ものづくり補助金製造業兵庫県専門家確認済み

釣針のめっき技術を生かし、鋸刃の2層黒めっきで新分野へ進出する

株式会社バンセイコウ

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名株式会社バンセイコウ
所在地兵庫県
業種めっき加工(釣針・鋸刃)
従業員数22人
資本金1,000万円

この事例のポイント

  • 切れ味と光沢がありながら光を反射させない2層黒めっき技術を開発し、取引先の鋸メーカーの新製品への採用が決まった。
  • 欧米のアウトドアハンティング市場のニーズに応え、現在は海外に向けたヒット商品になっている。
  • ものづくり補助金で新ラインを導入し、水洗工程数の削減とリードタイムの短縮で増産を可能にした。

事業の経緯

同社は1970年「生田めっき工業所」として創業、1989年に「株式会社バンセイコウ」として法人設立しためっき加工専業会社。所在地である兵庫県西脇市および隣接する加東市には釣針メーカーが多く存在しており、同社は釣針のめっき工程を請負う。また近隣の三木市、小野市は金物の町として有名で、金物メーカーからのめっき加工も手掛けている。品目別売上高構成は、釣針めっきが7割、鋸刃などの金属製品のめっきが3割となっている。※2023年はばたく中小企業・小規模事業者300社(事業再構築・生産性向上分野)受賞。

1970年に創業し、1989年に法人を設立しためっき加工専業会社で、売上は釣針めっきが7割、鋸刃などの金属製品のめっきが3割を占める。

中国向け釣針の輸出額が2015年をピークに減って売上の減少が続くなか、近隣の鋸製造業者から、海外アウトドアハンティング向けの鋸刃めっきの引き合いが来た。光を反射させない2層黒めっき技術を開発して新分野に進出し、ものづくり補助金で無電解ニッケルめっきの新ラインを導入して、水洗工程数を削減し、増産を可能にした。

事業の内容

  1. 課題:釣針の輸出減少と新分野の模索中国向け釣針の輸出額は2015年をピークに減少し、同社売上の減少も続いていたことから、事業再構築するために新分野への進出を模索した。
  2. 取り組み:2層黒めっき技術の開発近隣の鋸製造業者から、新製品の海外アウトドアハンティング向け鋸刃めっきの引き合いが来た。切れ味が良く光沢がありながら光を反射させないことが条件で、従来にはない高度な技術が求められたが、同社の強みである技術開発力と施工技術力で解決した。鋸刃を目立てした後の1層目に、鋭利で光沢のあるシルバー色の無電解ニッケルめっきを施し、2層目に黒めっきを施すことで光の反射を抑える。光の反射で獲物に気づかれたくないハンターのニーズに応えることができ、鋸メーカー新製品への採用が決定して、新分野進出を実現した。
  3. 取り組み:取引先とともに海外市場へ日本製の鋸は切れ味がよく耐久性に優れているため、アメリカ・オランダ・ドイツなどでは、高価格であっても高品質な日本製の鋸を求める声が多い。コロナ禍以降、アウトドア需要・DIY需要の高まりもあり、海外において鋸を含む日本製刃物の需要が拡大している。取引先の鋸メーカーは、海外展示会への出展等を通して欧米のアウトドアハンティング市場のニーズを把握し、商品化に取り組んだ。ニーズに応えられる製品の開発には高度なめっき技術が課題であったが、同社が2層黒めっき技術を提供することで製品化に成功し、現在は海外に向けたヒット商品になっている。
  4. 課題:2層めっきによる水洗工程の増加鋸刃の2層めっきでは水洗工程の工程数が倍増するため、受注数拡大に向けてのボトルネックとなっていた。
  5. 取り組み:ものづくり補助金で新ラインを導入問題解決にあたり、ものづくり補助金を活用し、無電解ニッケルめっきにかかる新ラインを導入した。結果、水洗工程数を削減し、リードタイムを短縮することでアウトドアハンティング製品の増産が可能となり、生産性向上を実現している。
  6. 取り組み:品質第一の製品づくり品質第一をモットーとして製品づくりに取り組んでいる。釣針のめっきでは、特に重要である防錆性と鋭利性について基準を定め、ピンホール検査、塩水浸漬テスト、針先の鋭利性検査を行っている。他社製品との比較試験を実施することで、さらなる品質向上を図っている。鋸刃のめっきは見た目の美しさも重要であるため、製品ごとに独自の治具を選定のうえ使用することで、仕上げの品質にも留意している。

補助金を使った経費

ものづくり補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

機械装置・システム構築費無電解ニッケルめっきの新ライン

事業の効果

  • 水洗工程数を削減し、リードタイムを短縮して、アウトドアハンティング製品の増産が可能になった。
  • 2層黒めっき技術の提供で鋸メーカーの新製品が製品化され、現在は海外に向けたヒット商品になっている。
  • 鋸メーカー新製品への採用が決まり、新分野進出を実現した。
  • 水洗工程の工程数が倍増する問題を解消し、生産性向上を実現した。

審査項目とこの事例の合っていたところ

ものづくり補助金の審査項目(5項目中4項目が合致)直近の回(23次)の採択率 35.1%(応募1,275件・採択448件)

◎経営戦略との整合性釣針で培った技術開発力・施工技術力を、鋸刃のめっきという新分野に生かした。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 73件
◎事業の実現可能性品質の基準と検査を定め、比較試験を行いながら、高品質の製品づくりを進めている。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 68件
◎新市場性・高付加価値性欧米のアウトドアハンティング市場のニーズに応える、高度な2層黒めっきを提供した。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 62件
◎公的補助の必要性2層めっきで増えた水洗工程が増産の妨げになっており、補助金で新ラインを導入した。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 8件
—政策面公開されている事例からは読み取れません。出典:公募要領 p.44

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。審査項目は、いま募集している回の公募要領のものです。

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