ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業徳島県

天然藍の高効率染料化、染色技術の高度化及び高感性化事業

株式会社絹や

この事例のポイント

  • 伝統的な藍染は、藍の収穫後に極めて長い時間をかけて発酵させる必要があり、高品質だが高コストである。
  • 乾燥した藍葉を粉末化して不溶性インジゴの量を増やし、温度、pH、薬剤の投入タイミングを調整して発酵を加速させ、短期間で水に溶ける還元型にした。
  • 乾燥した藍葉を染料化する技術により、生産期間の大幅な短縮が期待できる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社絹や
所在地徳島県 徳島市
業種織物・衣服・身の回り品小売業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

天然藍を用いた染色は、最近は衣類だけでなく装飾品、木製品、革製品などの染色法として見直され始めている。一方、伝統的な藍染は藍の収穫後に長い発酵が必要で、高品質だが高コストである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算伝統的な藍染は、藍の収穫後に極めて長い時間をかけて発酵させる必要があり、高品質だが高コストである。
  • 納期・工程発酵に長い期間が必要なため、天然藍を染料として生産するまでの期間が長い。

やったこと

乾燥した藍葉を粉末化して不溶性インジゴの量を増やし、温度、pH、薬剤の投入タイミングを調整して発酵を加速させ、短期間で水に溶ける還元型にした。その後は染色と酸化を繰り返し、水に溶けない元のインジゴ状態に染色させる方法を確立した。この方法は伝統的な染色法「スクモ」と遜色ない色の表現が可能である。また、刈り取った藍の生葉をすぐに水に漬けてインジカンを溶出させ、石灰等を投入後、高酸化技術で不溶性の色素インジゴを高効率に生成して水中に沈殿させ抽出する方法を開発した。この方法は短時間で染料となり、顔料化して固着剤を加えれば塗布用途にも利用できる。

新しい製品・サービス:乾燥藍葉を高効率に染料化する技術による染料(皮革・繊維製品の染色用)と、藍葉刈り取り後の高効率な染料・顔料(木材・金属等への塗布用、ジャパンブルー関連製品)。

事業の効果

乾燥した藍葉を染料化する技術により、生産期間の大幅な短縮が期待できる。藍葉刈り取り後の製造技術は短時間で染料となり、コスト面でも優位に働くことが期待されている。製品は染料や顔料として皮革・繊維製品や木材・金属等に利用でき、日本の色であるジャパンブルー関連製品の開発にも貢献できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の大学との共同研究成果を基に工業化を図る流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    天然藍は合成染料との差別化や歴史性、市場評価の高さに触れるが、自社の経営資源との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    伝統的藍染は発酵に長時間を要しコストが高いという課題を示し、短時間化による低コスト化を図るとあるが、数値は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産期間の大幅な短縮が期待できるとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6人の企業であることは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    JAPAN BLUEブランドとして皮革・繊維や木材・金属等へ用途を広げる方針は書かれるが、顧客ターゲットの詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として販路拡大の方向性は示されるが、スケジュールや課題の解決方法の記述はわずかである。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    天然藍染は伝統的に長時間の発酵を要し、高品質だが高コストな分野で、短時間化により高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    日本の色ジャパンブルー関連製品の開発への貢献や染料の用途拡大が示され、国が支援する意義はうかがえるが、経済波及の数値はない。

  • 費用対効果2

    生産期間の大幅短縮や低コスト化が期待されるとあるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との共同開発による技術の工業化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献の記述は少ない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    天然藍の見直しや工業化という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの明示的な記述はない。

  • 地域経済への波及3

    徳島の藍を原料とし歴史性や工芸価値を活かす点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

天然染料藍は合成染料との差別化を持つ競争力があり、歴史性や物語性、工芸価値から市場での評価も高い。今後はJAPAN BLUEブランドとして様々な産業や世界に販路を拡大していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。