偽造防止デザインの高度化や高品質要求に対応した印刷物の作成

京都府の従業員43人の印刷物製造業が、ものづくり補助金でRIPシステムと製版機を導入し、生産速度を約2倍に高めた採択事例です。

株式会社田中印刷

成果生産速度は約2倍となりました。

この事例のポイント

  • 入稿データの多くが機械的に印刷処理できず、オペレーターの人手による多大な変換作業が必要で、受注対応に限界がありました。
  • 本事業で最新型RIPシステム『EQUIOS』への統一を進め、入稿データの様々なソフトの多機能・複雑化するバージョンにも機械的に対応できるようにしました。
  • 生産速度は約2倍となりました。新設備の導入により生産性と製造コストが改善し、生産速度は約2倍となり利益率も改善しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社田中印刷
所在地京都府 京都市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数43人
資本金4.5億円
設立1981年

事業の背景

当社は1950年に創業し、名刺・封筒から連続打出し用帳票、手書き用伝票、医薬品関連印刷物、金券類の印刷へと、お客様のニーズに合わせ付加価値の高い商品へ進化させてきました。印刷市場はデジタル化、ペーパレス化で縮小する一方、コロナ禍で自治体・企業の商品券等が増加しました。

また、ワクチン接種券や予診票では個人情報保護に留意したバリアブル印刷が求められました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度入稿データの多くが機械的に印刷処理できず、オペレーターの人手による多大な変換作業が必要で、受注対応に限界がありました。
  • 新製品・新技術偽造防止技術などセキュリティ要求の高い印刷物について、高品質化への対応が求められていました。
  • 生産能力印刷市場はデジタル化、ペーパレス化で縮小しており、限られた予算でより高度な偽造防止機能が求められていました。

やったこと

本事業で最新型RIPシステム『EQUIOS』への統一を進め、入稿データの様々なソフトの多機能・複雑化するバージョンにも機械的に対応できるようにしました。製版機にはサーマルプレートレコーダー刷版機を導入し、ファイバーレーザーダイオード光源により、線・横線のバランスが良い忠実な網点描画が可能になりました。

これによりコピーガードとして要求される繊細なデザインも印刷物に反映できるようになりました。

新しい製品・サービス:偽造防止デザインを高度化した商品券・金券類や、合紙を用いて形・大きさ・色・強度を変えたオリジナル色紙などの印刷・加工製品。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • RIPシステム『EQUIOS』設備の種類:その他の設備
  • サーマルプレートレコーダー刷版機設備の種類:印刷機

事業の効果

  • 生産速度は約2倍となりました。

新設備の導入により生産性と製造コストが改善し、生産速度は約2倍となり利益率も改善しました。RIP処理の統一により入稿データを安全に変換できるようになり、偽造防止デザインの高度化や高品質な印刷物の提供が可能になりました。

今後は情報加工サービスとして価値創造を図っていきます。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1950年創業以来、名刺・封筒から金券類へと主要製品を進化させてきた経緯があり、偽造防止加工を今後の価値創造の柱に位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高い印刷加工技術で市場ニーズをいち早く実現できる強みを示し、セキュリティ印刷とバリアブル印刷の両方が社内一貫で可能な点を優位性として挙げている。
  • 4
    課題の認識と解決入稿データの手作業変換が受注の限界だったという課題を認識し、RIPの統一で機械対応させ、生産速度約2倍・利益率改善という解決を示している。

もう一歩だった観点

  • 2
    地域経済への波及京都市の企業として地域の商品券需要に触れているが、地域特性を活かした雇用・地域経済の牽引についての記述は弱い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    1950年創業以来、名刺・封筒から金券類へと主要製品を進化させてきた経緯があり、偽造防止加工を今後の価値創造の柱に位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高い印刷加工技術で市場ニーズをいち早く実現できる強みを示し、セキュリティ印刷とバリアブル印刷の両方が社内一貫で可能な点を優位性として挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    入稿データの手作業変換が受注の限界だったという課題を認識し、RIPの統一で機械対応させ、生産速度約2倍・利益率改善という解決を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産速度が約2倍になり利益率も改善したと記載があるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    社内工場で偽造防止技術の実績があり、各工程の品質検査体制を整えて社内一貫生産している点から、遂行体制は十分に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自治体・企業の商品券やワクチン接種券の需要を背景に、偽造防止や個人情報対応の印刷を求められる顧客ターゲットとニーズが明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ペーパレス化を見据え、専用データ作成や偽造防止技術の開発、品質管理体制の向上を今後の課題と方向性として示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    偽造防止デザインの高度化や高品質要求に応じ、コレクタブル色紙など他社に少ない価値創造の仕事を展開しており、高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    コロナ禍での自治体商品券・ワクチン接種券の需要や個人情報保護の要請に触れ、社会的need対応の観点はあるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    サーマルプレートレコーダーやRIP統一による先端設備化を進め、協力会社と複合的提案を行うなど、サプライチェーンでの価値共創が読み取れる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    印刷市場の縮小を背景に、情報加工サービスとしての価値創造へ転換する方向性を示しており、構造転換への言及がある。

  • 地域経済への波及2

    京都市の企業として地域の商品券需要に触れているが、地域特性を活かした雇用・地域経済の牽引についての記述は弱い。

今後の展望

従来の「紙」から「情報」に焦点をあて、情報加工サービスとして価値創造を図っていきます。残る紙や嗜好品の紙に着目し、印刷と加工の組み合わせで付加価値を高めていきます。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。