新事業拡大に向けたワイヤーハーネス生産体制のプロセス改善計画

島根県の従業員42人の製造業が、ものづくり補助金でワイヤーハーネスの生産設備を機械化し、量産化と高精度化を目指した採択事例です。

仁摩電器株式会社

成果ハンダ付け後の不良率 25%→5%

この事例のポイント

  • 従来の設備体制では大手からの大量注文に対応することが難しかった。
  • 関西の大手メーカーからガス警報器部品の生産委託を受けるにあたり、電動ロータリーストリッパー、全自動電線切断皮剥機、高精度画像寸法測定器などを導入しました。
  • ハンダ付け後の不良率 25%→5%。電動化と高精度測定器の導入により、ワイヤーハーネス加工の量産化と高精度化を実現しました。

事業者のプロフィール

事業者名仁摩電器株式会社
所在地島根県 大田市
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数42人
資本金1億円
設立1967年

事業の背景

1967年の創業以来、大手家電メーカーの共栄会社として自動車向け雑音防止用コンデンサの製造に注力してきました。グローバル化やリーマンショックの影響で受注が減り始めてからは、既存事業の枠にとらわれない多角化を積極的に進めてきました。

2013年に3代目を継いだ大畑拓治社長のもとで新事業を次々に展開し、ワイヤーハーネス加工もその一つとして軌道に乗り始めました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備体制では大手からの大量注文に対応することが難しかった。
  • 品質・精度電線の切断や先端被覆部の削り取り、ハンダ付けを一つ一つ手作業で行っており、時間がかかるうえ品質が不安定で、ロスが多かった。

やったこと

関西の大手メーカーからガス警報器部品の生産委託を受けるにあたり、電動ロータリーストリッパー、全自動電線切断皮剥機、高精度画像寸法測定器などを導入しました。これにより電線の切断や先端被覆部の削り取り、ハンダ付けを機械化し、量産化と高精度化を進めました。

ハンダあげ後の直径が0.8ミリ以下まで可能になりました。

新しい製品・サービス:ワイヤーハーネス加工

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • ハンダ付け後の不良率 25%→5%
  • 1日の生産数が従来の約3倍の300本となった。

電動化と高精度測定器の導入により、ワイヤーハーネス加工の量産化と高精度化を実現しました。不良率は25%から5%に下がり、1日の生産数は従来の約3倍の300本になりました。

ロスも減り、大手メーカーとの契約獲得につながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性既存のコンデンサ製造技術を基に、2013年以降の多角化を一貫して進めてきた経緯が具体的に書かれ、ワイヤーハーネス加工も新事業の一つとして位置付けられている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性名刺交換5000人超の営業と半世紀の技術力が信頼を得て、海外ロックダウンも追い風になったとある。大手からの受注獲得で外部環境と強みを結び付けている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業による時間とロスの多さを課題として認識し、不良率25%を5%に低減、1日の生産数を約3倍の300本に高めた点で高付加価値化につながっている。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    既存のコンデンサ製造技術を基に、2013年以降の多角化を一貫して進めてきた経緯が具体的に書かれ、ワイヤーハーネス加工も新事業の一つとして位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    名刺交換5000人超の営業と半世紀の技術力が信頼を得て、海外ロックダウンも追い風になったとある。大手からの受注獲得で外部環境と強みを結び付けている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による時間とロスの多さを課題として認識し、不良率25%を5%に低減、1日の生産数を約3倍の300本に高めた点で高付加価値化につながっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率25%から5%、1日の生産数が従来の約3倍の300本という実績が示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社長のトップセールスや社員が導入設備を活用する体制、ISO9001の取得など品質・生産管理に注力してきた事実が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手関西メーカーからガス警報器部品の生産委託を獲得し、量産化と高精度化で選ばれた理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は蓄電池やエアコン室外機の配線など多品目への営業展開を進める方針が示され、次の展開の方向性は示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    電線の切断や皮剥を全自動化し、ハンダ付けの品質を高めた生産体制は、同分野で高水準の品質を実現している点が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地元仁摩地区に働く場所を残すことを使命とし、雇用を守る目的が示されており、地域の雇用維持への貢献が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    大田市仁摩町という地方の立地で、地元の雇用を守りながら事業多角化を進めている点は、地域の経済成長に寄与する事業と読み取れる。

今後の展望

大畑社長は、10〜20年後を見据えて仁摩地区に働く場所を残すため、挑戦を続けたいとしています。大手からの受注が続くよう、多品目営業も進めています。

事業者の声

雇用を守るために無我夢中で新事業展開を進めました

5000人に営業をかけても仕事に結びつくのは数パーセント。それでも、閉塞感が漂っていた社内に風が吹き、社員の顔つきも変わっていきました

ガス警報器に加え、蓄電池やエアコン室外機の配線など、他の部品へもプッシュをかけています

仁摩地区に働く場所を残すのは、私の使命。10〜20年後を見据えて、挑戦を続けたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。