カスタマイズソックスを新たな販売網を駆使してD2Cを確立する

奈良県の靴下製造業者が、ものづくり補助金で海外製編機を改造し、超ハイループの柄物パイルソックスを開発した採択事例です。

株式会社塚本

この事例のポイント

  • 元々少品種多ロットの量産OEMを事業形態としていたが、海外製品による価格競争が激化していた。
  • 補助事業により海外製の編機を導入しました。
  • 超ハイループパイル編みと柄物の両立により、自社ブランド向けの新製品「カスタマイズパイルソックス」が完成しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社塚本
所在地奈良県 広陵町
業種繊維工業
技術分野デザイン,機械制御

事業の背景

当社は靴下製造を生業とし、靴下とファッション雑貨のOEMを主要事業としている。自社ブランド「ELEPHANT CLUB」を展開し、自社工場内の編機の多くがパイル編み対応機である。

元々は少品種多ロットの量産OEMを事業形態としていたが、海外製品による価格競争の激化を受け、多品種小ロットで高付加価値を訴求する方針へ転換してきた。コロナ禍による生活様式の変化で靴下市場の需要動向にも影響が出ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力元々少品種多ロットの量産OEMを事業形態としていたが、海外製品による価格競争が激化していた。
  • 新製品・新技術巣ごもり需要の拡大でルームソックスを展開するメーカーが増加しており、自社ブランド向けの新製品が必要だった。
  • 新製品・新技術超ハイループと柄物を両立させたパイル編みの新製品を企画したが、編機の改造が必要だった。
  • 新製品・新技術現有機の国内メーカーは既に廃業していたため、改造可能な海外メーカーの編機を導入する必要があった。

やったこと

補助事業により海外製の編機を導入しました。特注改造を施すことで、通常品に比べてループ高が圧倒的に高い超ハイループパイル編みを実現しました。

同時に柄物の設定も可能となり、編み方の開発と確立を目的とした「カスタマイズパイルソックス」を完成させました。このソックスは自社ブランド「ELEPHANT CLUB」の看板商品として、色や柄、編み方を調整しつつ展開していきます。

新しい製品・サービス:カスタマイズパイルソックス(超ハイループかつ柄物のパイル編み靴下)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 海外メーカー製編機特注改造品設備の種類:縫製・繊維

事業の効果

超ハイループパイル編みと柄物の両立により、自社ブランド向けの新製品「カスタマイズパイルソックス」が完成しました。ものづくり補助事業による設備導入で新作の企画開発が進み、難しい企画を形にできる環境が整いました。

今後は同ソックスを看板商品として展開し、ブランドのD2C化とOEMの販促効果を狙います。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性少品種多ロットのOEMから多品種小ロットへの転換と、自社ブランドELEPHANT CLUBの展開が一貫して示され、事業方針との連続性が明確。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内編機メーカーが廃業し海外製編機で超ハイループ×柄物を実現、国内で代替が少ない独自性を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け巣ごもり需要でルームソックスを展開するメーカーが増加している市場動向を根拠に、超ハイループ柄物の独自性を訴求している。

もう一歩だった観点

  • 2
    波及効果・雇用国内の編機メーカー廃業に触れるが、地域経済や雇用への波及効果は記載がなく、国が補助する理由は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    少品種多ロットのOEMから多品種小ロットへの転換と、自社ブランドELEPHANT CLUBの展開が一貫して示され、事業方針との連続性が明確。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内編機メーカーが廃業し海外製編機で超ハイループ×柄物を実現、国内で代替が少ない独自性を示している。

  • 課題の認識と解決3

    海外製品による価格競争激化を課題と認識し、多品種小ロットで高付加価値を訴求する計画で対応している。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    自社工場に編機を保有し製造から出荷検針まで国内自社工場で行う体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    巣ごもり需要でルームソックスを展開するメーカーが増加している市場動向を根拠に、超ハイループ柄物の独自性を訴求している。

  • 事業化までの道筋3

    新製品を看板商品として色・柄・編み方を調整しつつ展開し、自社EC・自社販売所等で販路拡大する方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    超ハイループ×柄物の両立は国内で類例が少なく、パイル編み特化で高付加価値・高価格化を図る内容になっている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    国内の編機メーカー廃業に触れるが、地域経済や雇用への波及効果は記載がなく、国が補助する理由は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    海外製編機の導入で新製品を開発するが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載が薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    広陵町ふるさと納税返礼品への採用を契機にブランド展開しており、地域の特性を活かした事業といえる。

今後の展望

自社ブランド「ELEPHANT CLUB」をD2Cブランドとして再構築し、自社販売所・自社ECサイト・他ECモール等で販路拡大を目指すとともに、主要事業であるOEMの販促効果も狙います。引き続きラインナップ拡充を目指し新作の企画開発を行います。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。