販路拡大でV字回復を目指す、新規キッチンカー事業。

北海道の宿泊業・飲食サービス業の事業者が、ものづくり補助金でキッチンカーを導入し、移動販売で赤字からのV字回復を実現した事例です。

成果ザンタレバーガーは1日に600個売れたこともある。

この事例のポイント

  • 新型コロナの感染拡大で2021年5月に毎月の売り上げが感染拡大前の3分の1に激減した。
  • 自動車内のキッチンで調理・販売できるキッチンカーを導入し、店舗営業とは別に移動販売部門を立ち上げた。
  • ザンタレバーガーは1日に600個売れたこともある。キッチンカーで釧路市内のスーパーやドラッグストアの駐車場、各種イベント会場に広く出店し、中食需要や家ごもりの需要を取り…

事業者のプロフィール

所在地北海道 釧路市
業種飲食店
従業員数1人
資本金0万円
設立2011年

事業の背景

同店は2011年に釧路市芦野で開業したオーナーシェフの店で、1、2階に22席のビストロを営んでいた。食材は釧路近海の魚や別海産チーズなど地産地消を基本としていた。

新型コロナの影響で2020年春の緊急事態宣言以降、外出や営業の自粛により客足が激減した。同店は年間50回以上の野外イベントに出店し、テイクアウト向けメニューの開発やポップアップ運営の経験を積んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑新型コロナの感染拡大で2021年5月に毎月の売り上げが感染拡大前の3分の1に激減した。
  • 販路・情報発信店舗営業だけでは客足を取り戻せず、持ち帰り需要を取り込む販路の拡大が必要だった。

やったこと

自動車内のキッチンで調理・販売できるキッチンカーを導入し、店舗営業とは別に移動販売部門を立ち上げた。車種はスズキのキャリィ(660cc)で、札幌市のキッチンカー製造事業者に依頼して荷台部分を改造した。

冷蔵庫、食品保存庫、ガスコンロ、グリルプレートを積み、自家発電機を搭載して電気のない場所でも営業できるようにした。キッチンカーの名称は「ナチュール号」とし、プロの料理人が作る店の味を気軽に楽しんでもらうことをコンセプトにした。

他のキッチンカーと差別化した独自メニューを完成させ、仕込みや調理工程をマニュアル化して店の味を簡易的に提供できる仕組みをつくった。

新しい製品・サービス:キッチンカー「ナチュール号」で提供する、プロの料理人がレシピ化した独自メニュー(チーズフォンデュ、フレンチトースト、釧路のご当地グルメをもとにした「ザンタレバーガー」など)。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • ザンタレバーガーは1日に600個売れたこともある。

キッチンカーで釧路市内のスーパーやドラッグストアの駐車場、各種イベント会場に広く出店し、中食需要や家ごもりの需要を取り込んで売り上げを伸ばした。ザンタレバーガーは看板メニューに成長し、SNSや口コミで評判が広がって市外からの出店依頼も来るようになった。

実店舗の逆風の中でも新事業で影響を最小限に抑え、赤字からのV字回復を実現した。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性他キッチンカーと差別化した同店ならではのレシピ化メニューを強みとし、ザンタレバーガーは1日600個売れた実績があり競争優位が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けプロの料理人が作る店の味を気軽に楽しめることを価値とし、遠征先での需要や市外出店依頼など顧客ニーズの裏付けが示されている。
  • 4
    地域経済への波及釧路のご当地グルメや道東産食材を活かし、ザンタレバーガーが看板メニューとなって市外出店依頼も生まれ、地域の魅力を活かした事業となっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    波及効果・雇用地産地消を基本に道東の食材を使う点はあるが、雇用創出や波及効果を国が補助する理由として示す記述は弱い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2011年開業の店舗で年50回以上イベント出店の経験を積み、その催事経験を活かしてキッチンカーへ展開しており、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他キッチンカーと差別化した同店ならではのレシピ化メニューを強みとし、ザンタレバーガーは1日600個売れた実績があり競争優位が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    コロナで売上が感染拡大前の3分の1に激減した課題を認識し、キッチンカー導入で中食需要に対応して売上を回復させる計画となっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    販路拡大と売上アップを目指す計画で、実際に売上を伸ばし赤字からのV字回復を実現しており、目標の実現性が示されている。付加価値額や賃上げの数値目標は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    オーナーシェフがホテル勤務経験を積み、催事出店やポップアップ運営の経験があり、スタッフ体制と調理マニュアル化で事業を遂行している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プロの料理人が作る店の味を気軽に楽しめることを価値とし、遠征先での需要や市外出店依頼など顧客ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    キッチンカー導入の段階や出店スケジュールの公開、マニュアル化による味の再現など、遂行方法と課題解決の工夫が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    キッチンカーは一般的な業態だが、フレンチの技法を取り入れた洗練された洋食を移動販売する点で差別化が図られている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地産地消を基本に道東の食材を使う点はあるが、雇用創出や波及効果を国が補助する理由として示す記述は弱い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    釧路のご当地グルメや道東産食材を活かし、ザンタレバーガーが看板メニューとなって市外出店依頼も生まれ、地域の魅力を活かした事業となっている。

今後の展望

コロナが落ち着きつつある現在も催事出店への引き合いは強く、目減りした売り上げを補うだけでなく赤字からのV字回復を実現している。

  • 目標:2021年5月、毎月の売り上げが感染拡大前の3分の1に激減した。

事業者の声

料理は、肩肘張らず、美味しく、楽しく、味わうものです。

「ナチュール号」は、新型コロナの影響で来店客数が減少したこともありますが、キッチンカーがあることで、お客様のところへ自分から行けるようになる。屋外のキッチンカーなら、コロナ禍でもお客様の喜ぶ顔が見られる。そんな思いで始めた新規事業でした。

キッチンカーは、お客様との距離が近く、反応がダイレクトに分かるのがうれしいですね。

店舗と移動販売は両輪です。ビストロ ラ・ナチュールも、ナチュール号も、小さい子どもからお年寄りまで、幅広い世代の皆さんに愛されるよう励んでいきます。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。