組織再編を契機とした営業・生産体制の変革による印刷企画会社への進化

北海道の印刷会社が、ものづくり補助金で高性能デジタル印刷機を導入し、営業と生産の体制を強化して、効率と生産性を大きく向上させた事例です。

株式会社NIREPLUS

成果印刷時間を中心とした効率、生産性が大きく向上した。

この事例のポイント

  • 紙媒体からデジタルへ移り変わる時代に印刷業界の環境は厳しく、業績の見通しも立てにくい状況だった。
  • 高性能デジタル印刷機「Revoria Press PC1120」を導入した。
  • 印刷時間を中心とした効率、生産性が大きく向上した。印刷時間を中心に効率と生産性が大きく向上し、短納期の依頼にも応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社NIREPLUS
所在地北海道 札幌市
業種印刷・同関連業
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

景気悪化や情報の電子化などで印刷業界の市場は縮小傾向が続いている。2023年12月期の年間売上8,700万円のうち1,700万円程度は、後に導入する高性能デジタル印刷機での印刷・制作となっている。

同社は約70年親しまれた社名を2023年7月にNIREPLUSへ変更し、紙とデジタルとリアルの組み合わせから生まれる新分野に挑む決意を示していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力紙媒体からデジタルへ移り変わる時代に印刷業界の環境は厳しく、業績の見通しも立てにくい状況だった。
  • 新製品・新技術印刷が独自色を発揮し成長戦略を描くため、事業承継を含めた将来ビジョンの検討が必要だった。

やったこと

高性能デジタル印刷機「Revoria Press PC1120」を導入した。本機は一度のプリントで多彩な色を表現でき、CMYKトナーに加えてゴールド、シルバー、クリア、ホワイト、ピンク、カスタムレッドといった特殊トナーから最大2色を搭載できる。

用紙サイズは98×148mmから最大330×488mmまで対応する。デジタル印刷機の導入とグループ会社との業務連携を核に、デジタルオフセットの「ハイブリッド印刷」での生産体制を強化し、マス媒体とパーソナル媒体を組み合わせた「クロスメディア提案」を推進した。

新しい製品・サービス:特色印刷などPC1120の機能を生かした営業活動と新商品開発。女性だけで構成する商品開発チームを発足させた。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • Revoria Press PC1120富士フイルムBI設備の種類:印刷機

事業の効果

  • 印刷時間を中心とした効率、生産性が大きく向上した。

印刷時間を中心に効率と生産性が大きく向上し、短納期の依頼にも応えられるようになった。従来以上に高品質な印刷物を納品できるようになった。

特色印刷などの営業活動や新商品開発も始まっている。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性特殊トナー最大2色でメタリックや肌質感など高付加価値印刷を実現し、グループ連携で他分野へ拡大する強みが具体的に述べられている。
  • 4
    事業を進める体制経営経験のある後継者と広告マン出身の社長、グループ6社の人的リソースを組み合わせる体制が具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値特殊トナーによるメタリックや肌質感などの高付加価値印刷で、利益率を上げられる新市場を掘り起こす狙いが明確に示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果印刷時間の効率や生産性が大きく向上したと触れられているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    約70年の印刷業を基盤に、事業承継を機に印刷企画会社へ進化する方針が明記され、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特殊トナー最大2色でメタリックや肌質感など高付加価値印刷を実現し、グループ連携で他分野へ拡大する強みが具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決3

    印刷市場の縮小という課題を認識し、特殊印刷の高付加価値化と紙・デジタル・リアルを組み合わせた新分野への展開を計画している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間売上8,700万円のうち1,700万円程度が新機械での印刷・制作と示され、今後の目標値は具体的に読み取りにくいが売上基盤は示されている。

  • 事業を進める体制4

    経営経験のある後継者と広告マン出身の社長、グループ6社の人的リソースを組み合わせる体制が具体的に示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    特殊トナーによる表現力や用紙サイズの幅広さが顧客ニーズへの対応として説明され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ハイブリッド印刷とクロスメディア提案の推進、営業活動や商品開発の始動など、遂行方法の方向性は示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    特殊トナーによるメタリックや肌質感などの高付加価値印刷で、利益率を上げられる新市場を掘り起こす狙いが明確に示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域の印刷業者として北海道の経済や社会の活性化に寄与する方針が示され、地域での雇用や需要創出の意義がうかがえる。

  • 費用対効果2

    印刷時間の効率や生産性が大きく向上したと触れられているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ハイブリッド印刷やグループ横断のクロスメディア提案で紙とデジタルを組み合わせ、地域の顧客向けに新たな価値提供を目指している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    紙からデジタルへの時代の変化に対応し、印刷企画会社への進化を図る方向性は示されているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及4

    北海道に拠点を置く強みを活かし、道内の顧客の意識や経済動向を踏まえた提案で地域経済の活性化を目指すと明記されている。

事業者の声

「どんな仕事も人と人のつながりがベースと感じている」

「0と1しかないデジタル世界を扱っていても、昔の商いのような関係性を忘れたくない。私自身、営業に回る時は売り込みというよりも、「何か面白いことないかな?」と世間話で盛り上がっていることの方が多い。そうした会話やかかわりの中から、顧客のお困り事や求めていることが見えてきたり、新しいサービスや事業のアイデアが生まれたりする。その瞬間には利益にならないことも、その後の縁につながっていく。すべて人との出会い。思いもよらないうれしい展開を数多く経験してきた」

「印刷物に新しい価値を持たせたい」

「顧客に喜んでもらうためには、どうしたらいいか。それを最優先に考えて、ときには自社サービス以外のものも提供していく。顧客のやりたいことや目指したいことを一緒に考え、創り出すところからかかわっていきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。