精密部品用多品種生産に対応する規格外段ボールの革新的加工体制

京都府の製造業が、ものづくり補助金でサンプル加工機とオンデマンド製函機を導入し、加工時間を短縮した採択事例です。

株式会社ケイジパック

成果サンプル加工の所要時間 3時間→0.5時間

この事例のポイント

  • サンプル作成では、カット開始の位置決めを手作業で行っていたため時間がかかっていました。
  • 補助事業でサンプル加工機とオンデマンド製函機を導入しました。
  • サンプル加工の所要時間 3時間→0.5時間。サンプル加工の所要時間は3時間から30分、量産加工は6時間から1時間に短縮し、加工精度は±3ミリの誤差内に高まりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ケイジパック
所在地京都府 京都市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野立体造形
従業員数35人
資本金5,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は段ボール箱等梱包資材の企画・設計・製造を行う会社として1990年に創業しました。「自由設計」をコンセプトにデザイン提案から製造まで一貫対応し、小ロットからオリジナル製品を提供してきたことが評価され、大手製造業からも直接受注しています。

精密部品用の複雑形状のオーダーメード定型外段ボール箱は小ロットの相談が増えていましたが、量産品と異なり技術、納期、コストの面で対応が困難で、受注には至っていませんでした。新型コロナ禍で主力の食品分野が不振となったことを契機に、堅調な電気機器分野での展開を図るため、定型外段ボール箱への挑戦を決意しました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力サンプル作成では、カット開始の位置決めを手作業で行っていたため時間がかかっていました。
  • 人手・技能量産では罫線加工と切加工を別々の機械で行っていたため時間がかかり、精度がブレることが多々ありました。
  • 生産能力加工サイズの制約があり、定型外の大型ケースの場合は2枚の段ボールシートをのり貼りしていました。
  • 人手・技能これらの工程は熟練者の勘と経験に依存しており、対応できる者が限られていました。
  • 納期・工程ヒアリングから納品までに3~4日かかり、取引先の求める1~2日を大きく上回って逸失機会となっていました。

やったこと

補助事業でサンプル加工機とオンデマンド製函機を導入しました。サンプル加工機はCADデータを元に高精度の加工が可能で、高度な画像認識カメラ2台でカット位置を把握し、データ情報に合わせてカット時の補正を自動で行います。

これにより加工精度を高め(±3ミリの誤差内)、所要時間を3時間から30分に短縮しました。オンデマンド製函機はCADデータを元に自動加工を行い、一台で罫線加工と切加工に連続対応します。

従来の機械では扱えなかった大型段ボールにも対応可能となりました。加工精度も高まり(±3ミリの誤差内)、所要時間を6時間から1時間に短縮しました。

新しい製品・サービス:精密部品用の定型外段ボール箱(梱包部品の個別形状に合わせたオーダーメード品。精密部品保護のため緩衝材配置、強度などを考慮し複雑形状を有する)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • サンプル加工の所要時間 3時間→0.5時間
  • 量産加工の所要時間 6時間→1時間
  • 納品までの日数 3.5日→1.5日

サンプル加工の所要時間は3時間から30分、量産加工は6時間から1時間に短縮し、加工精度は±3ミリの誤差内に高まりました。ヒアリングから納品までが1~2日に短縮され、取引先の求めに応えられるようになりました。

設備稼働時間の減少、残業の減少、廃棄ロスの減少によりコストも抑えられました。作業員の残業がなくなったことで、新しい技術習得や能力開発に取り組む余裕も生まれました。

23年度売上は補助事業計画の目標17億円を達成しました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.7 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業以来の「自由設計」コンセプトと設計提案力の蓄積を活かし、定型外段ボールへの挑戦を経営戦略として位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大手と異なり下請け中心の企業が多い中、小ロット・オリジナル対応で評価を得ており、強みを明確に外部環境へ対応させている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の位置決め、罫線と切加工の別機械、熟練依存などの課題を整理し、加工時間を3時間から30分へ短縮する対策を示している。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の「自由設計」コンセプトと設計提案力の蓄積を活かし、定型外段ボールへの挑戦を経営戦略として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手と異なり下請け中心の企業が多い中、小ロット・オリジナル対応で評価を得ており、強みを明確に外部環境へ対応させている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の位置決め、罫線と切加工の別機械、熟練依存などの課題を整理し、加工時間を3時間から30分へ短縮する対策を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    23年度売上17億円の補助事業計画目標の達成を示しており、目標値に対する実績が確認できる。

  • 事業を進める体制3

    営業、デザイナー、製造が連携する社内体制と、設計から製造までの一貫対応を担う組織運営が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精密部品用の定型外箱という顧客ターゲットと、大手製造業からの直接受注という裏付けがあり、選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後の効果を示し、今後は食品やイベントなど他分野、大阪方面への展開を見込むとしている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    定型外段ボールの多品種小ロット高精度生産は量産品と比べ対応が困難で、加工精度±3ミリ、1~2日納品という高水準の対応を実現している。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    食品分野の不振からの電気機器分野への展開という事例で、地域の雇用や残業減、能力開発の機会創出に触れている。

  • 費用対効果4

    加工時間を6時間から1時間、3時間から30分に短縮し、残業減と廃棄ロス減によるコスト抑制の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    高度な画像認識カメラによる自動補正とCADデータ連動により、商談で即日サンプル提供を可能にしており、デジタル技術活用が明確。

政策面判断できません
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

今後は食品、イベントなど他分野でも定型外品への需要を捉え、総合力の強みを活かす見込みです。営業エリアも従来の京滋中心から、競争の厳しい大阪方面へ広げることを視野に入れています。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。