ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

リードタイム10%短縮を実現する生産プロセス構築による橋梁事業強靭化計画

株式会社北都鉄工

成果橋梁の工場製作リードタイムを10%短縮することを目指した。

この事例のポイント

  • 添接板の穴明工程がネック工程となり、全体工程のラインバランスが悪かった。
  • タケダ機械(株)製の最新型オートボーラー ABP-1530G を導入し、添接板穴明加工の能力アップと連続無人運転化を図った。
  • 橋梁の工場製作リードタイムを10%短縮することを目指した。橋梁の工場製作リードタイムの短縮に加え、ラインバランスの向上による標準総作業時間の削減、出来形品質の向上、環境負荷の低…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社北都鉄工
所在地石川県 白山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数120人
資本金9,000万円
設立1958年

事業の背景

当社は石川県唯一の鋼橋メーカーとして、地域インフラを支える役割が求められている。添接板の穴明工程は構造物全体の寸法誤差を吸収する重要な役割を果たすが、全体組立後に行うことが多く、作業が一度に集中していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力添接板の穴明工程がネック工程となり、全体工程のラインバランスが悪かった。
  • 人手・技能穴位置の確定後に作業負荷が一度に集中し、時間外労働が増え、後工程が待機となっていた。
  • コスト・採算受注案件の規模に左右されず安定した収益を確保するため、コスト競争力の強化が必要だった。

やったこと

タケダ機械(株)製の最新型オートボーラー ABP-1530G を導入し、添接板穴明加工の能力アップと連続無人運転化を図った。8種類の板を各ステージごとに複数枚重ねて自動運転による穴明のテスト加工を行い、設定した切削長により工具を自動で交換する機能も有効に働くことを確認した。石川県工業試験場の支援を受けてテスト加工品の穴ピッチ間隔を三次元測定機で計測し、良好なデータを得た。設計部門と情報の共有化を図り、寸法確定前に加工プログラムを作成、計測後は即時に確定寸法値を加工プログラムに反映させるよう作業標準化を推進した。生分解性切削油の採用や循環方式の改善、工具の消耗度合いを判定することで長寿命化を図った。

加工機タケダ機械(株)製 オートボーラー ABP-1530G

事業の効果

  • 橋梁の工場製作リードタイムを10%短縮することを目指した。

橋梁の工場製作リードタイムの短縮に加え、ラインバランスの向上による標準総作業時間の削減、出来形品質の向上、環境負荷の低減といった期待していた成果を得た。現在は全ての橋梁物件で有効に機能しており、今後は添接板以外の穴明工程の自動運転化も検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    添接板穴明工程の能力向上を目的とした設備導入と読めるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    石川県唯一の鋼橋メーカーという立場や安定収益の確保が述べられるが、競合との比較や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    添接板穴明工程が全体のネックで、後工程の待機や時間外労働が課題と具体的に示され、リードタイム10%短縮の目標もあり、課題認識は明確。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム10%短縮の目標を掲げ、実施後の成果として短縮や標準総作業時間の削減が得られたと記載されている。数値の実績は明記されていない。

  • 事業を進める体制2

    石川県工業試験場の支援を受けたことや、オペレータの習熟度向上が書かれるが、体制や人材の確保状況は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    大型鋼構造物に特化した事業と主要取引先は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は読み取れない。

  • 事業化までの道筋3

    4つのテーマ、テスト加工、設計と製作の情報共有など遂行方法は段階的に書かれるが、スケジュールや期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    大型鋼構造物の製造に特化していると書かれるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述はわずか。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域インフラを支える鋼橋メーカーとしての役割が述べられるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    リードタイム短縮や作業時間削減などの成果は書かれるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    設計データと製作データの同期化や三次元設計データのシミュレーション活用を検討すると書かれ、デジタル活用の方向性は読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県唯一の鋼橋メーカーとして地域インフラを支える役割が書かれ、地域性は読み取れるが、雇用や成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は労働力不足が懸念される中で、添接板以外の穴明工程の自動運転化を検討している。DXを活用して労働生産性を高めることも重要な課題と位置付け、設計データと製作データの同期化や三次元設計データの活用によるシミュレーション効果にも注目している。

事業者の声

当社は令和6年2月に創業90周年を迎えることができました。これもひとえに皆様のご愛顧の賜物と、心より感謝申し上げます。今後もコア技術である大型鋼構造物の製造技術に一層の磨きをかけ、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。