ものづくり補助金平成29年度建設業滋賀県

テント・シート材の溶着・縫製加工における大幅な生産性向上

株式会社オオハシテント

この事例のポイント

  • 旧式のウエルダーでは溶着による大判化に途方もない時間がかかり、大判化シートは外注せざるを得なかった。
  • 補助事業では山本ビニター株式会社製の高周波ウエルダー2機種(大型膜用のCANET-8UW、小型膜用のCANET-5A)を導入した。
  • これまで外注していた大判化シートを社内で製造できるようになり、作業を内製化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オオハシテント
所在地滋賀県
業種設備工事業
技術分野接合・実装,立体造形,材料製造プロセス
設立1926年

事業の背景

創業は昭和元年(大正15年)で、テントの製造・施工を手がける老舗の会社である。テントは感染症対策や熱中症対策など多くの場面で使われている。近年はドーム型スタジアムなど膜構造物の技術が進み、身近なテントも大型化・大判化したテント・シートが必要になってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧式のウエルダーでは溶着による大判化に途方もない時間がかかり、大判化シートは外注せざるを得なかった。
  • 品質・精度テント地の大判化をミシン縫いで行うと針の孔から漏水するおそれがあり、屋外で雨漏りがあってはならない製品の要求に応えにくかった。

やったこと

補助事業では山本ビニター株式会社製の高周波ウエルダー2機種(大型膜用のCANET-8UW、小型膜用のCANET-5A)を導入した。高周波加熱でテントシート2枚の重なり部分を溶着し、つなぎ目をしっかりと溶着して強度を保ち、漏水を防止できるようにした。導入した設備により大判化シートを社内で製造できるようになった。作業全般を自社で行い、材工一体販売を特長としている。

加工機山本ビニター株式会社製高周波ウエルダー CANET-8UW(大型膜用)
加工機山本ビニター株式会社製高周波ウエルダー CANET-5A(小型膜用)

事業の効果

これまで外注していた大判化シートを社内で製造できるようになり、作業を内製化できた。溶着によりシートのつなぎ目が強度を保ち、漏水を防止できるようになった。若い社員が自ら技術を研鑽できる機会が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業昭和元年の老舗で、若い時から溶着技術を磨いてきた経緯があり、既存の技術の延長線上の取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    溶着で大判化できず外注していた課題を、社内で大判化シートを製造できる設備導入で克服する方向性が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    旧式ウエルダーでは外注せざるを得なかった課題を認識し、最新鋭設備の導入で解決する構成になっている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    高付加価値や賃上げの目標値は記載されておらず、数値による目標は読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    若い社員が技術を研鑽できる機会が増えたと述べられているが、事業遂行体制の具体は書かれていません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    漏水防止や大判化シートの製造ができる設備であり、膜天井や透明間仕切りなど用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後に社内で大判化シートを製造できるようになったとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型・大判化したテント・シートの需要増加に触れているが、同分野での高付加価値化の水準は数値で示されていません。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    感染症対策や熱中症対策など社会への貢献が述べられているが、国が補助する波及効果の記述は限定的です。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は記載されていません。

  • イノベーションへの貢献2

    高周波ウエルダーの導入は示されているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    膜構造物技術の進展に伴う大型化への対応は述べられているが、日本経済の構造転換への言及はありません。

  • 地域経済への波及1

    地域の特性を活かした雇用創出や地域経済の成長に関する記述は見当たりません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

数年前までは、シートを大判化するには、2枚のシートを接合するミシン縫いでした。しかし、ミシン縫いでは針の孔が空くので、そこから漏水します。それを解決する手段として、溶着(ウエルダー)技術が普及してきました。溶着は、2枚のシートの端を少し重ねて、両方のシートを微妙に溶かして一枚モノにする技術です。熟練の技が必要なので、私も若い時から技術を磨いてきました。補助事業で最新鋭設備を導入できたおかげで、社内で大判化シートを製造することができるようになりました。そしてなにより、若い社員が自ら技術を研鑽できる機会が増えたのがありがたいです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。