付加価値向上のための、事務作業の自動化と一元管理システムの構築

大分県の卸売業・小売業の会社が、ものづくり補助金で在庫や受注などの管理情報を一元化するシステムを導入し、事務作業を自動化した事例です。

三金商事株式会社

この事例のポイント

  • 在庫管理、受注管理、顧客管理などの業務が部門ごとの個別システムで処理されており、情報の受け渡しや会計システムへの再入力に手間がかかっていました。
  • 従来は部門ごとに個別のシステムで処理していた在庫管理情報、受注管理情報、顧客管理情報などを、ERPシステム「NetSuite」に集約しました。
  • NetSuiteに情報を集約したことで、入力した数値などがリアルタイムかつ自動で各管理情報に反映されるようになり、別のシステムに入力し直す作業が不要になりました。

事業者のプロフィール

事業者名三金商事株式会社
所在地大分県 大分市
業種各種商品卸売業
従業員数37人
資本金1,000万円
設立2011年

事業の背景

同社は2011年設立で、Eコマースを中心としたB to Cチャネルと、小売業者への卸販売を中心としたB to Bチャネルの2軸で事業を展開しています。取り扱う商品は約3万点にのぼり、うち1,200点ほどは同社が企画・開発に携わった商品です。

注文数は設立当初の1日100件程度から、現在では1日1,000件に上ることも多くなりました。注文数が10倍になるまでに10年かかっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力在庫管理、受注管理、顧客管理などの業務が部門ごとの個別システムで処理されており、情報の受け渡しや会計システムへの再入力に手間がかかっていました。
  • 品質・精度部門間の情報受け渡しで行き違いや入力ミスが起きやすく、二重管理や入力ミスが頻発していました。
  • 人手・技能急成長により業務量が増加し、複雑化する各部門の情報をまとめきれない状態になっていました。

やったこと

従来は部門ごとに個別のシステムで処理していた在庫管理情報、受注管理情報、顧客管理情報などを、ERPシステム「NetSuite」に集約しました。2020年頃からERPシステムの導入を検討し、1年かけて比較検討した結果、日本オラクルが展開するNetSuiteの導入を決定しました。

導入は2022年1月に完了し、活用方法についての社内勉強会などを経て本格運用を開始しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

NetSuiteに情報を集約したことで、入力した数値などがリアルタイムかつ自動で各管理情報に反映されるようになり、別のシステムに入力し直す作業が不要になりました。これにより二重管理や入力ミスは大幅に解消されました。

受注に関わる事務業務も自動化され、注文後の在庫確認や出荷依頼が不要になり、発送までのリードタイムも明確になりました。社員は単純作業に費やしていた時間を営業活動や企画立案などに充てられるようになり、モチベーションの向上という副次的な効果も生まれています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.7 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決注文数が1日100件から1,000件に伸びた一方で二重管理や入力ミスが頻発した課題を認識し、ERP導入で解決した経緯が具体的に書かれている。
  • 4
    事業化までの道筋1年かけて比較検討し、2022年1月の導入完了後に勉強会を経て本格運用する段階的な進め方とスケジュールが具体的に書かれている。

もう一歩だった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性商品数約3万点・自社企画1,200点やEコマースとB to Bの2軸が示されるが、市場動向との関係や競争優位性の説明は薄い。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    2011年設立後、注文数増加に伴う課題を経てERP導入を検討し、2022年から輸出・ライブコマースへ展開する流れが事業の一貫した成長として書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    商品数約3万点・自社企画1,200点やEコマースとB to Bの2軸が示されるが、市場動向との関係や競争優位性の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    注文数が1日100件から1,000件に伸びた一方で二重管理や入力ミスが頻発した課題を認識し、ERP導入で解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    業務効率の劇的改善や新規事業展開は書かれるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社内勉強会を経て本格運用に入り、社員37名で業務を進めている体制が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    商品の企画開発やOEM対応は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは事例中で整理されていない。

  • 事業化までの道筋4

    1年かけて比較検討し、2022年1月の導入完了後に勉強会を経て本格運用する段階的な進め方とスケジュールが具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    ERP導入自体は一般的な手法であり、同分野で高付加価値化を図る独自性は事例から読み取りにくい。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    業務効率化や新規事業による輸出展開は書かれるが、地域波及や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は弱い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    ERPによる業務統合と、中国向けライブコマースへの挑戦・配信スタジオ設置というデジタル活用による新ビジネスが書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    Eコマースや中国向けライブコマースへの進出は成長分野への挑戦と読めるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

企業の土台が盤石になったことで、2022年より中国やアメリカなどを対象とした輸出ビジネスを本格化しました。中国では急成長するライブコマースに挑戦し、社内にライブ配信用のスタジオも設けました。

今後も成長の速さに合わせてシステムを適宜ブラッシュアップし、最適化を図り続けます。

事業者の声

企業は生き物。特に同社は成長のスピードが速いことから、それに合わせて今後もシステムを適宜ブラッシュアップしつつ、最適化を図り続ける。

公式の事例集より(原文のまま)

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。