ものづくり補助金平成30年度情報通信業山口県

クラウドとAIの連携による複数倉庫一元管理および物流管理の最適化・自動化

有限会社アイティーキューブ

この事例のポイント

  • 通販事業者は配送費や在庫コストの高騰、物流業務の煩雑性に悩まされていた。
  • 既存のGoQSystemと連携して業務を最適化・効率化する新システムを開発した。
  • 低コストかつ短納期の物流を実現する新システムにより、配送費や在庫コストを抑えられる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アイティーキューブ
所在地山口県 岩国市
業種情報サービス業
従業員数12人
資本金780万円
設立2005年

事業の背景

同社は通販事業者向けに受注・商品登録・在庫連携・出荷・売上管理などを一元化するクラウドサービス「GoQSystem」を開発し、事業者のバックオフィス業務の約80%を自動化してきた。しかし2017〜2018年に宅配業者の運賃が値上げされ、通販事業者の配送料負担が増えた。主要取引先は小規模・中小企業が多く、価格転嫁は顧客離れに直結する恐れがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力通販事業者は配送費や在庫コストの高騰、物流業務の煩雑性に悩まされていた。
  • コスト・採算2017〜2018年に宅配業者の運賃が値上げされ、配送料値上げに伴う商品価格の値上げは顧客離れにつながる恐れがあった。

やったこと

既存のGoQSystemと連携して業務を最適化・効率化する新システムを開発した。開発したのは次の2つである。1つ目は、クラウドにより複数の物流倉庫に預けた自社商品の品目、数量、滞留期間をリアルタイムで把握する在庫情報の一元管理システムである。季節に応じて倉庫に預けるべき売れ筋商品や、自社に戻すべきロングテール商品を分析できる。2つ目は、受注時に取得した配送先住所、配送日時、荷物量、配送業者別価格データなどをもとに、AIが最も物流コストの低い発送元倉庫と配送業者を自動抽出し、配送までを自動で行うシステムである。開発期間はおよそ半年で、補助金は開発に伴う外注費にあてた。

  • ソフト複数倉庫の在庫情報一元管理システムクラウドAIによる物流業務最適化・自動化システム

新しい製品・サービス:クラウドとAIを連携させた複数倉庫の在庫一元管理および物流管理の最適化・自動化システム。既存のGoQSystemと連携する。

事業の効果

低コストかつ短納期の物流を実現する新システムにより、配送費や在庫コストを抑えられる。在庫の一元管理によりマーケティングを強化でき、無駄な倉庫管理費も抑えられる。既存顧客へのアップセルがしやすく、新サービスの利用者は50社と年々増加している。業務効率化により、利用者は商品開発やマーケティングに時間を割けるようになったと高い評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性既存のGoQSystemと連携する新システムを2017〜2018年の運賃値上げ問題を受けて開発しており、既存事業との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存顧客へのアップセルがしやすい強みと、30,000社以上の利用ユーザーを挙げ、競争優位性の根拠が示されている。
  • 4
    課題の認識と解決配送料値上げによる顧客離れという課題に対し、配送費の最適化・自動化で対応する方針が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標配送コスト削減やリードタイム短縮をうたうが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    既存のGoQSystemと連携する新システムを2017〜2018年の運賃値上げ問題を受けて開発しており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存顧客へのアップセルがしやすい強みと、30,000社以上の利用ユーザーを挙げ、競争優位性の根拠が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    配送料値上げによる顧客離れという課題に対し、配送費の最適化・自動化で対応する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    配送コスト削減やリードタイム短縮をうたうが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名と開発の外注費を記載しているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小規模・中小の通販事業者を顧客とし、新サービスの利用者が50社と年々増えている点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    開発期間はおよそ半年と示されるが、中長期の課題検証や運用後の展開の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    低コストかつ短納期を実現する画期的なシステムとあるが、市場での普及度や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    物流コスト低減による利用者支援は述べられているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金は外注費に充てたとあるが、投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    クラウドとAIを連携させ、複数倉庫の在庫一元管理と配送先の自動抽出を行う先端的デジタル活用が具体的に書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    ネット通販需要の堅調さは述べられているが、日本経済の構造転換に資する分野進出とは明確に結びつけられていない。

  • 地域経済への波及2

    本社は山口県岩国市とあるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及はほぼ見当たらない。

今後の展望

ネット通販のニーズは堅調で、今後も利用がなくなることはないと見込む。機能を充実させて業務の最適化・完全自動化を実現し、サポート業務やオペレーター対応を充実させて顧客の離脱を防止する方針である。

  • 目標:GoQSystemは事業者のバックオフィス業務の約80%を自動化する。
  • 目標:2022年6月現在、全サービスの利用ユーザーは30,000社以上。

事業者の声

創業以来大切にしてきたのは、時代のニーズを的確に捉え、常にお客様目線・お客様優先のサービスを生み出すことです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。