ラベル印刷における重ね刷り技術高度化と短納期化による生産体制拡大

静岡県のラベル印刷会社が、ものづくり補助金で間欠ロータリー印刷機を導入し、段取りを減らして短納期化を目指した事例です。

レタープレス株式会社

成果工程時間 110分→70分

この事例のポイント

  • ラベル・シール分野の受注が増加している一方で、現在の生産体制では増えていく受注を断らざるを得ない状態でした。
  • 高品質な印刷はそのままに、原紙のロスなどの欠点が補われた間欠ロータリー印刷機(シャフトレス)を導入しました。
  • 工程時間 110分→70分。印刷工程の段取り時間が削減され、生産リードタイムが大幅に短縮されました。

事業者のプロフィール

事業者名レタープレス株式会社
所在地静岡県 富士市
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

レタープレス株式会社は平成19年に富士市で創業し、ラベル・シール印刷を主軸に印刷関連製品の製造・販売を行っています。主に自動車関連製品や食品等の印刷に対応しています。

同業他社が利益率の低さから敬遠する小ロット多品種生産に特化し、取引先のニーズにきめ細かく対応してきました。ラベル印刷業界では消費者ニーズの多様化・複雑化や印刷技術の高度化が進み、自動車業界の進展もあってシール・ラベルを中心に受注が増加する傾向にあります。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ラベル・シール分野の受注が増加している一方で、現在の生産体制では増えていく受注を断らざるを得ない状態でした。
  • 納期・工程2色以上の印刷では段取り・巻取りの工程が基本的に必要で、生産リードタイムが長くなっていました。
  • コスト・採算段取り作業時に見当見合わせ作業が行われるため印刷ロスが生じ、印刷ロス率は23%と高い状態でした。

やったこと

高品質な印刷はそのままに、原紙のロスなどの欠点が補われた間欠ロータリー印刷機(シャフトレス)を導入しました。この機械により一度に3色までの印刷が可能となり、従来2色以上の印刷で必要だった段取り・巻取りの工程が不要になりました。

従来は1色目の印刷後に乾燥・巻取りを行い、2色目をセットし直して印刷していましたが、この工程も省略できるようになりました。また、段取り作業時の見当見合わせ作業も不要になり、印刷ロスを大幅に低減しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 間欠ロータリー印刷機シャフトレス設備の種類:印刷機

事業の効果

  • 工程時間 110分→70分
  • 1日当たり生産量 10,000枚→30,000枚
  • 印刷ロス率 23%→12%

印刷工程の段取り時間が削減され、生産リードタイムが大幅に短縮されました。1日当たりの生産量が大きく増え、これまで断らざるを得なかった受注に対応できる体制が整いました。

印刷ロスの低減により加工精度の高い製品づくりにも寄与し、経営基盤の強化と地域産業への貢献につながっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性同業他社が敬遠する小ロット多品種に特化し、在庫管理システムで受注を分析するノウハウと顧客評価の高さを強みとして示している。
  • 4
    課題の認識と解決段取り時間110分が70分に短縮、印刷ロス率23%から12%へ改善と、ボトルネック工程の課題を具体的に解決している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1日当たり約10,000枚から最大約30,000枚へ生産量が増加した実績が示され、高い目標達成の見込みが読み取れる。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制在庫管理システムの活用には触れているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    小ロット多品種生産に特化し取引先ニーズに対応してきた経緯があり、設備導入で生産体制拡充を図る流れは既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業他社が敬遠する小ロット多品種に特化し、在庫管理システムで受注を分析するノウハウと顧客評価の高さを強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    段取り時間110分が70分に短縮、印刷ロス率23%から12%へ改善と、ボトルネック工程の課題を具体的に解決している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日当たり約10,000枚から最大約30,000枚へ生産量が増加した実績が示され、高い目標達成の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    在庫管理システムの活用には触れているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車関連・食品等の取引先からシール・ラベルの受注増加が続き、きめ細かな対応と小ロット対応が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の生産性向上や内製化の強化に触れているが、具体的なスケジュールや遂行方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    同業他社が敬遠する小ロット多品種生産に特化し、高品質な印刷技術で差別化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域産業振興と発展への貢献を掲げ、自動車・食品関連の受注増加に対応する生産体制を拡充している。

  • 費用対効果3

    印刷ロス率の改善や生産量の大幅増加など設備投資の効果が数字で示され、費用対効果の裏付けがある。

  • イノベーションへの貢献2

    在庫管理システムの活用には触れているが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    富士市で創業した地域企業として、地域産業振興と発展に貢献していくとの方向性が示されている。

今後の展望

今後も加工精度の高い製品づくりに邁進するとともに、生産性向上と内製化等の強化を積極的に図り、企業としての基盤強化に注力していきます。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。