ものづくり補助金平成30年度製造業滋賀県

『折りパイ』の一口サイズの個包装化商品開発による市場拡大事業

株式会社ヴィラジュニシムラ

この事例のポイント

  • 小型化により数量が増えた際、ライン間の移動を手作業では追いつけなかった。
  • 画像判定による検品機能を備えたライン間の移動作業を自動化するロボットを導入した。
  • ロボット導入により人手を介する工程が減り、商品の個包装化と商品ラインアップの拡大を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヴィラジュニシムラ
所在地滋賀県
業種食料品製造業
技術分野製造環境
設立1999年

事業の背景

当社は土産用のパイ菓子の製造・卸を手掛け、1999年に創業し2019年に法人化した。生地づくりから手掛ける強みを活かし、最大144層の生地を手作業で重ねる「折りパイ」を製造している。主な販売先は観光土産を販売する売店で、2014年に東海地区で発売した「えびしょっぱい」シリーズが売上の柱になっている。コロナ流行前に得意先からインバウンド向け商品の要望を受け、一口サイズと個包装化を求められたことが本事業のきっかけになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小型化により数量が増えた際、ライン間の移動を手作業では追いつけなかった。
  • 人手・技能焼きあがったパイを作業者が目視で検品して包装ラインへ手作業で移動しており、移動作業の負荷から目視検品が疎かになっていた。

やったこと

画像判定による検品機能を備えたライン間の移動作業を自動化するロボットを導入した。焼成されたパイを画像判定機能で検品し、良品のみをロボットアームが持ち上げて包装ラインに移動する仕組みである。検品と包装ラインへの自動供給を一体で行うことで、人手を介する工程を減らした。これにより商品の個包装化と商品ラインアップの拡大を実現した。

ロボット画像判定検品機能付き製品自動供給ロボット

新しい製品・サービス:一口サイズに小型化し個包装化した『折りパイ』

事業の効果

ロボット導入により人手を介する工程が減り、商品の個包装化と商品ラインアップの拡大を実現した。コロナ流行で衛生意識が高まったことが追い風になった。一方、導入直後にコロナの影響で観光需要が縮小し、2020年の売上は前年の3分の1にまで落ち込んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の多品種少量・企画提案力を活かし地域オリジナル商品を開発してきた経緯が書かれ、一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    インバウンド需要と得意先からの要望、多品種少量生産という強みへの言及はあるが、競争優位性を定量的に示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題は①小型化で数量増に手作業が追い付かないこと、②移動負荷で目視検品が疎かになることの2点と具体的に示され、ロボット導入で対応する流れがある。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ロボット導入後の付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、2020年の売上が前年の3分の1になったとの記述のみ。

  • 事業を進める体制3

    創業・法人化の年や多品種少量生産体制の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最大144層の手作業生地、本格パイの軽い食感、地域オリジナル商品と顧客ターゲットや選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    遂行方法やスケジュールの記載は読み取れず、課題解決のための導入ロボットの仕組みが概略で示されるにとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大量生産の練りパイが主流の中、最大144層の生地を手作業で重ねる折りパイに特化し、高付加価値化を図っている点が示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    インバウンドや地域名産品との連携はうかがえるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像判定とロボットによる自動供給は先端技術の活用とうかがえるが、地域やサプライチェーンへの貢献は記述されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    各地の名産品を使った地域オリジナルパイを東北から九州まで展開している点は地域特性の活用として読み取れるが、雇用や成長への効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手ではなく当社を指名する得意先に向け、小ロットからでも対応できる体制を示している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。