ものづくり補助金平成28年度製造業三重県

食品の成分等を保持する菓子製造工程の高度化事業

株式会社アクアイグニス

成果製造時間(400個換算) 145分→110分

この事例のポイント

  • 菓子の一部工程を手作業または手動ミキサーで撹拌しており、製造のリードタイムが長く、カスタード生地にバラつきが出ていた。
  • 伊勢茶「鈴鹿山」の抹茶を加えたカスタードを、フランス産とオーストラリア産のクリームチーズと組み合わせた製品の撹拌工程について、撹拌技術の高度化に取り組んだ。
  • 製造時間(400個換算) 145分→110分。撹拌技術の高度化により生産性と品質が改善され、製造リードタイムの短縮が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アクアイグニス
所在地三重県 三重郡菰野町
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数80人
資本金9,000万円

事業の背景

同社は三重郡菰野町で温泉、宿泊、飲食などの複合事業を行い、来場者は年間100万人を超える。伊勢海老パイに続く新たなお土産製品として、三重県の主要生産物である伊勢茶を使った製品シリーズを開発していた。新製品「伊勢茶チーズタルト・キュイット」は販売が好調だったが、製造工程に問題を抱えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力菓子の一部工程を手作業または手動ミキサーで撹拌しており、製造のリードタイムが長く、カスタード生地にバラつきが出ていた。
  • 品質・精度現有設備で高速撹拌すると100℃以上の加熱で伊勢茶特有の色合いや香りが損なわれ、ビタミンなどの成分も失われていた。

やったこと

伊勢茶「鈴鹿山」の抹茶を加えたカスタードを、フランス産とオーストラリア産のクリームチーズと組み合わせた製品の撹拌工程について、撹拌技術の高度化に取り組んだ。製造時間を測定し、400個で145分の現状から800個で110分にすることを目標とした。コストは400個あたり7,200円から2,700円とし、4,500円の改善を検証する計画とした。品質については社内での試食検討を行い、香りや色合い、口どけを評価した。ビタミンなどは消費科学研究所に分析を依頼し、定量的に検証する計画とした。

新しい製品・サービス:伊勢茶サブレ

事業の効果

  • 製造時間(400個換算) 145分→110分
  • 製造コスト(400個あたり) 7,200円→2,700円

撹拌技術の高度化により生産性と品質が改善され、製造リードタイムの短縮が見込まれる。伊勢茶特有の色合いや香り、ビタミンなどの成分を守りながら、三重県の新たなお土産製品を実現できる。新製品「伊勢茶サブレ」は2017年の「お伊勢さん菓子博2017」に合わせて発売された。伊勢茶製品のシリーズ化により、全国的に低位にある三重県のお茶ブランドの活性化にも貢献すると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    伊勢茶を使った菓子シリーズの開発と製造の課題が述べられるが、事業の経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    三重県の主要生産物である伊勢茶のブランド力向上や、伊勢海老パイに続く土産製品という位置付けが読み取れるが、市場動向との関係は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業と手動ミキサーでリードタイムが長く、カスタードのバラつきが出る課題を挙げ、撹拌技術の高度化で改善する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造時間を400個145分から800個110分へ、コストを400個あたり4,500円改善する数値目標が示され、検証方法も明記されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    伊勢茶の香りや色合い、口どけ、チーズとの組み合わせといった製品の特長や販売好調の事実は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試食検討や消費科学研究所への分析依頼、納期・コストの検証方法が示されるが、中長期のスケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    伊勢茶を使った高付加価値の菓子であることはうかがえるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    三重県の特産品ブランド力向上や地域への波及効果、100万人の集客力に言及しており、地域経済への寄与が述べられている。

  • 費用対効果4

    製造時間の短縮から400個あたり4,500円の改善を示し、費用対効果が具体的な数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    撹拌技術の高度化による製造工程の改善は述べられるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は見られない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    三重県の伊勢茶の価格やブランド力が低い課題を挙げ、地域の特産品を活かした土産製品で地域経済を引き上げる狙いが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

伊勢茶は品質や栽培の安定性で全国有数の産地を支えているが、価格とブランド力は他産地より低く、事業者の高齢化など地場産業としての課題も抱えている。同社の新技術と新事業により伊勢茶の活用方法を示し、製茶業や伊勢茶利用の活性化が期待される。100万人の集客力を活かしたPRで、伊勢茶のブランド力向上も期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。