機械装置導入による生産性向上と顧客ニーズに応じた畳提案事業

大分県の従業員2人の畳製造業が、ものづくり補助金で機械装置を導入し、薄畳や縁無畳にも対応できるようにした採択事例です。

有限会社中荘製畳

この事例のポイント

  • 薄畳や縁無畳の受注機会が増えたが、従前の設備ではそれらの特殊な畳を製作できず、高品質な畳づくりに支障をきたしていた。
  • 畳床の切断と畳表の張り付けを行う「表張・框縫付自動片框裁断機」と、畳縁の縫い付けを行う「全自動平刺・返縫機」を導入しました。
  • 導入した設備により、対応が難しかった薄畳や縁無畳の製作が容易になりました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中荘製畳
所在地大分県 宇佐市
業種その他の製造業
従業員数2人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

近年はライフスタイルの変化により和室が減少し、畳の需要も減少傾向にあります。一方で、フローリング材と同じ厚さの薄畳や、リビングで用いる縁無畳の割合が増えており、種類は多様化しています。

さらに安価な中国産品が急増し、畳製作会社は対応を迫られています。同社は親子2代にわたり営業を続け、安心院・院内産のわらを畳床に、熊本県八代産のイ草を畳表に使う伝統的な畳づくりを守ってきました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術薄畳や縁無畳の受注機会が増えたが、従前の設備ではそれらの特殊な畳を製作できず、高品質な畳づくりに支障をきたしていた。
  • 人手・技能従前の設備は前工程と後工程にそれぞれ一人ずつ、計二人のスタッフを置く必要があった。
  • 生産能力社長を含めて2名体制のため、畳製作に比重を置かざるを得ず、ふすまや障子などほかの商品に注力できなかった。

やったこと

畳床の切断と畳表の張り付けを行う「表張・框縫付自動片框裁断機」と、畳縁の縫い付けを行う「全自動平刺・返縫機」を導入しました。前工程の設備で畳床を切断して畳表を張り、その後に後工程の設備で畳縁を縫い付けます。

両設備とも操作はほぼ自動制御が可能ですが、素材の状態に応じて最適な力加減が異なるため、あえて半自動に設定しました。これにより人の技術が介在する余地を残し、薄畳や縁無畳を含めた高品質な畳づくりを可能にしました。

新しい製品・サービス:薄畳・縁無畳

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

導入した設備により、対応が難しかった薄畳や縁無畳の製作が容易になりました。また、一人で前工程と後工程の両方に対応できるようになり、もう一人が別の作業に専念できるようになりました。

これにより、ふすまや障子などほかの商品への注力や、客先での打ち合わせ、営業活動に時間を割けるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 514観点のうち10観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国産わら・八代産イ草の使用やショールームで差別化し、中国産急増の中で強みを示している。ただし数値の裏付けは限定的。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け薄畳・縁無畳の需要増加や集合住宅向けの特徴を把握し、国産畳の快適性や均一性を顧客に訴求している。
  • 4
    新しさ・高付加価値薄畳・縁無畳など高付加価値の特殊畳に対応し、わら畳床やイ草の国産品で高水準の品質を訴求している。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後は需要の高い商品を見極めてラインナップを拡充すると述べるが、スケジュールや具体的な進め方は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    親子2代で営業を続け、伝統的な畳づくりを守ってきた取組が、薄畳・縁無畳の新設備導入と連続しており一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国産わら・八代産イ草の使用やショールームで差別化し、中国産急増の中で強みを示している。ただし数値の裏付けは限定的。

  • 課題の認識と解決3

    畳の多様化への対応が遅れている課題を認識し、薄畳・縁無畳対応の設備導入で解決を図っている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    社員2名体制で、一人で両工程を担える設備導入により、業務配分と社長の営業時間確保を実現する体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薄畳・縁無畳の需要増加や集合住宅向けの特徴を把握し、国産畳の快適性や均一性を顧客に訴求している。

  • 事業化までの道筋2

    今後は需要の高い商品を見極めてラインナップを拡充すると述べるが、スケジュールや具体的な進め方は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    薄畳・縁無畳など高付加価値の特殊畳に対応し、わら畳床やイ草の国産品で高水準の品質を訴求している。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統的な畳づくりや安心院の故郷での事業について触れるが、経済波及や雇用創出の記述は弱い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地域の素材である安心院産わらや八代産イ草を用い、地域の特性を活かした畳製造を行っている。

今後の展望

少子化や過疎化が進む安心院では、新築住宅の着工減少が続くと見込まれます。そうした中でも、導入した2設備を活用して需要の高い商品を見極め、ラインナップを拡充していく考えです。

今後は営業エリアの拡大や人手不足の解消にも努めたいとしています。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。