ものづくり補助金平成24年度愛媛県

全国初の産直市へのQRコード導入による商品管理の改革、先進的産直システムの実現

株式会社インプット

この事例のポイント

  • 消費期限・賞味期限の自動管理など管理項目を増やしたいという要望が強いが、有効桁数13桁のバーコードでは桁数が不足し対応できなかった。
  • 消費期限や賞味期限の管理に必要な項目を増やせるよう、商品管理にQRコードを採用した。
  • QRコードに期限などの管理情報を持たせたことで、POSレジ通過時に期限の近い商品や期限切れの商品を把握でき、直売所の商品品質への信頼感が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社インプット
所在地愛媛県 松山市
業種情報サービス業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数7人
資本金300万円
設立2012年

事業の背景

同社は1996年から産地直売所に特化した販売管理システムを開発・販売し、全国約50か所以上に導入してきた。産地直売所の形態が多様化し、スーパーなどにも直売コーナーが増えて競争が厳しくなった。大手を含む競合他社も年々増加し、同社の経営環境は厳しくなりつつあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他消費期限・賞味期限の自動管理など管理項目を増やしたいという要望が強いが、有効桁数13桁のバーコードでは桁数が不足し対応できなかった。
  • 人手・技能従来のクライアントサーバー型システムは直売所に24時間稼働の管理サーバーの設置を求め、専門の人材を雇用する負担を強いていた。
  • 販路・情報発信産地直売所の多様化と直売コーナーの増加で競争が激しくなり、競合他社も増えたため、差別化と売上拡大につながるシステムが求められていた。

やったこと

消費期限や賞味期限の管理に必要な項目を増やせるよう、商品管理にQRコードを採用した。QRコードは商品ラベルの寸法や読み取り時の使いやすさを検証して決定し、水や湾曲による読み取り不良にも対策を行った。読み取り不能時にはPOSレジで手入力できる機能を設けた。開発はウォーターフォール型で工程ごとに入力と出力を明確にし、レビューを繰り返して品質を高めた。システムはクラウド上で稼働するように開発し、売上情報のWEB参照機能は外部の開発業者と分担して作り、プロジェクト管理の手法で計画通りに完成させた。

新しい製品・サービス:QRコードを商品管理に用いた新販売管理システム(クラウド稼働、標準商品コード「SUNコード」)

事業の効果

QRコードに期限などの管理情報を持たせたことで、POSレジ通過時に期限の近い商品や期限切れの商品を把握でき、直売所の商品品質への信頼感が高まった。WEB上で売上状況を確認できるようになり、運営側は加工品の生産調整や店舗運営の判断を素早く行えるようになった。出荷者も自分の商品の売上を確認して今後の出荷計画に生かせるようになった。クラウド化により直売所の運用管理の負担が大きく減り、導入しやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    これまでの取組との一貫性1996年から産地直売所特化の販売管理システムを開発し、約50か所に導入した実績があり、事業の一貫性が具体的に読み取れる。
  • 5
    課題の認識と解決バーコードの有効桁数13桁では消費期限管理が対応できないという課題を明示し、QRコード採用で解決する計画が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性競合他社が年々増加する中、QRコードによる商品管理で差別化したと記載があり、競争優位の方向性は読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標導入数の増で安定利益を確保するとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、わずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性4.7
  • これまでの取組との一貫性5

    1996年から産地直売所特化の販売管理システムを開発し、約50か所に導入した実績があり、事業の一貫性が具体的に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合他社が年々増加する中、QRコードによる商品管理で差別化したと記載があり、競争優位の方向性は読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    バーコードの有効桁数13桁では消費期限管理が対応できないという課題を明示し、QRコード採用で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    導入数の増で安定利益を確保するとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制4

    開発に専門家の指導を受け、外注業者との関係強化やプロジェクト管理手法を実践したと記載があり、体制の確保はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    産地直売所を顧客とし、消費期限の自動管理や高齢者にも使いやすい画面など、ニーズと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    ウォーターフォール型で工程ごとにレビューを行い、トレーサビリティやアレルギー告知などオプション機能の追加計画も示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    業界で初めて商品ラベルにQRコードを採用したと記載があり、従来の分野では珍しい高付加価値化の取組みと読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    産地直売所の出荷者や地域の農産物販売を支える役割はあるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献4

    QRコードとクラウド上の稼働に加え、全国規模のビッグデータ解析を計画しており、デジタル技術によるイノベーションが具体的に読み取れる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    クラウド化やQRコード方式への移行が必須と想定されると記載があり、市場変化への対応は読み取れるが、構造転換との関係は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県松山市の道の駅などの産直施設に導入し、地域の農家の出荷を支えている点は読み取れるが、地域経済への効果は具体性が薄い。

今後の展望

今後はトレーサビリティ、アレルギー成分告知、ヘルスケアなどのオプション機能を追加・強化する予定である。商品コードを標準化して売れ筋を広域で把握し、全国規模のビッグデータ解析サービスも計画している。代理店との提携を強化し、導入数を増やして安定した利益を確保する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。