手動の三次元測定をCNC化し、1日40時間の検査工数を7.5時間に

株式会社エステック

成果1回の検査時間が80分から15分に、1日の検査工数が40時間から7.5時間になった。

この事例のポイント

  • 産業機械や半導体製造装置、建設機械などの部品を多品種・小ロットで製造し、マグネシウムの加工・溶接に高い技術を持つ。
  • 手動式の三次元測定機では1日40時間の検査工数がかかり、測定の精度や速度が作業者によってばらついていた。
  • CNC三次元測定機2台と測定プログラム作成ソフト、検査成績書の自動作成ソフトを入れ、検査の自動化とデータのデジタル管理を進めた。
  • 減らした工数を高付加価値の工程や若手の育成、技術承継に回している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エステック
所在地大阪府
業種産業機械・半導体製造装置などの精密加工部品の製造
従業員数48人
資本金5,000万円

事業の経緯

東大阪市に本社を置き、産業機械の精密加工部品をはじめ、半導体製造装置部品、建設機械部品、インフラ設備部品、樹脂部品など多品種・小ロットの部品を製造している。マグネシウムの加工と溶接では国内でも高い技術力を持ち、大型の加工品から小型の加工品まで様々な分野で採用されている。

検査は手動式の三次元測定機に頼っており、工数とばらつきが課題だった。需要が増える半導体製造装置部品や防衛関連部品に対応するため、省力化投資補助金で検査工程の自動化に踏み切った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 手動測定にかかる工数とばらつき手動式の三次元測定機を使っており、1日40時間の検査工数が発生して生産性が落ちていた。測定中に対象物の向きを何度も変える必要があってロスタイムが生じ、作業者によって精度や速度にばらつきが出ていた。測定データは手書きやExcelへの転記で、ミスが起きやすく手間と時間もかかっていた。
  • 重要分野の部品に求められる検査品質需要が増えている半導体製造装置の部品や防衛関連の部品では、検査の品質と効率の改善が急ぎの課題になっていた。

やったこと

  1. CNC三次元測定機と自動作成ソフトの導入検査測定作業を自動化するためにCNC三次元測定機を2台導入し、あわせて測定プログラム作成ソフトと検査成績書自動作成ソフトを入れた。測定データを自動で保存し、成績書を自動で生成する仕組みにして、データのデジタル管理と成績書の自動生成を実現した。

事業の効果

  • 1回の検査時間が80分から15分になった。
  • 1日の検査工数が40時間から7.5時間になった。
  • 検査の作業者数が5名から2名になった。
  • 測定データが自動保存され、検査成績書も自動で作られるようになった。
  • 測定精度が上がり、高精度部品の検査ができるようになった。
  • 航空関連産業や半導体製造装置産業など重要分野への対応力が生まれた。
  • 減らした工数を高付加価値の工程に再配分し、若手の育成やOJT、技術承継、研究開発や新技術の習得に時間を使えるようになった。

審査の観点ごとの評価

中小企業省力化投資補助金の公募要領にある審査の観点10つで見ています

観点の平均2.7 / 5
直近の回(第6回)の採択率63.9%応募1,841件・採択1,176件

出典:公募要領 p.30(審査項目)

技術面55%
  • 省力化の効果5

    1日の検査工数が40時間から7.5時間、1回の検査が80分から15分と数値で示され、省力化の効果と算出根拠が読み取れる。

  • 投資の回収1

    公開されている事例からは読み取れません。投資額や投資回収期間の記載がありません。

  • 付加価値の伸び1

    公開されている事例からは読み取れません。付加価値額の年平均成長率の記載がありません。

  • 自社に合わせた設備4

    CNC三次元測定機2台と測定プログラム・成績書自動作成ソフトを組み合わせ、測定の向き変えロスを減らす構成が具体的に読み取れる。

計画面50%
  • 体制と資金2

    従業員48名、検査作業者5名から2名への変化はわかるが、財務状況や資金調達、サイバーセキュリティ対策の記載はない。

  • 優位性とスケジュール3

    導入機器と効果は具体的だが、遂行スケジュールや導入の進め方の記載は薄い。

  • 賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。賃上げの目標値の記載がありません。

  • 会社全体への効果4

    検査の自動化で減らした工数を若手育成や技術承継、研究開発に振り向けており、会社全体への効果が読み取れる。

政策面60%
  • 地域経済への波及3

    大阪府の製造業で半導体製造装置や航空関連など重要分野への対応力が生まれたと書かれているが、地域経済への波及の記載は薄い。

  • イノベーション3

    CNC三次元測定とデータ自動保存・成績書自動生成というデジタル活用は読み取れるが、新しいビジネスモデルや先端技術としての位置づけは薄い。

補助金を使った経費

冊子の内容から、省力化投資補助金の経費区分にあてはめた区分です。

  • 機械装置・システム構築費CNC三次元測定機2台測定プログラム作成ソフト検査成績書自動作成ソフト

事業者の声

本事業により、検査工程の自動化・高精度化・デジタル化を実現し、省力化と生産性・品質で大きな改善が得られました。

今回の投資により、どのような分野でどのような付加価値を創造するか次のステージへ進むための重要な一歩となりました。

今後も技術力の向上と人材育成に努め、より高品質な製品を安定的に提供し続ける企業を目指していきたいです。

大阪府の精密加工部品製造業(従業員48名)
出典

今後の展望

航空関連産業や半導体製造装置産業など重要分野への対応力を生かし、どの分野でどんな付加価値を生むかという次の段階に進もうとしている。技術力の向上と人材育成を続け、高品質な製品を安定して供給する企業をめざしている。

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