ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

高級パッケージ用紙材の加工方法改革による付加価値向上計画

株式会社ユーシ・イレブン

成果Vカット速度 80ショット/時→800ショット/時

この事例のポイント

  • 需要拡大に伴う顧客の生産体制の増強と変種変量生産への対応のため、パッケージ製作の生産速度を上げる必要があった。
  • 高性能な2枚刃のVカットマシンを導入し、位置決め精度を高く保つスポッター機能を用いた。
  • Vカット速度 80ショット/時→800ショット/時。Vカットの生産速度が従来の10〜20倍に向上し、加工の習熟が進んでいない状態でも高速加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ユーシ・イレブン
所在地静岡県 富士宮市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,精密加工
資本金1億円
設立1991年

事業の背景

同社は高級ブランドの化粧品、洋酒、洋菓子、チョコレートなど高付加価値商品のパッケージを製作する紙器加工会社である。iPhoneのパッケージ登場以降、角を鋭利にする高級パッケージの需要が他の高級ブランドにも広がった。スマートフォンやウェアラブルウォッチの案件は短期間に大量オーダーが入り、すぐに無くなる変種変量生産への対応が迫られていた。取引先が生産体制を増強したことで、同社も内箱のVカットの高速化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要拡大に伴う顧客の生産体制の増強と変種変量生産への対応のため、パッケージ製作の生産速度を上げる必要があった。
  • 人手・技能熟練工の力に頼る加工では変種変量のオーダーに対応しきれず、誰でも高精度かつ高速に加工できる仕組みが必要だった。
  • コスト・採算紙の4隅の抜き加工を1つずつ人手で行っており、工数がかかっていた。
  • 生産能力従来の彫刻刀のような1枚刃のVカット機構では、オーダーが増えるほど刃具の交換やメンテナンスの労力が生じていた。

やったこと

高性能な2枚刃のVカットマシンを導入し、位置決め精度を高く保つスポッター機能を用いた。2枚刃の刃具の角度を変えて設定することで、柔軟に角度を変えながら様々な形状のカットを行えるようにした。試作を繰り返し、社内でノウハウを共有した。紙の4隅の抜き加工は、4隅を裁断した紙をVカットする方式から工程を改善し、工数を短縮した。地元製紙会社等と連携し、カタログスペックの1mm未満(最薄0.3mm)の紙までVカットを行う技術を用いて、新たな形状のパッケージ開発にも取り組んだ。

加工機Vカットマシン(2枚刃、スポッター機能搭載)

新しい製品・サービス:現在までに流通していない新たな形状のパッケージ

事業の効果

  • Vカット速度 80ショット/時→800ショット/時
  • 生産速度の上昇倍率 1倍→10倍

Vカットの生産速度が従来の10〜20倍に向上し、加工の習熟が進んでいない状態でも高速加工が可能になった。紙の4隅の抜き加工における工数が短縮され、作業効率が劇的に改善した。その結果、大量ロット・短納期の案件の受注につながった。展示商談会への出展を通じて高付加価値パッケージのニーズを掘り起こし、販路拡大にも取り組んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    高級パッケージの角を鋭利にするVカット加工に20年以上取り組んできた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    iPhoneなど高級ブランドの需要拡大と変種変量生産への対応が背景にあるが、競争優位の定量的な裏付けは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工依存の限界と抜き工程の手作業という課題を認識し、Vカットマシンと工程改善で解決する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1時間あたりVカットが最大80ショットから800ショット以上へ、10〜20倍の速度上昇を確認したと数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    試作の繰り返しやノウハウの共有化は書かれるが、人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大量ロット・短納期の受注につながった点や展示商談会での高付加価値パッケージのニーズ掘り起こしが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作を繰り返し社内ノウハウを共有したとあるが、スケジュールや課題解決の段取りは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    角を鋭利にする高級パッケージ分野で、0.3mm厚までのVカットを可能にするなど同分野で高水準の加工を行う内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域行政や地元製紙会社との連携に触れるが、経済波及や雇用創出の規模は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産速度10〜20倍と工数短縮が示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新技術で新形状パッケージ開発に取り組むとあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富士宮市の地元製紙会社と連携している点は地域性がうかがえるが、地域経済の牽引としての規模は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

技術の確立により、現在までに流通していない新たな形状のパッケージ開発を含め、パッケージのさらなる可能性を追求する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。