ものづくり補助金平成29年度製造業東京都

納豆製造ラインの食の安全性の追求と増産体制構築による生産性の向上

株式会社登喜和食品

成果納豆1アイテム(5,000パック)あたりの生産時間 100分→63分

この事例のポイント

  • 取引先から特に有機JASの納豆の増産を求められていたが、従来の設備では品質を維持しつつ増産することが難しかった。
  • 有限会社フォースの納豆間欠充填機を導入し、充填からパックまでを自動化した。
  • 納豆1アイテム(5,000パック)あたりの生産時間 100分→63分。新設備導入後、納豆の生産時間が約100分から63分に短縮され、生産能力は約1.6倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社登喜和食品
所在地東京都 府中市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数25人
資本金1,500万円
設立1949年

事業の背景

昭和24年に多磨納豆製造所として創業し、平成11年からすべての納豆製品に国産大豆のみを使用する体制を整えて、農家との信頼関係を大切にしてきた。消費者の健康志向や安全志向の高まりにより、健康効果が期待できる納豆の需要が拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑取引先から特に有機JASの納豆の増産を求められていたが、従来の設備では品質を維持しつつ増産することが難しかった。
  • 品質・精度計量作業が熟練者の経験と勘による手作業だったため、計量精度と品質の安定が課題だった。
  • 生産能力高齢者の誤飲防止として市場ニーズが高いひきわり納豆のラインナップを拡充し、生産力を増強する必要があった。

やったこと

有限会社フォースの納豆間欠充填機を導入し、充填からパックまでを自動化した。これにより増産を実現するとともに、計量の精度を向上させて品質の安定を目指した。また、ひきわり納豆のラインナップを拡充する取組みを行い、生産力の増強を図った。

加工機納豆間欠充填機

事業の効果

  • 納豆1アイテム(5,000パック)あたりの生産時間 100分→63分
  • 生産能力 1倍→1.6倍
  • 品質不良率 6%→2%
  • 計量誤差 10g→1g

新設備導入後、納豆の生産時間が約100分から63分に短縮され、生産能力は約1.6倍に向上した。品質不良率は6%から2%以下に下がり、計量誤差は10gから1g未満へ改善した。大豆充填工程では計量が自動化されて作業が標準化され、作業に従事できる人員の幅が広がった。令和2年には小売での注文件数が前年比2割増となったが、それにも対応できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成11年から国産大豆のみの納豆製造を貫き、平成26年に有機JAS認証を取得したとあり、一貫した取組が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先から有機JAS納豆の増産を求められ、独自納豆菌や農家との長期契約を強みとして競争優位を確立したと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来設備では品質を保った増産が難しいという課題を挙げ、間欠充填機導入で生産時間を100分から63分に短縮したと記載されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産時間100分から63分、生産能力約1.6倍、品質不良率6%から2%以下、計量誤差10gから1g未満と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢者の誤飲防止として需要が高いひきわり納豆の拡充や、安全・安心の納豆という顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新設備導入後の展開や今後の方針は述べられているが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    納豆の中でも有機JASや高付加価値のひきわり納豆に注力し、高付加価値化を図っていることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    大豆食品の摂取と死亡リスクの関係を示す研究を引き、国産大豆と農家との体制維持が社会的意義として述べられている。

  • 費用対効果4

    生産時間短縮と能力1.6倍、不良率の大幅改善など設備投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    充填から包装まで自動化した設備の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    府中市の企業で国産大豆と農家との連携を軸に地域の農業を守る姿勢は読み取れるが、地域経済への波及効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

健康志向の高まりを背景に、高付加価値の納豆のニーズは今後ますます高まると予想される。大豆生産農家と二人三脚の生産体制を大切に守り、安全・安心の納豆を届けていく。

事業者の声

農家の方が安心して生産を続けられることが、私たちの安定にも直結しますので、仕入値は農家の方に決めてもらい、長くお付き合いいただいています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。