革新的設備導入で品質・生産性向上による新たな販路開拓

徳島県の農業・林業の4人の会社が、ものづくり補助金で革新的設備を導入し、品質と生産性を高めて新たな販路を開拓した採択事例です。

この事例のポイント

  • 作付け面積と人材の不足により、近年の需要増に十分対応できていませんでした。
  • CO2排出のないHELL社製リチウムイオンバッテリーフォークリフトとパレットトラックを導入しました。
  • リチウムイオンバッテリーフォークリフトは現行機の8割減の充電時間で済み、早朝から夜まで作業できるようになりフル稼働の出荷が可能になりました。

事業者のプロフィール

所在地徳島県 徳島市
業種農業
従業員数4人
設立1875年

事業の背景

森農園は徳島県徳島市で、育苗から生産、収穫、販売までを一貫して行い、安心安全なサツマイモを生産しています。水害で稲作ができなくなった土地を祖父が再生し、サンドポンプで砂を入れてサツマイモ栽培の基盤を築きました。

紅色のきれいなサツマイモを使った新たなブランド「もりのべに」を生み出しましたが、需要の増加に生産が追いついていませんでした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力作付け面積と人材の不足により、近年の需要増に十分対応できていませんでした。
  • 人手・技能作業が非効率で、主たる担い手である高齢の両親の負担が大きくなっていました。
  • 品質・精度現行のフォークリフトは排ガスが煤となって商品に付着し、品質劣化の原因になっていました。
  • コスト・採算煤を洗浄する作業がコストの負担になっていました。
  • 生産能力フォークリフトは一台しかなく、稼働中は他の作業が止まってしまう非効率がありました。

やったこと

CO2排出のないHELL社製リチウムイオンバッテリーフォークリフトとパレットトラックを導入しました。これにより排ガスによる煤の付着を防ぎ、洗浄の手間を減らすことにしました。

一台しかなかったフォークリフトの稼働中に他の作業が止まる問題を解消するため、免許不要で女性にも扱いやすい国産のスーパーミニローダも導入しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

リチウムイオンバッテリーフォークリフトは現行機の8割減の充電時間で済み、早朝から夜まで作業できるようになりフル稼働の出荷が可能になりました。サツマイモに付着する煤の洗浄の手間もなくなりました。

パレットトラックとミニローダにより重労働と非効率が解消されました。捻出できた時間を贈答用「もりのべに」のブランド化と高付加価値化に振り向けたことで、販路開拓につながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性安心安全な品質と「もりのべに」ブランドを強みとし、煤付着の解消や効率化で贈答用の販路開拓につなげた点が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決人手不足と高齢両親の負担、排ガス煤による品質劣化という課題を特定し、設備導入で解消して高付加価値化に振り向けている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け紅色の品質と「もりのべに」というブランドを明確に打ち出し、贈答用として展示会や商談会で販路を開拓し契約につなげた。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標賃上げや付加価値額の目標値は書かれておらず、販路拡大や契約が進んだという結果のみで、目標値と実現可能性は読み取りにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    祖父の代から続くサツマイモ栽培と一貫生産の取組を前提に、設備投資で効率化しブランド化を進める流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    安心安全な品質と「もりのべに」ブランドを強みとし、煤付着の解消や効率化で贈答用の販路開拓につなげた点が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足と高齢両親の負担、排ガス煤による品質劣化という課題を特定し、設備導入で解消して高付加価値化に振り向けている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は書かれておらず、販路拡大や契約が進んだという結果のみで、目標値と実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    従業員4名で高齢の両親が担い手の体制だが、設備導入後も出荷と商談を回せていることが書かれており、遂行体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    紅色の品質と「もりのべに」というブランドを明確に打ち出し、贈答用として展示会や商談会で販路を開拓し契約につなげた。

  • 事業化までの道筋2

    設備導入によって効率化し販路を開いた流れは書かれているが、中長期の検証や導入スケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既存のサツマイモ市場で、海砂と伏流水の環境から生まれた紅色のブランド「もりのべに」を贈答用の高価格帯として展開している。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の基盤づくりや雇用への言及は弱く、国が補助する波及効果や社会的インフラとしての理由は明確に書かれていない。

  • 費用対効果2

    効率化で捻出した時間を高付加価値化に振り向けたと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    リチウムイオンバッテリーの導入でCO2排出をなくした点は触れているが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    吉野川の伏流水や海砂、潮風という地域特性を活かした「もりのべに」を地域で育み、販路を広げている点が具体的に書かれている。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。