ものづくり補助金平成30年度卸売業、小売業福島県

農業機械の定期保守サービスによる山間地農家の生産性向上支援

有限会社マスヤ

この事例のポイント

  • 農繁期に機械が故障すると困るという顧客の声があり、故障リスクを減らす必要があった。
  • 社内の販売管理・顧客サービス支援システムを新たに導入し、社内サーバとタブレット端末(補助対象外)を連動させた。
  • サーバとタブレット間のデータ送受信が正常に行われ、システム導入で課題解決のめどが立った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マスヤ
所在地福島県 南会津町
業種機械器具小売業
従業員数7人
資本金500万円
設立1991年

事業の背景

有限会社マスヤは福島県南会津郡南会津町で、農業機械メーカーの特約店として耕運機、田植え機、草刈り機、コンバイン、トラクター、除雪機などの販売と修理を行っている。客層は中規模農家が多く、稲作とトマト栽培の複合経営が中心である。商圏の南会津町・只見町・金山町・昭和村は山間地域で、地域の基幹産業は農業であり、会津米やアスパラなどがブランド認知されている。兼業・小規模農家から大規模農家まで修理依頼が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑農繁期に機械が故障すると困るという顧客の声があり、故障リスクを減らす必要があった。
  • 販路・情報発信修理が終わって作業に使えるまで何日かかるかが分からず、顧客満足度の低下が懸念されていた。
  • 人手・技能サービスエンジニアの対応時間が延び、山間地域では訪問範囲が分散して業務の非効率が目立っていた。
  • 生産能力セールスエンジニア個人に蓄積された情報が社内で共有されていなかった。

やったこと

社内の販売管理・顧客サービス支援システムを新たに導入し、社内サーバとタブレット端末(補助対象外)を連動させた。顧客管理機能では属性、作業履歴(いつ・誰が・どんな修理を行ったか)、部品などの在庫情報と発注処理を一元化し、記録から保守点検の時期を予測できるようにした。販売管理機能では発注データを参考に売上データを入力し、営業管理機能では訪問先を事前登録して訪問ルート検索ができるようにした。定期的に全データをバックアップする機能も備えた。

ソフト販売管理・顧客サービス支援システム(社内システム)
その他社内システムサーバ
その他タブレット端末

事業の効果

サーバとタブレット間のデータ送受信が正常に行われ、システム導入で課題解決のめどが立った。ペーパーレス化も進み、販売管理と営業管理の機能を運用して農家の生産性向上を支援する体制が整った。セールスエンジニアが個々に持っていた情報を社内で共有・活用できるようになったことが大きな成果である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    アフターサービス重視の営業展開と定期保守サービスへの展開が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    商圏は南会津町・只見町などの山間地域で、競合との違いをアフターサービス重視で出す戦略が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    修理依頼の増加や訪問範囲の分散による業務の非効率という課題が示され、定期保守サービスとシステム導入で解決する方針が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1時間以内に訪問し1日10件前後を回れるようになると書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    1級農業機械整備技能士を5名有すること、従業員7名の体制が数字で示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の声(迅速な対応、農繁期の故障回避など)を集約し、顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ITツール導入やシステム運用の状況は書かれるが、中長期の検証やスケジュールについての記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    営業範囲の広い山間地域に特化した販売管理・顧客サービス支援の形態を新規性として挙げているが、高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    山間地の基幹産業である農業の支援や若年層の就農・入社につながる取組が書かれ、地域への意義はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や投資に対する付加価値増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみ。

  • イノベーションへの貢献3

    タブレットとサーバを連動させたシステムでペーパーレス化やデータ共有を行うと書かれ、ITの活用は読み取れる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    IT利活用による効率化は書かれているが、日本経済の構造転換に資する具体的な分野進出は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    南会津町・只見町などの地域特性として農業や会津ブランド作物を挙げ、地域の農業を支える事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産意欲の高い若手や営農法人を支援し、IT活用で効率化を進める。1次産業を支援する今どきの営業スタイルを推進し、若年層が入社したいと思える会社にすることが理想である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。