AIカメラを活用した画像解析ソリューションで検査業務の効率化

島根県の製造業が、ものづくり補助金でAIカメラを使った画像検査システムを導入し、検査業務の効率化を目指した事例です。

株式会社ケイ・エフ・ジー

この事例のポイント

  • 2024年1月の能登地震後に備蓄用商品の受注が立て込み、工場をフル稼働しても生産が追い付かない状況になりました。
  • AIカメラを活用した画像検査システムを導入し、2024年11月から稼働させました。
  • AIカメラによる画像検査により、ヒューマンエラーを解消し、品質の担保と生産性の向上を実現しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ケイ・エフ・ジー
所在地島根県 浜田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
設立1989年

事業の背景

島根県浜田市金城町に本社を置く同社は、地下水を原水とするミネラル水を扱い、1995年からミネラルウォーター「金城の華」などの自社ブランドに加え、大手コンビニや飲料メーカー、生協向けのOEMも展開してきました。現在は約80種類を販売しています。

2011年の東日本大震災以降は水のライフラインとしての価値が注目され、2012年に7年間保存できる「純天然アルカリ保存水」を国内で初めて販売しました。その後、災害が多発して受注が増え、生産能力が限られる中でOEM商品より利益率の高い自社製品への転換が課題になっていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力2024年1月の能登地震後に備蓄用商品の受注が立て込み、工場をフル稼働しても生産が追い付かない状況になりました。
  • 品質・精度ボトルの形状やラベル位置、印字不良、異物混入のチェックを人やカメラで行っていましたが、光がペットボトルの水に乱反射して容器内の異物が見えにくいという難点がありました。
  • 人手・技能品質の担保と生産性の向上、従業員の負担軽減が必要になっていました。
  • コスト・採算OEM商品より利益率の高い自社製品へのシフトを進める必要があり、高騰する配送コストも課題になっていました。

やったこと

AIカメラを活用した画像検査システムを導入し、2024年11月から稼働させました。システムは、ボトルの形状、ラベルの位置・印字不良、異物混入などのチェックをスピーディかつ正確に行えるようにしました。

AIは1mm以下の物体まで見抜くことができます。現在は目視検査を併用しています。

新しい製品・サービス:備蓄用として10年間保存できる「純天然アルカリ保存水」を2025年8月から製造し、同年9月から販売しています。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

AIカメラによる画像検査により、ヒューマンエラーを解消し、品質の担保と生産性の向上を実現しました。目視に頼っていた検査が効率化され、従業員の負担軽減にもつながりました。

検査体制の見直しにより、余剰人材をより付加価値の高い業務へ振り向ける見込みです。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地下数百㍍の泉源や非加熱6段階ろ過など自社の水資源の強みを活かし、震災後の需要増に応える備蓄用商品で優位性を示している。
  • 4
    課題の認識と解決生産能力が限られる中でOEMより利益率の高い自社製品へ移行し、自社製品は2年連続前年度比150%の売上を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け大手コンビニや生協向けOEMの実績、10年保存の備蓄需要に応える製品特長など、ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果生産性向上や従業員負担軽減は触れられているが、補助金額に対する費用対効果を示す数字がない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1995年からの自社ブランド展開と、2012年の純天然アルカリ保存水発売など過去の取組を踏まえ、自社製品シフトを進めている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地下数百㍍の泉源や非加熱6段階ろ過など自社の水資源の強みを活かし、震災後の需要増に応える備蓄用商品で優位性を示している。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力が限られる中でOEMより利益率の高い自社製品へ移行し、自社製品は2年連続前年度比150%の売上を示している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    AI検査で余剰人材を付加価値業務へ振り向ける計画が示されているが、賃上げや付加価値額の目標値は具体的に書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    2024年11月にAI画像検査システムを導入済みで、工場スタッフが運用している体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手コンビニや生協向けOEMの実績、10年保存の備蓄需要に応える製品特長など、ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    2025年8月から10年保存水の製造を開始し、品質データを確認した上で翌月販売する段取りが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で初めて7年間保存水を販売し、その後10年保存の商品を展開するなど、備蓄用保存水分野で先行した高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    能登地震後の災害備蓄需要に応え、地元の自然の価値発信にもつながるとしており、地域経済への波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    生産性向上や従業員負担軽減は触れられているが、補助金額に対する費用対効果を示す数字がない。

  • イノベーションへの貢献3

    AIカメラによる画像検査で1mm以下の異物まで検出する先端技術の活用が示されている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    浜田市金城町の地下水という地域資源を活かし、地元の自然の価値発信につなげる事業であることが示されている。

今後の展望

システムの有効性を確認できるデータがそろい次第AIに一本化し、余剰人材をより付加価値の高い業務にシフトする予定です。

事業者の声

金城は良質な温泉地帯で、自然のろ過による高品質な水が生まれる。日本一おいしい水だと自信があります

創業から30年を迎えるが、ボトリングした天然水が、30年間成分が変わらないデータも保有しており、品質には自信があります

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。