ものづくり補助金平成29年度製造業山口県

新規設備投資により「自家製あん」の生産性と品質の向上を図り、経営力の強化を行う

有限会社三木屋

成果生産能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 自動製あん機と豆煮機は導入済みだったが、その後の工程が手作業のため機械の性能を十分に発揮できず、生産性の向上につながらなかった。
  • 自動どら焼き機(SDR-SGA、小型どら焼専用焼成機、ガス仕様)を導入し、上火と下火を使って一気に焼けるようにした。
  • 生産能力 1倍→2倍。岩どらの全工程が機械化され、生産能力は2倍になり、コストも削減された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三木屋
所在地山口県 岩国市
業種食料品製造業
従業員数11人
資本金800万円
設立1947年

事業の背景

有限会社三木屋は、岩国市今津町で菓子製造を行う会社で、看板商品は「岩どら」である。あん作りを得意とし、自家製あんは他社と差別化できる強みである。現在の取引先は地元の固定客がほとんどで、岩国基地駐留のアメリカ人も大きな市場と捉えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動製あん機と豆煮機は導入済みだったが、その後の工程が手作業のため機械の性能を十分に発揮できず、生産性の向上につながらなかった。
  • 人手・技能作業全体を効率化し、事業承継に向けて製造体制を強化する必要があった。
  • 品質・精度従来のどら焼き機は単なる鉄板で、サイズや焼き具合が揃わず一定の品質を保つことが難しかった。

やったこと

自動どら焼き機(SDR-SGA、小型どら焼専用焼成機、ガス仕様)を導入し、上火と下火を使って一気に焼けるようにした。自動包装機(KBF-702eb型横ピロー包装機)を導入し、ラップ包装、商品シール貼付、賞味期限表示までを機械化した。これにより岩どらの全工程を機械化し、生産能力は2倍になった。どら焼き機は1時間に340個を焼け、従来の2倍のスピードになった。包装では10名で交代していた袋詰め作業が2、3名でできるようになり、2日かかっていた作業が半日になった。

  • 加工機自動どら焼き機 SDR-SGA小型どら焼専用焼成機・ガス仕様自動包装機 KBF-702eb型横ピロー包装機

新しい製品・サービス:自動どら焼き機と自動包装機による「岩どら」の全工程機械化

事業の効果

  • 生産能力 1倍→2倍
  • 焼成スピード 170個/時間→340個/時間
  • 包装作業人数 10名→3名
  • 包装作業時間 2日→0.5日

岩どらの全工程が機械化され、生産能力は2倍になり、コストも削減された。どら焼きは一定の品質で焼けるようになり、大きさや焼き具合のばらつきがなくなった。包装作業は大幅に省力化され、包装費の無駄もなくなった。手に触れる作業が減ったため、コロナ禍での衛生面の強化も図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大手から購入したあんが多い中、自家製あんが差別化要因と明記され、米軍基地のアメリカ人市場も視野に入れている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の後工程が機械の性能を生かせない課題を認識し、生産能力2倍・包装作業2日から半日に短縮する計画。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地元の固定客中心で、空港・道の駅・ネット販売など販路もあり、岩国にちなんだ商品の選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用コロナ禍での衛生強化や省資源化に触れるが、地域経済への波及や雇用創出の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    自家製あんという既存の強みを活かし、過去の機械導入に続けて全工程を機械化する一貫した取組である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手から購入したあんが多い中、自家製あんが差別化要因と明記され、米軍基地のアメリカ人市場も視野に入れている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の後工程が機械の性能を生かせない課題を認識し、生産能力2倍・包装作業2日から半日に短縮する計画。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力2倍、1時間340個、包装作業2日→半日と目標値が示されるが、賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員11名で既に機械導入を進めてきた実績があり、申請は商工会議所の支援を受けている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元の固定客中心で、空港・道の駅・ネット販売など販路もあり、岩国にちなんだ商品の選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    採択後5年間の報告義務に触れ、事業計画を練る必要性を述べているが、具体的なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ふっくら焼ける品質の安定や、あんの味を引き出す差別化された和菓子として高付加価値を目指す記述がある。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    コロナ禍での衛生強化や省資源化に触れるが、地域経済への波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    生産能力2倍とコスト削減に触れるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    岩国の地元食材や宇野千代ゆかりの菓子を開発し、空港や道の駅で販売するなど地域特性を活かした事業である。

今後の展望

地元の固定客に加え、基地駐留のアメリカ人も含めて販路を広げ、「岩どら」と「いが餅」で売上の50%を占めることを目指している。

事業者の声

補助金申請はこれまで何度もトライしてきましたが採択されたのは初めてです。申請書の作成にあたっては岩国商工会議所に大変お世話になりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。