ものづくり補助金平成30年度製造業北海道

北海道産亜麻仁油の品質・搾油率向上および搾り粕の有効活用事業

有限会社亜麻公社

成果従来の搾油機から直圧式大型搾油機に切り替えたことで、搾油率が約5%向上した。

この事例のポイント

  • 既存の乾燥機では収穫時期が重なったり収穫量が多かったりすると一度に処理できず、一部の亜麻種子が収穫適期を逃していた。
  • 亜麻種子の乾燥機を1台増設し、全農家で適期収穫と速やかな乾燥作業ができる体制を整えた。
  • 従来の搾油機から直圧式大型搾油機に切り替えたことで、搾油率が約5%向上した。乾燥機の増設により、全農家で適期収穫と速やかな乾燥が徹底できるようになり、収穫・乾燥作業の効率化と原料種子の品質向上に…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社亜麻公社
所在地北海道 当別町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
設立2004年

事業の背景

同社は2004年に設立された国内唯一の亜麻加工業者で、40年近く途絶えていた亜麻栽培を石狩管内当別町で復活させた。亜麻仁油を主力に、サプリメント、ドレッシング、石けん、画用液など全10種の商品を販売し、質の高さとこだわりで全国の顧客の支持を得ている。当別町の3戸の農家で構成する亜麻生産組合が原料を生産しているが、収穫時期の重なりや収穫量の増加に乾燥設備が対応しきれない状況があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の乾燥機では収穫時期が重なったり収穫量が多かったりすると一度に処理できず、一部の亜麻種子が収穫適期を逃していた。
  • 品質・精度収穫適期を逃した種子は品質の劣化につながり、搾油率低下の要因となっていた。
  • 品質・精度既存の連続式搾油機の搾油率は約10〜15%と低く、搾油率の向上と速やかなろ過処理への移行が課題だった。
  • 新製品・新技術将来、搾油率の高い直圧式に切り替えた場合に生じる搾り粕を活用した新商品を開発できないかを模索していた。

やったこと

亜麻種子の乾燥機を1台増設し、全農家で適期収穫と速やかな乾燥作業ができる体制を整えた。従来の搾油機に加えて、薬品や添加物を使わず亜麻種子に上下から圧力をかけて搾る直圧式大型搾油機を導入し、連続式と併用するようにした。直圧式搾油機から生じる搾り粕を乾燥後に小片化・製粉化する粉砕機を導入した。粉砕刃の回転数を調節することで、粗粉砕から粉末化まで対応できる。導入後は搾油率が約5%向上し、搾油後のろ過工程にも短時間で移れるようになった。

  • 加工機亜麻種子の乾燥機増設1台直圧式大型搾油機搾り粕の粉砕機

新しい製品・サービス:搾り粕を乾燥して原料とする「食」に関する新商品(開発中)

事業の効果

  • 従来の搾油機から直圧式大型搾油機に切り替えたことで、搾油率が約5%向上した。

乾燥機の増設により、全農家で適期収穫と速やかな乾燥が徹底できるようになり、収穫・乾燥作業の効率化と原料種子の品質向上につながった。直圧式大型搾油機への切り替えで搾油率が約5%向上し、搾油後のろ過工程へも短時間で移れるようになって生産性が大きく高まった。搾り粕の粉砕機の導入により、副産物を活用した新商品の開発が進められており、消費者目線を意識した製品づくりに取り組んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及北海道の亜麻という地域資源を活かし、亜麻まつりや当別町の生産組合を通じて地域活性化と高付加価値化を牽引している。
  • 4
    これまでの取組との一貫性2004年設立以来、亜麻栽培の復活と商品開発を継続し、亜麻まつりも2008年から続けている点で過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決収穫時期の重複で乾燥が追いつかず品質劣化・搾油率低下が課題だったと認識し、乾燥機増設と直圧式搾油機で搾油率約5%向上を実現している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標搾油率が約5%向上したと実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    2004年設立以来、亜麻栽培の復活と商品開発を継続し、亜麻まつりも2008年から続けている点で過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内唯一の亜麻加工業者で、無精製亜麻仁油など全10種を全国の顧客に販売し、質へのこだわりで支持を得ている。

  • 課題の認識と解決4

    収穫時期の重複で乾燥が追いつかず品質劣化・搾油率低下が課題だったと認識し、乾燥機増設と直圧式搾油機で搾油率約5%向上を実現している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    搾油率が約5%向上したと実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    3戸の農家による生産組合と既存の製造体制があり、設備導入で全農家の適期収穫・乾燥を徹底できるようになった。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無精製の新鮮な風味や除草剤を使わない質の高い亜麻が全国の顧客に長期支持されており、選ばれる理由が明確である。

  • 事業化までの道筋3

    搾り粕の新商品開発に向け粒度や加工時間を試行錯誤中と現状を説明しているが、スケジュールや完成時期は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    戦後衰退した亜麻を復活させ、無精製亜麻仁油など高付加価値の独自商品を販売しており、普及度が低い分野での高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    国内唯一の亜麻加工業者として亜麻栽培の復活と農商工連携で当別町の一次産品に付加価値をつけ、地域雇用や北海道経済への貢献を目指している。

  • 費用対効果2

    搾油率向上や生産性向上への寄与は触れられているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.5
  • 成長分野への進出2

    北海道の一次産品の付加価値化を目指す記述はあるが、成長分野への進出による構造転換との関連は薄い。

  • 地域経済への波及5

    北海道の亜麻という地域資源を活かし、亜麻まつりや当別町の生産組合を通じて地域活性化と高付加価値化を牽引している。

今後の展望

途切れた北海道の亜麻栽培の歴史を今に繋げ、地域と時代の要請に応える亜麻産業の構築を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。