ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

漁師ノウハウと新設備導入による「漁師めし」の新商品開発事業

成果作業全体の処理速度 1倍→7倍

この事例のポイント

  • シジミなど単一商品に頼ると漁獲量や質の波が大きいため、新商品を開発して販路を広げる必要があった。
  • 新商品「漁師めし」の製造のため、魚類大型魚6枚刃三枚おろし機(HFM)とウロコ取り機(FGP-Ⅲ)を導入した。
  • 作業全体の処理速度 1倍→7倍。機械化により作業全体の処理速度が大きく向上し、鮮度の良い状態で大量に生産できるようになった。

事業者のプロフィール

所在地島根県 出雲市
業種食料品製造業
従業員数7人
設立1978年

事業の背景

大竹屋は漁師が営む鮮魚店で、父や代表が自ら取った魚介類を中心に、実店舗・ネット店舗・土産物店などで販売している。看板商品はシジミで、漁獲状況により品質が大きく変化する。自家栽培の米やスズキのスモーク、天然スッポン、マガモなど多様な商品を扱っているが、単一商品には波がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術シジミなど単一商品に頼ると漁獲量や質の波が大きいため、新商品を開発して販路を広げる必要があった。
  • 生産能力三枚おろしやウロコ取りなど、経験を必要とする工程が手作業で、処理に時間がかかっていた。

やったこと

新商品「漁師めし」の製造のため、魚類大型魚6枚刃三枚おろし機(HFM)とウロコ取り機(FGP-Ⅲ)を導入した。三枚おろし機は上下に独立した4枚の丸刃で切るため二度切りが不要で、骨に身が残りにくい。ウロコ取り機は水圧でウロコを取り、電力と水の消費量を抑えられる。これまで手作業で経験を要した工程を機械化し、作業全体の処理速度が約7倍に向上した。「漁師めし」はスズキの腹骨を取り、切り身を味噌で味付けしたもので、フライパンで焼くだけで食べられる。

加工機魚類大型魚6枚刃三枚おろし機(HFM)
加工機ウロコ取り機(FGP-Ⅲ)

新しい製品・サービス:「漁師めし」:スズキの腹骨を取り、切り身を味噌で味付けした、フライパンで焼くだけで食べられる食品。

事業の効果

  • 作業全体の処理速度 1倍→7倍

機械化により作業全体の処理速度が大きく向上し、鮮度の良い状態で大量に生産できるようになった。製造能力が強化され、さまざまな商品への可能性が広がった。新商品「漁師めし」は店舗で売れ行きが非常に好調で、販路拡大につながると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    漁師が営む鮮魚店という強みと一貫管理が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    漁獲から販売まで一貫管理し購買者の高評価につながっていると具体的に書かれ、漁師ならではの競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    シジミの漁獲量や質の波が課題として示され、機械化で処理速度が約7倍になると書かれ、課題解決の方向が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    処理速度約7倍という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は難しい。

  • 事業を進める体制2

    代表や父が漁に出ると書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえるだけ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    手軽に調理できる漁師めしという商品像と、店舗での売れ行きが好調だった点が書かれ、ニーズの裏付けがうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    2022年度に漁獲量が復活する見込みで魚種を増やす構想はあるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手軽に本格的な味を届ける漁師めしは一般的な商品ではないと読めるが、高付加価値化の水準は数字で示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の食材である宍道湖のシジミや漁業と結びつくことはうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    処理速度約7倍という生産性向上の数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による処理の効率化はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    宍道湖の地域資源を活かし、漁師が運営する鮮魚店として地域の味を届ける点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2022(令和4)年度はスズキの漁獲量が復活する見込みで、生産への期待がかかる。今後は魚の種類を増やしたり、販路を拡大することも考えている。

事業者の声

「他の店ではやっていない、オリジナルなものを」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。