ものづくり補助金平成29年度製造業和歌山県

フィーレ定塩加工技術の導入および味付加工フィーレの開発

丸長食品加工株式会社

成果従来の食塩漬けに比べて食塩の使用量等が大幅に削減できた。

この事例のポイント

  • 切り身にしてから塩水漬けする従来の方法では切り口の角が丸くなり、見た目を重視する量販店等での取り扱いが難しかった。
  • フィーレ(半身の状態)のまま均一に塩水を加える定塩フィーレ加工技術を導入することを目標に、フィッシュインジェッターを導入した。
  • 従来の食塩漬けに比べて食塩の使用量等が大幅に削減できた。塩分のムラが抑えられ、針跡もつきにくくなり、ドリップとして流出していたうま味や脂分がほとんど出ないためふっくらとした食…

事業者のプロフィール

事業者名丸長食品加工株式会社
所在地和歌山県 田辺市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,製造環境
従業員数50人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

同社は1986年設立の食品加工会社で、多種多様な水産物を扱い加工魚の美味しさを追求してきた。鮭類では塩味が食味を左右するが、加工現場では塩水漬けが一般的で、塩水濃度や温度、浸漬時間などはメーカーごとのノウハウで行われていた。同社は1991年(平成3年)に切身定塩加工法を確立し、全国的に普及したものの、切り身にしてから漬けるという方法には前述の課題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度切り身にしてから塩水漬けする従来の方法では切り口の角が丸くなり、見た目を重視する量販店等での取り扱いが難しかった。
  • 品質・精度漬け込みによってうま味成分が流出することにも注意が必要だった。

やったこと

フィーレ(半身の状態)のまま均一に塩水を加える定塩フィーレ加工技術を導入することを目標に、フィッシュインジェッターを導入した。インジェクションは複数の注射針で塩水を注入する方法で、部位による厚みや身質の違いに関係なく均一に塩味を加えられる。導入後は秋鮭をはじめ、真タラやサバ、サンマに対して昆布エキスや味噌調味液などのインジェクションも試みており、食味にあうものと合わないものを、濃い薄いなど試行錯誤を繰り返しながら調整している。

加工機フィッシュインジェッター

新しい製品・サービス:定塩フィーレ加工および味付けフィーレ加工を用いた、次なるヒット商品

事業の効果

  • 従来の食塩漬けに比べて食塩の使用量等が大幅に削減できた。

塩分のムラが抑えられ、針跡もつきにくくなり、ドリップとして流出していたうま味や脂分がほとんど出ないためふっくらとした食感に仕上がり、食感および食味が向上した。うま味を損なわず処理できたことで商品価値が高まった。食塩の使用量等が大幅に削減されてコストの削減にもつながった。今後は味付けフィーレ加工への展開により商品開発の足がかりとし、次なるヒット商品の誕生を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    切身定塩加工法を平成3年に確立し食味にこだわってきたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    量販店で切り口の角が丸くなる課題や定塩フィーレが主流になりつつあることに触れ、外部動向は読み取れるが自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    切り口の角が丸くなり量販店で扱いにくいという課題を示し、フィッシュインジェッターで解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    食感や食味の向上、原材料の食塩使用量の大幅削減が書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    検査室の設置や冷凍冷蔵庫への専任スタッフ配置はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    均一な塩味やふっくら感という製品価値は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    味付けフィーレ加工や秋鮭・サバ等への試行錯誤が今後の展開として書かれるが、スケジュールや課題解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    定塩フィーレ加工が加工魚の主流になりつつあると書かれ、普及度に触れるが、同分野での高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    食塩使用量の大幅削減によるコスト削減が書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    和歌山県田辺市の水産加工事業者であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

定塩フィーレ加工に加え、味付けフィーレ加工への展開が期待され、商品開発の足がかりとなることが見込まれる。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。