ものづくり補助金平成28年度製造業京都府

医療機器用精密部品の短納期化に向けた生産体制強化計画

株式会社草川精機

成果納期 14日→10日

この事例のポイント

  • 医療機器などの開発競争で仕様変更やモデルチェンジが頻繁に起こり、製品リードタイムが短期化する傾向にある。
  • 生産体制の情報を一元管理できる基幹系生産管理システム(株式会社テクノアのTECHS-BK)を導入した。
  • 納期 14日→10日。システム導入により製品別の原価が明確になり、正確な見積りができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社草川精機
所在地京都府 京都市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理
従業員数32人
資本金3億円
設立1984年

事業の背景

1962年創業の金属切削加工会社で、医療機器、半導体・液晶装置、薬品製造装置などの製造会社を主要取引先とする。2002年にISO9001を取得し、「全数良品主義」を掲げて高信頼性の加工部品を作り続けてきた。主力は医療機器部品、半導体・液晶製造装置部品などで、特に医療機器では開発競争が激しく、頻繁な仕様変更やモデルチェンジが繰り返されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程医療機器などの開発競争で仕様変更やモデルチェンジが頻繁に起こり、製品リードタイムが短期化する傾向にある。
  • 納期・工程多品種少量・短納期化に応えるため、さらに安定した供給体制を築く必要が生じていた。
  • その他各部門が個別にIT化を進めていたため、データが部門ごとに分散し、全社の情報共有が不十分だった。
  • 納期・工程部門間で業務の重複や漏れが起き、生産効率が悪化していた。
  • コスト・採算生産工数や不良率などの原単位情報が不足し、収益確保に向けた適切な原価管理ができていなかった。

やったこと

生産体制の情報を一元管理できる基幹系生産管理システム(株式会社テクノアのTECHS-BK)を導入した。選定にあたっては、計算ソフトからのデータ取り込みが直接可能なこと、バーコードで材料受け入れ・在庫トレース・進捗管理ができ全体の生産状況を把握できることなどを評価した。生産管理・製造・業務・総務経理の選抜メンバーによるプロジェクトチームを結成し、業務内容の抜本的見直しや帳票類の全面刷新を行い、必要なデータ項目を整理して作業工数や工程内不良率の目標を設定した。さらに、システム会社の教育プログラムに参加した従業員が社内で他の従業員を教育する仕組みを構築した。

ソフト生産管理システム(TECHS-BK)
その他ハンディーターミナル
その他バーコードシステム

事業の効果

  • 納期 14日→10日

システム導入により製品別の原価が明確になり、正確な見積りができるようになった。原価管理の仕組みが構築され、データに基づく冷静な議論が根付いて会議が活性化し、社員一人ひとりが会社利益を意識して行動するようになり企業風土が一新した。工程改善では不良分析グラフや工程負荷問合せ機能を活用し、迅速な対策と適切な作業指示が可能になった。外注の内製化など柔軟な生産体制によりコストダウン効果も得られ、納期短縮によってお客様との関係強化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    全部門のIT化が部門単位にとどまっていた経緯と、生産管理システム導入が経営課題の解決に位置づけられている点は読み取れるが、戦略との関係の明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    外部環境や市場動向の記述はなく、医療機器分野の熾烈な開発競争に触れる程度で、自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    データ未整理や原価管理不備という課題を挙げ、導入後に納期を14日から10日に短縮した具体的な数字が示されており、課題と効果が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納期14日から10日への短縮という数値目標に対する実績が示され、原価管理で工数や工程内不良率の目標を設定したと書かれている。

  • 事業を進める体制4

    選抜メンバーによるプロジェクトチームを結成し、従業員が社内で他の従業員を教育する仕組みを構築したと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期や高精度加工が強みと書かれ、医療機器などの顧客層は示されているが、選ばれる理由は『納期・品質』として概略的にしか整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    業務内容のたな卸し、社内教育、毎月の研修継続など進め方は書かれているが、中長期スケジュールや課題の検証方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高精度・高品質の加工を得意とすると書かれるが、同分野での普及度や高価格化の水準を示す記述はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や半導体分野の製品供給に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    コストダウン効果や原価の見える化は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    生産管理システムの導入による情報の一元管理や、小型化・高度化への対応が書かれ、デジタル活用の取組はうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医療機器・半導体分野への対応が書かれるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、小型化・高度化が進み、低コスト・短納期・安定供給が求められるため、本システムの重要性は一層高まると予想している。蓄積されたデータを活用して経営戦略を構築し、総合的な生産能力の向上を目指す。

事業者の声

ものづくりは、人づくり、しくみづくりから

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

香川県製造業平成27年度

最新製版機の導入による効率化とコスト削減

生産能力が現有製版機の約3倍となる最新製版機を導入し、製版工程の生産性向上と、それに伴う製版作業の残業低減を図った。

効果:製版機の生産能力 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。