ものづくり補助金平成29年度製造業長野県

新たな乳酸菌の発酵による無糖の飲むヨーグルトの生産体制の確立

株式会社信州市田酪農

この事例のポイント

  • 健康志向の強い顧客から砂糖の入らない飲むヨーグルトを求める根強い要望があったが、それに応えられていなかった。
  • 既存製品の乳酸菌発酵温度が40度であるのに対し、低い36±1度が無糖の飲むヨーグルトに最適であることを突き止めた。
  • 専用の乳酸菌培養設備と発酵温度調整設備を設置したことで、新発見の乳酸菌による無糖の飲むヨーグルトの安定した生産体制が確立された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社信州市田酪農
所在地長野県 下伊那郡高森町
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数10人
資本金3,893万円
設立1995年

事業の背景

株式会社信州市田酪農は、高森町を中心とする飯田下伊那地域の酪農家が組織した会社で、生乳ならではのコクととろみを持つ飲むヨーグルト「いちだヨーグルト」を主力としている。売上の8割を飲むヨーグルトが占め、地元スーパー、宅配、学校給食、全国通販などのルートで販売している。戦後の飯田下伊那地域では生乳を大手メーカーに出荷する体制が長く続いていたが、1966年に高森町の酪農家が独立して新生市田酪農組合を設立し、これが同社のルーツとなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術健康志向の強い顧客から砂糖の入らない飲むヨーグルトを求める根強い要望があったが、それに応えられていなかった。
  • 新製品・新技術乳酸菌の発酵作用だけで自然な甘味を持つ飲むヨーグルトを開発する技術が未確立だった。
  • 生産能力生き残りのため、生産ラインの再構築や新たな商品パッケージの研究などの取り組みが急務となっていた。

やったこと

既存製品の乳酸菌発酵温度が40度であるのに対し、低い36±1度が無糖の飲むヨーグルトに最適であることを突き止めた。平成29年度補正ものづくり補助金を活用し、「無糖の飲むヨーグルト」専用の乳酸菌培養装置と発酵温度調整設備を導入した。これらを製造室に設置し、乳酸菌の最適な発酵温度を長時間保てるようにした。これにより、味、色、飲みやすさなどの課題をクリアし、安定した生産体制を構築した。

その他無糖の飲むヨーグルト専用の乳酸菌培養装置
その他発酵温度調整設備

新しい製品・サービス:無糖の飲むヨーグルト(いちだヨーグルトNS)

事業の効果

専用の乳酸菌培養設備と発酵温度調整設備を設置したことで、新発見の乳酸菌による無糖の飲むヨーグルトの安定した生産体制が確立された。これにより、今後の受注に対応できるようになった。乳酸菌発酵だけで自然な甘味を出す無糖化に成功し、健康志向の顧客の要望に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1966年の酪農家独立や1995年の工場建設、宅配・通販の販路拡大など事業の経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    無糖需要の根強さや独自の乳酸菌・濃いとろみ技術が書かれ、強みは読み取れるが、市場規模や競合との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    生産ラインの再構築や直販スペース、パッケージ研究など課題認識はあるが、付加価値向上や成長への数値目標は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    富永社長のもと酪農家が設立し従業員10名と記載があるが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無糖の飲むヨーグルトで砂糖不使用を求める顧客の根強い要望があり、ニーズの裏付けと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    発酵温度36±1度の発見や設備導入など経緯はあるが、今後の遂行スケジュールや課題解決方法の記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存製品の40度より低い36±1度の発酵温度で無糖化を実現した点や、濃いとろみは他社では難しいと書かれ、高水準の差別化がうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の酪農家や宅配・学校給食を通じた地域内の経済循環はうかがえるが、国が補助する積極的理由は記載されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    飯田下伊那地域の酪農家が組織し、地域の生乳のコクを活かした飲むヨーグルトで地域の雇用と販路を支えている点が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

すでに着手している本社工場での直販スペースづくりに加え、生産ラインの再構築や新たな商品パッケージの研究などに取り組み、生き残りをかけた事業展開を進める方針である。

事業者の声

「宅配、通販など消費者と直結した事業展開で消費者からの声がすぐに届く。それが励みです」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。