オーダーメイド品・小ロット品の生産対応力強化事業

京都府の従業員15人の製造業者が、ものづくり補助金で新型断裁機を導入し、段取り時間やリードタイムを短くした採択事例です。

有限会社中央パック

成果段取り作業時間 3分→1分

この事例のポイント

  • 小断裁工程がボトルネックとなり、多品種・小ロットのオーダーメイド品の生産能力が不足し、新規受注を断る場面も生じていました。
  • 小断裁工程のボトルネック解消のため、新型断裁機「パットエースPA1500」を導入しました。
  • 段取り作業時間 3分→1分。段取り作業は従来の3~5分から1~2分へ大幅に短縮され、最大約80%の効率化を達成しました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中央パック
所在地京都府 京都府宇治市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数15人
資本金6,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は京都府宇治市を拠点とする段ボール製造業で、精密部品加工業者や加工食品卸売業者など高い要求水準の顧客に対応しています。小ロットやオーダーメイド製品、特にパッド製品に定評があり、オーダーメイド・ワンストップ対応力が評価されて大手企業との直取引を複数維持しています。

業界では汎用品の量産段ボール箱の利益率が低下する一方、多品種・小ロットのオーダーメイド品の需要は増加しており、段ボール業界全体は停滞傾向にあります。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力小断裁工程がボトルネックとなり、多品種・小ロットのオーダーメイド品の生産能力が不足し、新規受注を断る場面も生じていました。
  • 人手・技能段取り替えでは刃物を手動でセッティングし、資材の送り装置をネジで固定するなど手間と時間を要し、熟練工の勘と経験に依存していました。
  • 品質・精度旧世代の機械(30年使用)は加工精度が不安定で、資材ロス(廃棄ロス率3%台)が発生していました。
  • コスト・採算汎用品の量産段ボール箱は利益率が低下していました。

やったこと

小断裁工程のボトルネック解消のため、新型断裁機「パットエースPA1500」を導入しました。この機械は自動補正が可能で、高精度な加工を実現します。

材料投入工程はベルトとエアー吸着による自動送り機能を搭載しており、材料を確実に吸着させてフラットに保ち、正確に給紙します。切断刃の位置決めは自動化され、タッチパネル操作により熟練工に頼らず簡単な入力のみで高精度な加工を維持できます。

新設備に合わせて作業の標準化とマニュアル整備を進め、多能工化を推進しました。機械が自動で加工条件を調整する機能やセンサーによる自動安全停止機能も備えており、技能習得途上の従業員でも安心して作業に挑戦できるようになりました。

新しい製品・サービス:段ボール製の和太鼓

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 段取り作業時間 3分→1分
  • 資材の加工不良による廃棄ロス率 3%→2%
  • 総リードタイム 3日→1日

段取り作業は従来の3~5分から1~2分へ大幅に短縮され、最大約80%の効率化を達成しました。機械加工精度の向上により加工不良による廃棄ロス率は3%台から2%未満へ低減しました。

材料投入から出荷までの総リードタイムも3~5日から1~2日へ短縮され、顧客の短納期の要望に対応できるようになりました。単位製品あたりの加工コストも低減し、競合他社に対する価格面での競争優位性も確保し、残業削減と人的余力の捻出も実現しています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性小ロット・オーダーメイド対応とワンストップ力が大手企業との直取引を複数維持する強みとして明確に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決段取り作業を3~5分から1~2分に短縮、ロス率3%台から2%未満への低減など、課題に対応する実効性の高い計画である。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標段取り作業の最大約80%効率化、総リードタイムを3~5日から1~2日へ短縮など、数値目標と達成結果が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    波及効果・雇用地域経済や雇用創出への波及効果の記述は乏しく、国が補助する積極的理由は弱い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    旧世代機の手作業課題に対し小断裁工程へ自動機を導入する計画で、既存の段ボール事業の延長として一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット・オーダーメイド対応とワンストップ力が大手企業との直取引を複数維持する強みとして明確に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    段取り作業を3~5分から1~2分に短縮、ロス率3%台から2%未満への低減など、課題に対応する実効性の高い計画である。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    段取り作業の最大約80%効率化、総リードタイムを3~5日から1~2日へ短縮など、数値目標と達成結果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    作業標準化やマニュアル整備、多能工化を進め、技能継承の体制を構築した取組が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット・オーダーメイド品と顧客の短納期要望を対象とし、大手企業との直取引など選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の標準化・多能工化や今後の新規顧客開拓、高付加価値商品開発の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    汎用量産品の利益率低下に対し、多品種・小ロットのオーダーメイド品という高付加価値分野で高価格化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地域経済や雇用創出への波及効果の記述は乏しく、国が補助する積極的理由は弱い。

  • 費用対効果3

    段取り時間の大幅短縮や廃棄ロス率の低減、単位加工コストの削減など、生産性向上の成果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    自動送り・自動加工条件調整などの新機械導入により、熟練依存からの脱却と技能継承の難易度低減に寄与している。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    段ボール業界の停滞下で高付加価値化を目指す記述はあるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    京都の地域企業として伝統文化と結びつく和太鼓商品に触れるが、地域経済や雇用への波及は明示されていない。

今後の展望

今後は、磨かれた小ロット・オーダーメイド品への対応力を強みとして、新たな顧客開拓に集中します。あわせて、従来の段ボール製品の常識に留まらない高付加価値商品の開発にも意欲的に挑戦します。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。