  • 生産能力多品種少量で高精度な長尺物のベンド加工の需要増が予想され、対応できる設備と工程が必要だった。

やったこと

IoTに対応した高性能のハイブリッドドライブベンダー(アマダ製HG1703)を導入し、長尺部品のベンド加工に用いた。ベンド作業を工程分析し、準備段取り作業が約85%を占めることを確認した。新規部品の段取り作業では加工条件を画面から呼び出す方式とプログラム作成を簡略化した。金型セットでは芯出し作業を削減し、ボルト締めを廃止し、長尺部品の試し曲げ作業も廃止した。さらにIoTを駆使した生産管理システムを構築し、日報やパソコン入力などの間接業務を合理化した。

加工機ハイブリッドドライブベンダー HG1703(アマダ)
ソフトIoTを駆使した生産管理システム

事業の効果

段取り作業の改善により段取時間は目標70%以上削減に対し79%削減を達成し、生産性は目標30%以上向上に対し47%向上した。間接業務の合理化では間接作業工数を目標40%以上削減に対し42.9%削減し、いずれも目標値を上回った。ベンド機の自動補正機能により、熟練者しかできなかった高度な作業が短い研修期間を経た新人にも可能になり、技術継承にも大きな効果があった。自動化により労働者不足への対応力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品など5業界で金属加工を行い、大型筐体の受注増を背景に今後の経営の柱と位置づけている。過去の取組との連続性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体製造装置向け大型筐体の受注増という外部環境と、難加工品への対応力を示しているが、競争優位の根拠となる数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    準備段取り作業が約85%を占めると工程分析で課題を特定し、段取削減や間接業務の合理化で生産性向上を図った点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    段取時間70%以上削減の目標に対し実績79%削減、生産性30%以上向上の目標に対し実績47%向上と、数値目標と達成実績が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    IoT生産管理システムの構築や新人でも作業できる点はうかがえるが、推進体制や人材配置の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型筐体の需要増と多品種少量・高精度の長尺ベンド加工というニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    段取削減と間接業務合理化の二本立てで進めた流れは読み取れるが、スケジュールや中長期の検証過程の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度な長尺物のベンド加工に高性能機を導入したとあるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    半導体製造装置や大型筐体の需要増と雇用安定に触れているが、波及効果や社会インフラとしての国の関与は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性向上率や工数削減率は示されているが、補助金投入額と付加価値増加額の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ITを活用した生産管理システムや自動補正機能で技術継承を図る点はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    大型筐体製造という成長分野への経営資源投入はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2019年は「未来創造」を全社スローガンに掲げ、社業を150年、200年と継続するための方法を創る年と位置付けている。LEDによる花の開花・生長制御システムや美容関係商品の開発・販売、災害時に現場で活躍するロボットの開発にも取り組んでいる。

事業者の声

金属加工にできないものはない!

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。