ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

真空パック雑穀米の製造技術導入による海外輸出事業の拡大

株式会社種商

成果1回あたりの梱包数 60袋→108袋

この事例のポイント

  • 一つひとつの商品に手作業で脱酸素剤を投入し、脱気、ヒートシール、賞味期限印字、箱詰めを一日中手作業で行っており、従業員の負担が大きい。
  • 従来の脱酸素剤封入に代えて、真空包装への切り替えを行うため真空包装機を導入した。
  • 1回あたりの梱包数 60袋→108袋。真空包装機の導入により梱包数と輸送効率が上がり、1回あたりの輸送コストが削減され、賞味期限も1年半に延長された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社種商
所在地佐賀県 鳥栖市
業種食料品製造業
従業員数51人
資本金1,000万円
設立1948年

事業の背景

当社は創業70年を超える雑穀メーカーで、黒米、赤米、もちきび、あわ、きび、発芽玄米などを組み合わせたブレンド雑穀商品を扱う。2014年にハラール認証を取得し、海外への販路を広げている。国内では米離れが進む一方、高品質な日本の米は海外で人気が高く輸出が増加している。海外の商品売上は全体の1%に満たない程度である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能一つひとつの商品に手作業で脱酸素剤を投入し、脱気、ヒートシール、賞味期限印字、箱詰めを一日中手作業で行っており、従業員の負担が大きい。
  • コスト・採算手作業による製造コストが販売価格の高さに繋がっていた。
  • 人手・技能1人あたりの残業が月40時間を超える月もあった。
  • 新製品・新技術海外では米や豆、穀類を真空包装するのが一般的で、従来の脱酸素剤封入の包装形態が海外ニーズに合わなかった。

やったこと

従来の脱酸素剤封入に代えて、真空包装への切り替えを行うため真空包装機を導入した。真空包装により商品の厚みが薄くなり、1回当たりの梱包数を60袋から108袋に増やした。手作業の工程を機械化した。

加工機真空包装機

事業の効果

  • 1回あたりの梱包数 60袋→108袋
  • 1回あたりの輸送コストが約400円削減
  • 賞味期限 12か月→18か月
  • 1か月約500,000円の残業代が削減
  • 国内産十六穀米500gの売価 1,200円→890円
  • 自動化工程の人数 5人→2人
  • 生産量 300個/時間→1,200個/時間
  • 労働生産性は10倍にアップ

真空包装機の導入により梱包数と輸送効率が上がり、1回あたりの輸送コストが削減され、賞味期限も1年半に延長された。手作業の工程が機械化され、残業代の削減と労働環境の改善が実現した。これにより国内産十六穀米500gの売価を値下げでき、自動化工程の人数と生産量の改善から労働生産性は10倍になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    雑穀メーカーとして創業70年超の実績があり、海外輸出拡大を事業の方向として示しているが、真空包装機導入がどの経営戦略に位置付けられるかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外の高温多湿環境で真空包装が原則という市場ニーズと、ハラール認証取得・雑穀品種数日本最大級という自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で一日中行っていた包装工程と残業月40時間超という課題を認識し、真空包装機導入で低価格化と海外販路拡大につなげている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    労働生産性が10倍、1回の梱包数60袋から108袋、5年後に海外売上2%(6,000万円)という具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    手作業工程の機械化で労働環境が改善したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はうかがえない程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外ニーズに合わせた真空包装への切り替えと、イスラム圏への市場創出という顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    海外商品の拡充や真空包装食品の拡充を今後の方針として示しているが、遂行方法やスケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    雑穀米は海外で健康食として販売が広がる分野とあるが、真空包装の雑穀米の高付加価値化や希少性の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    海外の日本食レストランが10年で5倍の店舗数となり、和食ブームによる雑穀米の海外需要拡大が国の支援理由として読み取れる。

  • 費用対効果5

    真空包装機導入で輸送費1回約400円削減、残業代1か月約50万円削減、生産量4倍、労働生産性10倍と費用対効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    真空包装機による包装工程の機械化は示されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献はうかがえない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    和食の海外需要拡大や雑穀のスーパーフード化は述べられるが、日本経済の構造転換に資するという記述はうかがえない。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県鳥栖市の事業所で雑穀のブレンド製造を行うと読めるが、地域の雇用創出や経済成長への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外の売上比率を5年後に2%(6,000万円)へ引き上げることを目標とし、イスラム圏に新たな市場を創出する。真空包装食品の拡充を図り、海外の食文化に合った商品開発を行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。