ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

汎用ホルダーで活用できる超長尺かつ再生紙100%のトイレットペーパーの製造方法の確立

松菱製紙株式会社

成果トイレットペーパーの超長尺品の長さ 130m→250m

この事例のポイント

  • パルプ製品に劣らない超長尺の再生紙100%トイレットペーパーの製造方法が確立されていない。
  • 本事業では、汎用ホルダーで使えるパルプ製品に負けない超長尺(250m)かつ環境性の高い再生紙100%のトイレットペーパーの製造方法を確立した。
  • トイレットペーパーの超長尺品の長さ 130m→250m。汎用ホルダーで使えるパルプ製品に負けない超長尺で環境性の高い再生紙100%トイレットペーパーを開発し、長尺品市場に古紙…

事業者のプロフィール

事業者名松菱製紙株式会社
所在地静岡県 富士市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野情報処理,精密加工
資本金2億円
設立1975年

事業の背景

当社は昭和20年創業で、古紙を原料とした再生紙のトイレットペーパーを製造し、商社や業務用専業者へ販売している。国内で生産・消費されるトイレットペーパーは元々古紙100%製品が大半だったが、木材から得られるパルプ100%製品のシェアが徐々に拡大してきた。業務用では巻長200mを超える長尺品の多くがパルプ製品で、古紙製品は引張り強度の面から長尺品に不向きとされてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術パルプ製品に劣らない超長尺の再生紙100%トイレットペーパーの製造方法が確立されていない。
  • 品質・精度超長尺品は加工段階で巻取り径120mm以下が絶対条件のため、大きな引張り強度が求められるが、古紙製品は引張り強度がパルプ製品に劣る。
  • 生産能力超長尺製品の生産では、ロスを抑え機械の停止時間を減らすために、ワインダーへの指示を数値化して管理する必要があった。

やったこと

本事業では、汎用ホルダーで使えるパルプ製品に負けない超長尺(250m)かつ環境性の高い再生紙100%のトイレットペーパーの製造方法を確立した。製造段階では、紙幅方向の均一性(紙厚・坪量・しわ)を重視して原反を製造した。生産効率を高めるため、ワインダー内センサーで各回転体の速度や巻取り長さを検出し、PC内に運転監視データを蓄えて稼働状況を自動監視する生産管理システムを導入した。これにより効率的な製品管理と生産管理を行えるようにした。

ソフト生産管理システム(ワインダー内センサー・運転監視データ管理)

新しい製品・サービス:汎用ホルダーで使用できる超長尺(250m)かつ再生紙100%のトイレットペーパー

事業の効果

  • トイレットペーパーの超長尺品の長さ 130m→250m

汎用ホルダーで使えるパルプ製品に負けない超長尺で環境性の高い再生紙100%トイレットペーパーを開発し、長尺品市場に古紙利用を広げる取り組みとなった。これにより新たな市場が創出され、地域経済と雇用の支援につながると見込んでいる。また、長尺品に注目が集まることで災害時の備蓄意識の醸成にもつながると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    古紙利用を重視する創業以来の姿勢や環境方針は読み取れるが、本事業の位置付けや経営戦略上の明記はない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    パルプ製品に対する長尺・強度面の競争課題と、古紙製品で汎用ホルダー対応を目指す方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    長尺品市場への参入という課題認識はあるが、高付加価値化や収益につながる具体的な計画数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    250mという長尺の目標値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    生産管理システム導入や古紙受入から製品化までの工程説明はあるが、人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    汎用ホルダーで使えるパルプ並みの長尺品という価値と、災害備蓄・業務用の顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製造段階の課題と生産管理システムによる対応は書かれているが、スケジュールや中長期の検証は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    パルプ製品が主流の長尺トイレットペーパー分野で、古紙100%の製品を高水準の長尺品として開発している点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    古紙利用による資源有効活用や災害備蓄への貢献、地域経済と雇用への支援が述べられているが定量的ではない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果はうかがえるが読み取れる根拠は少ない。

  • イノベーションへの貢献3

    ワインダー内センサーによる運転監視データのPC管理は取り入れているが、サプライチェーン全体への波及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    古紙利用による森林資源負荷の低減という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    富士市の良質な水源や地域経済・雇用への支援に言及しており、地域特性の活用がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。