ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業福島県

長襦袢をモチーフに純国産絹でリラックスウェアを開発、海外展開へ

株式会社まる善

成果量産に於けるトータル原価が試作時の1/3〜1/4に抑えられそうである

この事例のポイント

  • 和装に特化したコアビジネスだけでは市場全体が縮小傾向にあるため、洋装品を開発して幅広い顧客層を取り込むことが経営課題である。
  • 川俣産100%の純シルク(サテン)を生地に採用し、パーティードレス仕様にも対応できる最高級品を選定した。
  • 量産に於けるトータル原価が試作時の1/3〜1/4に抑えられそうである。試作品の評価を踏まえ、量産におけるコスト削減の見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社まる善
所在地福島県 いわき市
業種織物・衣服・身の回り品小売業

事業の背景

呉服や小物類の販売を本業とし、着付け教室や展示会などのイベントも行っている。和装の魅力を見直す機運が起きている一方で、和装マーケット全体は縮小傾向にある。福島県の川俣シルクという地域の素材を活かせば、新たな需要を生み出し地場産業の持続可能性も高まると考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術和装に特化したコアビジネスだけでは市場全体が縮小傾向にあるため、洋装品を開発して幅広い顧客層を取り込むことが経営課題である。
  • 生産能力ストーリー性を語れる洋装品の新規事業を始めるためのポテンシャルを探る第一歩がまだ記されていない。

やったこと

川俣産100%の純シルク(サテン)を生地に採用し、パーティードレス仕様にも対応できる最高級品を選定した。染色では墨流し染色とマーブルプリントを施した染色シルク生地を延べ6種類作製し、デッサン画から量産までの実施仕様書、パターン(型紙)を整えた。試作品としてリラックスウェア、Vネックワンピース、レイヤードワンピースなどを製作し、検品・評価まで進めた。

新しい製品・サービス:長襦袢をモチーフに伝統的な染色技術と斬新なデザインを融合させたシルク製リラックスウェアのブランド。

事業の効果

  • 量産に於けるトータル原価が試作時の1/3〜1/4に抑えられそうである
  • 染色シルク生地は延べ6種類である

試作品の評価を踏まえ、量産におけるコスト削減の見通しが立った。ファッションや服飾の教育機関、クリエイター、メディアからも高評価が寄せられている。絹産業の再興や地域活性化への一助となり得る視点を示した。今後はモニター結果の分析とフィードバックを進め、国内外のセレブ市場を狙ったブランドを始動させる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    和装専門店として長年の実績があり、洋装品開発を経営課題に挙げているが、経営戦略上の位置づけは文面から十分に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    和装市場が縮小傾向にあることと、川俣シルクという地域素材を活かす点が書かれており、外部環境と強みへの言及はあるが具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    和装の縮小という課題を認識し、洋装品で顧客層を広げる方向は示されているが、事業計画の数値的な裏付けは書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    量産時の総原価が試作時の1/3~1/4に抑えられそうと書かれているが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    デザイナー・縫製スタッフ・技能者の体制や人材確保・育成に触れているが、事務処理能力や具体的な人数は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    純国産絹や川俣産100%のサテン、国内外のセレブ市場といったターゲットと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から量産までの工程とモニター分析、ブランド始動への段階は示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    墨流し染色や川俣シルクの純絹を用いた高級素材で、一般的なリラックスウェアとは差別化された高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    川俣シルクや絹産業の再興、地域活性化への貢献が明確に示され、地域の産業振興という公的補助の意義が読み取れる。

  • 費用対効果2

    量産時の原価低減見通しは書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    伝統染色と若手デザイナーの感性を融合させる点は述べられているが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    インバウンドやクールジャパンへの関心を背景に海外展開を志向しているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    福島県川俣産の絹を活用し、地域の伝統産業と結びつけて地域経済の活性化に資する事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オリジナルブランドの本格的な始動に先立ち、モニター結果の分析とフィードバックを進める。縫製スタッフなど生産体制を支える人的リソースの確保・育成を図る。国内外のセレブ市場を対象に、リラックスウェアに加えパーティードレス・イブニングドレスも有望な商材として狙う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。