空間をリアルタイムにモニタリングできる革新的サービスの新規展開

静岡県の情報通信業が、ものづくり補助金で人の動きと空気環境を立体的に見られるシステムを開発し、混雑分散に役立てた採択事例です。

株式会社ゼロワン

この事例のポイント

  • コロナ禍で接触機会を減らす感染防止対策に活用できる空間モニタリングのニーズが高まっていました。
  • 人検知センサーが取得した空間の人数と座標位置、およびIoT空気環境センサーが取得した温度、二酸化炭素、湿度をデータ化するネットワークシステムを構築しました。
  • 補助事業を活用した空間モニタリングシステム「no-miz」が医療機関等に導入され、リアルタイムかつ立体的に混雑状況や人の動きを把握できるようになりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ゼロワン
所在地静岡県 浜松市中央区
業種インターネット附随サービス業
資本金5,000万円
設立2019年

事業の背景

同社は、内山社長がVR技術を活用したシステムの可能性に魅力を感じ、デジタルツインの新しい活用方法を着想して、2019年7月にデジタルツイン制作事業者として創業しました。創業前は「空間をスキャンする」をコンセプトに、主に不動産物件等のデジタルツイン化事業を展開していました。

創業後間もなく新型コロナウイルスが世界に広がり、日本国内では感染防止対策が強く求められるようになりました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術コロナ禍で接触機会を減らす感染防止対策に活用できる空間モニタリングのニーズが高まっていました。

やったこと

人検知センサーが取得した空間の人数と座標位置、およびIoT空気環境センサーが取得した温度、二酸化炭素、湿度をデータ化するネットワークシステムを構築しました。人の座標位置と温度、空気環境を連携させ、3次元データ上に人物アバターを出現させて、環境悪化をメッセージとサウンドでユーザーに通知する機能を実現しました。

人の滞留度合は画面の色の変化で示し、認知度を高めるようにしました。テストでは人の誤検知や人物トラッキング、通信の途切れなどの課題が発生しましたが、プログラム修正や部品の交換を行い、正常に作動することを確認しました。

新しい製品・サービス:デジタルツインをUIとした空間モニタリングシステム「no-miz」と、その派生で製造業向けのデジタルツインIoTソリューションシステム「ZEKOO」を2025年7月に販売開始しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

補助事業を活用した空間モニタリングシステム「no-miz」が医療機関等に導入され、リアルタイムかつ立体的に混雑状況や人の動きを把握できるようになりました。導入先からは混雑分散や空気環境の管理ができ、感染症対策として有効であることを確認できたと評価されています。

その後、製造業向けの「ZEKOO」を開発し、中堅大手製造業への納入が始まりました。国内大手や海外企業からの問合せも増加し、国内外の展示会への出展で業界やメディアから注目を集めています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性VR・デジタルツインの技術力と、コロナ禍での空間モニタリング需要の高まりを結び付け、既存資源を生かした展開として具体的に述べている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療機関への導入実績と中堅大手製造業への納入、国内外からの問合せ増加により、顧客ニーズと選ばれる理由が裏付けられている。
  • 4
    新しさ・高付加価値空間の人検知と空気環境を3次元で統合した可視化は新しい分野で、製造業の設備総合効率を自動計算する機能まで含めた高付加価値化が読み取れる。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載されておらず、実現可能性の数値的裏付けは読み取れない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    デジタルツイン事業を展開していた創業以来の延長で、空間モニタリングを新規展開として位置付けており、事業の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    VR・デジタルツインの技術力と、コロナ禍での空間モニタリング需要の高まりを結び付け、既存資源を生かした展開として具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決3

    感染防止対策での接触機会減少ニーズを課題として捉え、製造業向けのZEKOO販売という成長につながる展開を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載されておらず、実現可能性の数値的裏付けは読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    制御・表示システムの開発を段階的に進め、テストで出た誤検知や通信途切れを修正して正常動作を確認しており、遂行体制と対応力が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関への導入実績と中堅大手製造業への納入、国内外からの問合せ増加により、顧客ニーズと選ばれる理由が裏付けられている。

  • 事業化までの道筋3

    テストで判明した誤検知や通信途切れの課題に対し、プログラム修正や部品交換で解決した経緯と、2025年7月の販売開始時期が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    空間の人検知と空気環境を3次元で統合した可視化は新しい分野で、製造業の設備総合効率を自動計算する機能まで含めた高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    感染防止や工場の安全管理、生産効率向上に寄与し、国内外の展示会で注目を集めるなど社会的な有用性が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    人検知センサーやIoT空気環境センサーを連携させた3次元デジタルツインで、工場の設備・作業員の状況をリアルタイム可視化しており、先端デジタル技術の活用が明確である。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    デジタルツインを製造業の空間モニタリングへ展開しており、製造業のデジタル化という成長分野への進出として構造転換に資すると読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を生かした付加価値創出や雇用・地域経済への波及に関する記述は薄く、地域性の根拠が弱い。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。