高耐久性紙提灯の自動折機導入による、野外でも使用可能な安価な紙提灯の開発

大分県の製造業が、ものづくり補助金で紙提灯の自動折り機を導入し、野外でも使える安価な紙提灯の受注を増やした採択事例です。

株式会社宇佐ランタン

この事例のポイント

  • 高耐久性加工紙製の提灯は出荷時の折り畳みを手作業で行うしかなく、大量生産に応じられませんでした。
  • 補助金は、同社が開発した特許製品である高耐久性加工紙を使った提灯の自動折り機の製作に活用しました。
  • 自動折り機の稼働開始後、高耐久性加工紙を使った提灯の受注が増加しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社宇佐ランタン
所在地大分県 宇佐市
業種その他の製造業
技術分野複合・新機能材料,材料製造プロセス
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

株式会社宇佐ランタンは宇佐市でビニール製提灯の工場を持つ製造メーカーで、ビニール製提灯ではトップシェアを誇ります。取り扱い品目は24種で、1日約500個の生産能力による大量受注や短納期対応も可能です。

安価な中国製のビニール製提灯とは価格競争力で劣りますが、受注から製造、納品までのワンストップ体制が強みとなっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高耐久性加工紙製の提灯は出荷時の折り畳みを手作業で行うしかなく、大量生産に応じられませんでした。

やったこと

補助金は、同社が開発した特許製品である高耐久性加工紙を使った提灯の自動折り機の製作に活用しました。約3年の期間をかけて専用の自動折り機を完成させました。

この機械は提灯を通すだけで紙を傷つけることなくジャバラ状に折り畳む仕組みです。提灯の形状やサイズに応じて自在に調整でき、操作性も優れており、多数の受注に耐えられる仕様となっています。

新しい製品・サービス:ビニール製と紙製の両方のメリットを持つ高耐久性加工紙で作られた提灯

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

自動折り機の稼働開始後、高耐久性加工紙を使った提灯の受注が増加しました。導入前は年間でわずか30個程度の出荷にとどまっていましたが、2021年5月導入から9月までに約300個、翌年4月までの7ヶ月で約700個と出荷数が伸びています。

飲食店の店頭や商業施設、神社仏閣などの取引先で人気を高め、紙製品ならではの趣きが評価されています。また、新たな取引先の開拓や素材を生かしたデザインの広がりも期待できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性中国製との価格競争では劣るが、受注から製造・納品までのワンストップ体制と1日500個の生産能力を強みとして示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けビニール製と紙製の両方のメリットを持つ素材で、和紙の風合いを求める飲食店や神社仏閣の顧客ニーズに応えている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ビニール製と紙製の両方の利点を持つ特許の高耐久性加工紙で、和紙風合いを出せる新たな提灯を作り、高付加価値化を図っている。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ビニール製提灯のトップシェアという主力事業の延長で、特許の高耐久性加工紙製提灯の量産体制を整える計画になっている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国製との価格競争では劣るが、受注から製造・納品までのワンストップ体制と1日500個の生産能力を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の折り畳みが大量生産の障害だった課題を認識し、約3年かけて自動折り機を開発して解決に向かっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間約30個だった出荷数が導入後に9月まで約300個、翌年4月までの7か月で約700個に伸びており、目標の根拠は示されている。

  • 事業を進める体制3

    障がい者雇用の先進企業として工場の体制を整え、大分大学と共同で製造機械を開発してきた実績がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ビニール製と紙製の両方のメリットを持つ素材で、和紙の風合いを求める飲食店や神社仏閣の顧客ニーズに応えている。

  • 事業化までの道筋3

    高耐久性加工紙製提灯の取り扱いを10年の長期スパンで増やす計画と、障がい者も操作できる体制づくりの方針を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ビニール製と紙製の両方の利点を持つ特許の高耐久性加工紙で、和紙風合いを出せる新たな提灯を作り、高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    伝統工芸の提灯を現代向けに発展させ、障がい者雇用や地域の大学との共同開発など地域的な意義がある。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    大分大学と共同で自動ヒゴ巻き機やアルミ型枠を開発しており、地域の産学連携による製造イノベーションに関わっている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    宇佐市の地域企業として障がい者雇用を進め、地域の大学と製造機械を共同開発するなど、地域の特性を活かした事業になっている。

今後の展望

高耐久性加工紙を使った提灯の取り扱い量を10年にわたる長期スパンで増やす計画です。将来的には多岐にわたる用途の提灯を扱う総合メーカーを目指しています。

時期を見て障がい者も自動折り機を操作できる体制を整え、万全な製造体制の実現を目指す意向です。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。