ものづくり補助金平成30年度製造業山口県

栄養機能食品(和菓子)の増産と生産効率の向上を目指した最新設備導入及び製造システムの改革

有限会社お茶の赤星園

成果ロス率 25%→10%

この事例のポイント

  • 納入先の販売拡大に伴い、和菓子(栄養機能食品)の製造能力を増強することが避けられない課題となっていた。
  • 老朽化に伴い、最新式の自動包餡機を導入した。
  • ロス率 25%→10%。1時間あたりの生産能力が600個から2,000個に大幅に増えた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社お茶の赤星園
所在地山口県 下関市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数34人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

お茶の小売業として創業し、1995年に和菓子製造業に進出して串団子を製造・販売していた。2003年に医療向け和菓子(栄養機能食品)を開発し、医療機関を中心に売上を伸ばした。納入先からは行事用や季節の和菓子の開発・増産が求められるようになったが、蒸しまんじゅうなどの加熱和菓子は機械化されている一方、練りきりなどの非加熱和菓子は手作業に頼っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力納入先の販売拡大に伴い、和菓子(栄養機能食品)の製造能力を増強することが避けられない課題となっていた。
  • 人手・技能練りきりなどの非加熱和菓子は多くを手作業に頼っており、従業員一人ひとりが型を持って成形していた。
  • コスト・採算製造能力、コスト、生産性、働き方改革などの課題から、新しい製造システムの構築が必要になっていた。

やったこと

老朽化に伴い、最新式の自動包餡機を導入した。自動成型機は自動包餡機と直結でき、操作性がよく型の取り替えも容易なものを導入した。包餡機を分解して洗浄機にセットすれば自動で洗浄できる包餡機洗浄装置を導入した。機械化により手作業では困難だった繊細なデザインも再現できるようにした。補助事業完了後にはセットパンナー(自動トレイ配列機)を導入し、生地玉を自動で配列して次の成形工程に送れるようにした。装飾など製品の出来映えに影響する手作業は残し、生産効率を高めた。

事業の効果

  • ロス率 25%→10%
  • 1時間あたり最大生産能力 600個/時間→2,000個/時間
  • 成形加工の人員 25人→5人

1時間あたりの生産能力が600個から2,000個に大幅に増えた。機械化により繊細なデザインも再現でき、ロス率は25%から10%に改善した。成形加工の人員を削減でき、製造コストの大幅な削減につながった。削減した人員は他の製造ラインや新商品の開発・デザインなどに配置転換し、製造時間の短縮により衛生面のメリットも生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標1時間あたり最大600個が2,000個に、成形人員25人が5人程度に、ロス率25%から10%と数字で目標と効果が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の非加熱和菓子が能力・コスト・生産性の課題と明示され、自動包餡機や成形機の導入で解決する構成になっている。
  • 4
    費用対効果投資に対し能力が3倍超、人員が25人から5人程度に減り、製造コスト削減につながったと効果が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用医療向け栄養機能食品の開発や雇用・人員の配置転換にわずかに触れるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1995年の和菓子進出、2003年の栄養機能食品開発と取組の連続性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機関での売上増と納入先からの増産要請という外部環境が書かれ、強みは栄養機能食品の開発にうかがえるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の非加熱和菓子が能力・コスト・生産性の課題と明示され、自動包餡機や成形機の導入で解決する構成になっている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1時間あたり最大600個が2,000個に、成形人員25人が5人程度に、ロス率25%から10%と数字で目標と効果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    機械ごとに担当者を配置し責任と権限を明確化したと書かれるが、人材育成や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療向け栄養機能食品と行事用和菓子の需要は書かれるが、選ばれる理由や顧客ターゲットの整理は十分ではない。

  • 事業化までの道筋3

    セットパンナー導入など後続の計画や海外展開の方向性は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    非加熱和菓子の機械化により繊細なデザインも再現可能になったとあるが、市場での普及度や高価格化の裏付けは薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    医療向け栄養機能食品の開発や雇用・人員の配置転換にわずかに触れるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し能力が3倍超、人員が25人から5人程度に減り、製造コスト削減につながったと効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    下関市の企業で地域の和菓子製造を続けるとあるが、地域特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は少ない。

今後の展望

医療向け需要の増加による売上増は一時的と見られ、人口減少により将来の売上減少が懸念される。今後は貿易会社を通じて富裕層向けの海外展開を進めたいと考えており、そのために新しい工場を建てて増産できる体制を整えたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。