世界初!缶バッジ製造工程の全自動化による国内量産化体制の構築

静岡県の製造業の会社が、ものづくり補助金で缶バッジの製造工程を全自動化し、不良率を下げて国内量産体制を整えた採択事例です。

有限会社ナッシュ

成果不良率が15〜20%であったものが5%に削減できた

この事例のポイント

  • 缶バッジの製造工程では、ラミネート加工とデザイン画の型抜きを作業員の手作業で行っており、大量の受注があると作業員の確保が課題になっていました。
  • 同社は、これまで手作業で行っていたラミネート加工とデザイン画の型抜き工程を全自動化するため、3種類の機械を導入しました。
  • 不良率が15〜20%であったものが5%に削減できた。不良率が15〜20%から5%に削減され、安定した品質を確保できるようになりました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ナッシュ
所在地静岡県 藤枝市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
資本金300万円
設立2006年

事業の背景

缶バッジは、アニメ・ゲーム業界のライセンスキャラクターグッズの中でもコレクターグッズとして人気が高く、2000年代後半から市場が急成長しています。日本国内で流通するオリジナル缶バッジは年間約1億個とされ、そのうち国内生産は約4,000万個、残りの約6,000万個は中国など海外で生産されています。

海外製は粗悪品も多いため、品質向上に向けた国内生産のニーズが年々高まっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能缶バッジの製造工程では、ラミネート加工とデザイン画の型抜きを作業員の手作業で行っており、大量の受注があると作業員の確保が課題になっていました。
  • 品質・精度製造工程が手作業のため不良率が15〜20%と高く、安定した品質を確保することが難しい状況でした。
  • 生産能力海外製の缶バッジは納期が守られないことが多く、国内で約定通りに納品できる安定した製造体制と量産化体制の構築が求められていました。

やったこと

同社は、これまで手作業で行っていたラミネート加工とデザイン画の型抜き工程を全自動化するため、3種類の機械を導入しました。製缶プレス工程では、高精度なプレス加工が可能な「缶バッジ半自動機」を導入しました。

ラミネート加工工程では、高精度かつ全自動の「全自動PPラミネーター」を導入しました。型抜き工程では、センサーによる高精度なカットを自動で行う「ロータリーダイカッター」を導入しました。

これらの機械の導入により、製造量が増加しても品質を確保できる生産体制を確立しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 不良率が15〜20%であったものが5%に削減できた

不良率が15〜20%から5%に削減され、安定した品質を確保できるようになりました。製造工程の自動化により生産性と安全性が向上し、月間で約30万個の缶バッジを製造できる体制が整いました。

受注量が増加しても安定して納品できる体制を整え、製造コストの削減も実現しました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内生産は約4,000万個に対し海外が約6,000万個という市場構造を踏まえ、品質と納期で海外品に対抗する強みを示している。
  • 4
    課題の認識と解決手作業工程が課題と明示され、不良率15~20%を5%に削減する解決策として自動化を位置付けている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標月間約30万個の生産が可能になったと具体的な生産能力が示され、受注増への対応力も裏付けられている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果生産性や安全性の向上は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数字は見当たらない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    手作業ラミネート・型抜きが大量受注のボトルネックだったことを起点に、全自動化へ投資する一貫した流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内生産は約4,000万個に対し海外が約6,000万個という市場構造を踏まえ、品質と納期で海外品に対抗する強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    手作業工程が課題と明示され、不良率15~20%を5%に削減する解決策として自動化を位置付けている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月間約30万個の生産が可能になったと具体的な生産能力が示され、受注増への対応力も裏付けられている。

  • 事業を進める体制3

    導入機械3種類と生産体制の整備が記載されているが、社内の人員や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アニメ・ゲームのライセンスグッズ需要や、高品質・納期遵守という海外品にない選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入機械の導入順や稼働による生産体制確立の流れは書かれているが、中長期の検証や詳細スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    国内生産が市場の約4割にとどまる中、高品質オリジナル缶バッジで高付加価値化を図る点が明確に示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    国内生産拠点の回帰、製造現場の軽作業化による女性・高齢者・障害者の雇用創出、地域企業との連携が書かれている。

  • 費用対効果2

    生産性や安全性の向上は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数字は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献3

    高精度な全自動ラミネーターやダイカッターを導入し、サプライチェーンの梱包・物流企業との連携を図る計画がある。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    海外製造から国内生産へのシフトに触れるが、日本経済の構造転換としての市場成長分野への位置付けは明確でない。

  • 地域経済への波及3

    藤枝市の地域企業とのパートナーシップ構築や、国内のアニメ・ゲーム業界との連携による地域内の受注増が見込まれている。

今後の展望

海外にも人気のある国内のアニメ、マンガ、ゲーム業界等と連携して、さらなる受注の増加を図っていきたいと考えています。受注の増加に伴い、女性や高齢者、障害者など多様な人材の雇用を検討しています。

また、梱包資材や物流に携わる地域関連企業とのパートナーシップの構築を図りたいと考えています。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。